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【書籍化】老練の時空剣士、若返る〜二度目の人生、弱きを救うため爺は若い体で無双する〜  作者: 鉄人じゅす
序章

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021 華麗な登場

「よく分からないまま乱入したけど、女の子を襲おうとしてたしこれでいいわよね?」

「ああ、助かったぞ。シャルーン」

「クロス、昨日ぶりね」


 現れたのはフィラフィス王国の王女で王国の騎士でもある才女、シャルーンだ。

 前の戦いの後、近隣の村で休んでいると思っていたがなぜここに来たのだろう。


「王都に戻るのではなかったのか?」

「えっと……」


 シャルーンは頬を赤らめドギマギし始めた。


「昨日の今日ならまだ間に合うかなって思って……会いにきたの」

「成人の式はもう終わったぞ?」

「そ、そういうことじゃないから!」


 どういうことじゃ? やはり若者はよく分からん。

 するりと儂を横切りスティラはシャルーンに近づく。


「あの……危ない所を助けて頂きありがとうございます。凄くお強いんですね!」

「ふふ、王国騎士として当然よ。あなたにケガがなくて良かったわ」


 シャルーンは凜々しい姿でスティラに告げる。

 こういう姿は本当に姫騎士って感じじゃな。


「騎士の方なんですね! 凄いですねまだお若いのに」

「シャルーンは儂らと同い年じゃぞ」


「そうなんですね! あ、わたしはスティラ・ポンポーティルと言います。シャルーンさん、宜しくお願いします」

「あなたも同い年……。へぇ……あ、でもその胸ならそうか」


 顔を見てから胸を見るんじゃない。

 まぁ童顔だけ見ればルーナとそんな変わらないからな。


「シャルーンさん……どこかで見たような」

「騎士として有名になったってことかしら」


 王女であることはわざわざバラさないようじゃ。

 今は騎士鎧ではなく軍服のようなゆったりしたものを着ておるし、スティラも気づかんじゃろうな。

 シャルーンはスティラの手を取った。


「ねぇ、スティラ。同い年の知り合いが少ないから良かったら私と友達になってくれない?」

「え、嬉しいです! シャルーンさんのような綺麗な方とお友達になれるなんて感激です」

「あなただって凄く可愛らしいじゃない。宜しくね」


 同い年で同性なこともありあっと言う間に仲良くなったな。

 儂ももっと同性の同い年の奴らと絡むべきじゃっただろうか。

 でもEランクの才能無しって言われた以上どうにもならんな。


「それで? クロスとスティラはど・う・い・う関係なのかしら」

「何か怒ってないか?」

「べっつにー。会えたと思ったら巨乳美少女と一緒にいるから気になっただけだし」


 シャルーンはつーんと腕を組んで、視線を背けた。


「儂とスティラはそうじゃな。薬師仲間じゃよ」

「じゃあ……私とあなたは?」

「剣士仲間か?」

「ふふーん、まぁ許してあげるわ」


 許される意味が分からんがまぁ、こういう時に女子に反論しても良いことがないのは知っている。黙っていよう。

 シャルーンは倒れている男達に目を向ける。


「それで、何に巻き込まれたの?」


 これはシャルーンにも話しておいた方が良さそうだな。

 儂らは教会へ向かって歩きながら昨日と今日あったことを話した。

 エストリア山に行った件はもちろん内緒だが。


 ◇◇◇


「神託の才能なんてあくまで指標でしかないのに、王都以外ではそんなことになってたなんて知らなかったわ」

「王都の教会は違う感じなんですか?」

「え、ええ……。私の場合は特別だったから」


 シャルーンは王女だ。王族が参加するような成人の式にそんな暴挙をする奴はおらんだろうな。


「おぬしの才能はどうじゃった? やはり最高ランクだったのか」

「神託なんて受けてないわよ。そもそも受ける必要ある? 3歳から剣を触ってるのに」


 それは納得。才能が有り無し関係なくすでに騎士として評価を得ている。

 シャルーンはそっと小柄なスティラを抱く。


「辛かったよね、家族にいらないって言われるなんて……。私はスティラの味方だから、困ったら頼って」

「シャルーンさん……嬉しい」


 お互い涙を浮かべ、支え合う。感受性の高い若者ならではって所か。

 儂はスティラを支えられても共に悲しむことはできん。潜在的な年齢差が憎い。


 儂ら三人教会の近くまで来て立ち止まる。

 勝負はよほどのことがない限り敗北はないと思う。

 しかしそれだけで良いのか。ただ勝つだけではスティラが傷ついた事実しか残らない。

 才のあるものが正当な評価を得て、やってはいけないことをした人間に罰を与えるのは当然だとは思う。

 ならば……もう一つ手を打ちたいな。


「シャルーン、おぬしに頼みたいことがある」

「私に?」


「ああ、おぬしにしかできぬことだ。是非とも頼みたい」

「そんな真っ直ぐな眼で見られたら……もう、引き受けるしかないじゃない」


 そんな体をくねらせて受ける必要はないと思うがの。


(シャルーンさんってもしかしてクロスさんこと)


「できるだけ早く後で指示する魔獣の肝を取って来てほしい。おぬしの力なら狩ることができるはずじゃ」

「無いとまずいものならあなたと私で狩った方が早いんじゃないの」


「無くても良いんじゃ。ただ先の襲撃があった以上、スティラを一人にしておけぬ。頼めるか」

「私にそんなこと頼むのあなたくらいよ。でも、あなたには大きな借りがあるしね。それがスティラのためになるなら引き受けてあげるわ」


「助かる。ただ無理をしてはいかんぞ。病み上がりなのだからな」

「大丈夫よ。一応王国きっての騎士として名を売ってるんだから。でも私の騎士剣折れちゃってるから、あなたの小太刀を貸してくれない? すごく使いやすかったし」


 儂は小太刀をシャルーンに渡す。

 シャルーンに討伐対象の説明をし外の方へ向かってもらった。魔物を引き寄せる薬も渡してやったからいけるはずじゃ。間に合えばさらにスティラにとって良い方向に進むに違いない。


「スティラ、決戦時じゃ……。行くぞ!」

「はい!」


 儂とスティラは教会の中へ入った。

 いよいよスティラの挑戦が始まる。

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『老練の時空剣士、若返る~二度目の人生、弱きを救うため爺は若い体で無双する~』

2024年5月24日 発売です!

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