023 因果応報の時②
「本当にエクスポーションを作ることができたのか!」
リドバは慌て立ち上がるが、もうスティラが止まることはない。
「絶対ウソに決まってる! エクスポーションを作れるのは祖父様だけなんだ!」
だからリドバは作れておらんじゃろうに。
スティラは儂のレシピ通りに薬草を並べて下処理を行っていく。
すでに改善策にも取りかかっており初めて作り上げた時よりもスムーズに精製を行っている。
素晴らしい才能じゃな。恐ろしいほどの成長スピード。きっとすぐに儂よりも優れた薬師になるのじゃろう。
難所だった舌への感覚の所も危なげない動きでこなしている。
これならあっと言う間に作ってしまうだろう。
「……」
リドバの動きが怪しいな。
儂でなければ見逃していたぞ。手を動かして、何かを指示している。
ここでの指示は……恐らく。
「ヒャッハー!」
観客の中から急にナイフを持った若造が飛び出してきた。
狙いは当然スティラである。
スティラはポーション精製に集中しており、その接近には気づかない。
瞬きほどの時間の間隔。ナイフを持った男は……。
次観客が目を開いた時には場外へ飛ばされていた。
「邪魔はさせんよ」
即刻蹴り飛ばして妨害を防いだ。
儂がいる限り、どんな攻撃もスティラには通さない。
ただこう邪魔が何度も入るのは面倒じゃ。
観客の中からこちらに狙いを持つ不審者を判別せねば。
儂ならばこの大勢の中から特定の不届き者だけを断つことができる。
伊達に200年生きているわけではない。軽いものじゃよ。
太刀を一瞬抜いて、不届き者だけ意識を刈り取る。
観客の目には急に男が倒れたと思うだけじゃろう。
そのまま鞘に戻してスティラを見守る。
さてこれで物理での邪魔は一切通さない。
儂の防御は鉄壁じゃ。
「ブオオオオオオオっっ!」
ふむ、物理的な邪魔は阻止されるから大きな音や振動を出して邪魔をしようということか
だがまだまだ考えが浅いな。
才あるものがなぜ評価されるか分かるか?
そう失敗しないからだ。
音が出ようが振動をしようがスティラの集中力は揺るがない。
その成功率が才のあるものの証だ!
スティラは言っていた。一度作成できたポーションは二度と失敗しないと。
「出来ました。エクスポーション!」
スティラはポーション瓶を三本机の上に置いた。
赤くとろみのあるポーションが出来上がっており、非常に純度が高い。
誰か見たって成功したということが分かる。
鑑定人のボンド氏がエクスポーションを手に取る。
それを眺めて瓶を振り、一本封を開けて小容器に移して口に含む。
舌で味わった後、ポーションを机の上に置いた。
「こちらは……はい、エクスポーションです。ポンポーティルが所有しているエクスポーションと同等であると証明致しましょう」
「おおおおおおおっ!」
観衆から賞賛の声が上がる。





