101 正しいのは……。
帰れと言われるかと思ったら支えてくださいと言われた件。
おっかしいなぁ。あの流れでどうしてああなる。
出会って即、相手が先代国王陛下というのは分かったので一応敬意を持って話したんじゃ。
儂は敬語をまったく使えない礼儀知らずと思われても困るからな。
相手が70年そこらしか生きてない若造だとしても敬意ときとして必要じゃ。
儂としては率直な気持ちを伝えたと思っている。
儂は自分の判断を間違えたことがない。正確に言えば100歳超えてから間違えたことがない。
幼少時や若い頃は間違えたことはあったがあれは経験や鍛錬不足だったからに他ならない。だが100歳超えて約125年、一度も選択に悔いがあったことはない。
なので儂の選択は正しい。シャルーンを助けたのも正しいし、スティラのポーション作りを助けたのも正しい。ジュリオやブロコリの助けになったことも正しい。
儂の選択は全て正しい。
盗賊団を皆殺しにしたことも、人を襲う魔獣を根絶やしにしたのも、子をさらう邪教の団体を滅ばしたことも全て正しい。
儂が正しいと思ったものは生かし、間違っていると思ったものは全て滅ぼした。
だからこの国の次期国王候補で間違っていると思った第一王子は滅ぼした。
儂は正しい。これからも儂が正しくないと思うものは滅ぼすだろう。
例え今はなんの罪の犯していなかったとしても……これから間違っていることをするのであれば容赦はしない。
それがクロス・エルフィドの人生観よ。
儂が正しいと思ったものを救い続ける。
◇◇◇
庭師、いや先代国王陛下に案内され、儂は王居である宮殿の中へ入った。
先代国王陛下にシャルーンのパートナーを認めてくれたということでいいんじゃろうか。
さて国王陛下との面会が待っている。恐らく執事かメイドあたりが連れていってくれると思ったが。しかし入り口だというのに暗いな。明かりはどこじゃ。
「第一関門を突破したみたいね」
「何奴!」
いきなり明かりが灯り、宮殿の入り口が明るくなった。
宮殿に入ってすぐの所に1人のとんでもない美女が待ち構えていた。
女性はパチンと指をならす。
すると突然女性の左右にドレスで着飾った幼子が現れた。
「クロス・エルフィド様。フィラレス宮殿へようこそ。わたくしのことはごぞんじかしら」
「当然でありましょう。前王妃殿下。前拝見した時からさらに美しゅうなられましたな」
アクリオス前国王陛下の妃である前王妃殿下。
確か60代後半じゃったか。何という美しさ。
貴賓の中に素朴さがあり、この戦乱の時代に前国王陛下を支えた力強さがお顔によく表れている。
「あの人が表舞台を去ってからわたくしも控えるようにしたけど……若い人に知ってもらえているのは嬉しいわ」
「何をおっしゃるか。本当にお会いしたかったです。あなたのような美しい方に出会えて今日一番感激しております」
「あらあら上手いわね。わたくしのような老いぼれより孫娘の方が魅力的でしょう」
「そんなことはありません。王妃殿下はその生き様の中に見いだした苦労が美しさとなって表れています。そこらの子供とはわけが違います」
「過剰に褒められるのは嫌ではないけど」
やはりこの若い体では伝わらないな。
しかし前王妃殿下は美しい。やはり儂は年下好きのようだ。
「第二関門のお題を発表しましょう」
第二関門。つまり先ほど先代国王は第一関門だったということか。
正直何でもいいが突破できたのは間違いない。
前王妃殿下の側にはシャルーンより2,3上の世代の小娘共が集まっていた。
ドレスで着飾り、露出を増やし、儂にアピールをしている。
「王族のパートナーには選任の侍女を付ける決まりがあるの。だからあなたにも侍女を選ぶ必要があるわ。さぁ……クロス様。あなたはは理想の侍女を選ぶのです!」
「この中から選ぶということですな」
前王妃殿下はパチンと指を鳴らす。
隣にいた小娘が一歩前に出てポージングを行った。
「最初の子は伯爵令嬢のミーリス。貴族院で主席卒業した才女よ」
その才女とやらは一礼し、下がっていく。次は反対側の才女が前へ出た。
「子爵令嬢のフェナは王立学園でのミスコンに選ばれたわ。次の子爵令嬢のアリスレラはかの公爵家の筆頭侍女に選ばれた経歴を持つ。次の男爵令嬢ユーナは……」
たくさんの小娘を前王妃殿下は紹介していく。
「あなたが選ぶ子であなたの女性観を見定めるわ。可愛い孫娘のシャルーンに相応しいか……見せてもらおうかしら」
なるほど。これがお題ということじゃな。女を見る目を試している。
しかしどれだけ幼児を紹介されても儂の心はすでに決まっていた。
あの女子しかいまい!
「さぁ……クロス様。どの娘を選ぶのかしら!」
儂が選ぶのは……!
ここでクイズです。
クロスはどの女性を選ぶのか。予想を感想として頂けると嬉しいです!
当たっても何かあるわけでもないですが作者は喜びます!





