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019 一つのベッドに二人。何も起きないわけがなく(※スティラ視点)

 わたし、スティラ・ポンポーティルは正直な所男性に免疫はない方だった。

 友達はいないし、再従兄弟は性格悪いし、ポーション研究に精を出していたのでそういうのに無縁だったのだ。

 従業員の方からは可愛いとか胸だけで世界取れるとか言われたのでまったく魅力がないわけではないと思うけど、それでも自信があるわけではない。


 クロスさんに一緒に来てもらい、手早く自宅から荷物を回収した。もともと神託で低ランクだったら逃げる予定だったので荷物をしっかりまとめていて良かった。


 近くの店で軽く夕食を食べて、宿へ来た。

 部屋を別にするのかなと思ったけどやっぱり同じ部屋で泊まるようだ。

 かなり狭い部屋でベッドが一つだけ。こんな所に男女二人が一部屋だなんて。


「風呂でも入ってくるといい」

「は、はい! 隅々まで洗ってきます!」


 こんなことになるならダイエットしておけばよかった!

 お風呂に入って体の隅々まで洗って、部屋に戻ってくる。

 長風呂だったのでクロスさんもすでに戻ってきていた。


 着替えはわたしが持っている中で一番かわいい寝巻だ。ちょっと胸を強調させた服なので恥ずかしいけど、男の子はこういうのが好きって聞いたことがある。


「あのー」

「なんじゃ」

「いや、なんでもないんですけど」


 せっかく髪とかしっかり洗ったし、服も決めてきたのに何のコメントもないんですか!

 髪をかき上げたり、体を揺らしてアピールするも何も気づいてくれない。

 むむむ。


「可愛い服着たのに……」

「服?」


 クロスさんがじっとわたしを見る。


「寝間着にしておったのだな。ピンク色で目を惹くが、よく似合っておる。スティラがとても可愛く見えるぞ」

「~~~~~~~っ!」


 そんな歯の浮くセリフを恥ずかしがることなく言えるんですか!

 本当に15歳ですかあなた!

 でも嬉しくてたまらない。わたしやっぱりクロスさんのこと。


 クロスさんは床に寝そべる。


「今日はもう遅い。寝ることにしよう。儂は床で寝るからベッドを使ってくれ」

「えっ! ダメですよ体を痛めちゃいます。わたしが無理言ってここにいるんですからクロスさんがベッドで寝て下さい」


「明日は大事な戦いがあるじゃろ。ちゃんと睡眠をとらねばならん!」

「なら……一緒に寝ますか。な~んて」


「ふむ、そうじゃな一緒に寝るか」

「え」


 えええ! そんな当然のように納得するんですか!

 でもわたしが提案してしまった以上、今更ダメだというわけにはいかない。

 クロスさんはベッドの中に入り、掛け布団を広げた。


「狭いがまぁ二人分なら何とかなるじゃろう」


 こんなシングルベッドじゃ手足とか私の胸とか当たってしまうじゃないですか!

 これはもう絶対分かってやってるに違いない。今日、わたし…抱かれちゃうんだ!


「さぁ、はよ来い」


 掛け布団を広げられ、そんな誘われ方したら逃げられない!

 わたしはゆっくりとベッドに入る。

 クロスさんと目が合って顔が真っ赤になりそうだった。


 何かずっとクロスさんがわたしを見てるんですけど!


「ふむ、スティラ。おぬし、まつげが長くて瞳がとても綺麗じゃな、可愛いぞ」

「ふぁいっ!」


 わたしは目を合わせられないのになんで平然としていられるの。


「灯りを消すぞ」


 ランプの灯りが消されて私は覚悟を決める。

 ここから始まるんだ。今日、わたしは真の意味で大人になる。

 狭いベッドに男女が二人、すでに手足が当たって体温を感じる。


 きっとこのまま抱きしめられて……体中をまさぐられる。


「ぐぅ」


 はずだった。


「え?」

「ぐぅ」


 クロスさんは完全に寝入っていた。

 スヤスヤと気持ち良さそうに寝息をたてている。


「おいこらぁ」


 もしかしてこの人、わたしのこと女と思ってないんじゃ。

 そう思うと今までの行動も……舌はいれられたけど!

 はぁ……一人で慌ててて馬鹿みたい。

 わたしも寝よう。


「……スティア頑張るんじゃぞ」


 寝言と共に軽く腕で抱かれて、髪を撫でられてしまう始末。

 わたしのことを女と思っていなくてもわたしはクロスさんを男と思っている時点で


「こんなことされたら眠れないじゃないですかっ!」


 悶々としたまま眠れない夜を過ごすのであった。

決戦まであと少し。明日も3話投稿予定です。


「面白くなってきた」「先が気になる!」と思って頂けてたら是非ともブックマーク登録や↓の☆☆☆☆☆から評価をお願いできればと思います。

高いモチベーションを保ちたいので是非とも宜しくお願いします!

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