アナザー・ラスト・ストーリー
誰かの子が餅を背負って歩いたと皆でのお祝いは、毎度毎度に
例の飲食店 和食 久海を借り切りにして
呑んで食ってで騒いでをしたりして子が育っていく
子育ても女手が多数 皆で手伝えば かなり楽
一派の子を全部集めての皆で交代で面倒を見てる上に
保育士さんも雇ってしまうので、自宅保育園状態
でかいリビングや四八が大活躍してくれる
ちょっと妾が多いが幸せな家庭が営まれ
同じ年の子で幼稚園の入園式で三人並んで出席するのに
年子の二人目を、三日違いで生んだ春海ちゃんに預けて
美香ちゃんの他装で訪問着に二重太鼓で仕上げて貰っての余裕のひろ子さん
二重太鼓の自装の特訓をしてきた、陽子さんと万理さんであったが
節目節目の和装での、ひろ子さんの余裕の着付けられを見続けて
美里ちゃんと久美ちゃんに投げる方向に方針転換していた
なんだかんだで、皆 子を生み育て 何度も訪問着を着ての
入園式に卒園式 入学式に卒業式を 熟していく
例のウイルスも繰り返し、凶暴化して各地でアウトブレイクから
エピデミックを起こす それが衛生環境が悪い途上国を直撃しまくる
ワクチンの開発が間に合い続け、先進国は、なんとか社会運営は出来ていた
アフリカや南アジアや中東や中国などの途上国は半壊して、人口は激減
反枠な人々は繰り返しのエピデミックでさっぱり居なくなったので
ララ部の秋のような、無茶な紛争は発生しなくなり政情は安定居ていく
大佐の国ですら近代化路線に行きワクチンの接種を推し進め安定していた
食料用小麦などの改良により、先進国は返って食糧やエネルギー事情が改善して
冷戦にも関わらず、東西は安定していた
そんな先進国の幸せはノス君の予言より速くある秋で終わってしまった
その冬の初めに例のウイルスが感染性と強毒性を爆上げして
その力を遺憾なく発揮して世界に蔓延してきた
ワクチンを開発する間もなく、パンデミックとなっていく
潜伏期間が六週間 罹患して一週間を超すと撒き散らす
この症状もなく、撒き散らす五週間が人類の滅亡への五週間となる
ウイルス性の肝臓炎を発症すると治療法すらなく緩和ケアが精一杯で
医療が崩壊して行く
隔離をしようにも、罹患の判定が出来なく空気感染もあるウイルスでは手も打てない
発症すれば二週間で致死率が狂犬病並となる
財界やMS関係の友人たちも、仏門も、次々に沈黙していく
悲しむ間もなく、人口が激減してインフラも停止しだしてどうにもならない
日本が止まると、日本でしか生産できない色々なものも止まる
そもそも海運も止まっているので輸送が出来ないので
世界の工業も農業も止まる
ウイルスで壊滅的な打撃を受けた国々で仲の悪いところは開戦するが
戦力が続かず、沈黙していく
CCCOPのフサノブレジネ書記長が「これは西側の生物兵器であり報復をする」と
風が吹くアタッシュケースを使う決断をしてしまった
ウクライナにあったのも全部発射して東側も生き残った兵力で全力出撃
西側も対抗して米英仏も残存の兵力で全力投射
E-4B ナイトウォッチもKC-135を引き連れ、全機離陸していく
B-1もB-52も全力出撃 西側全部が反撃に出て
全てのサイロや原潜の中で二人同時のスイッチオンが行われる
春のはずなのにどうしようもない冬が訪れて来る
日本国内も治安保持の機能が停止し、暴力の嵐が吹き荒れるが
おっさんが結界を張り、マンションの廻りは暴徒の進入を防いでいた
おっさんとひろ子さんの二人目の子 大志もウイルスと放射線にやられる
インフラが止まる前に山崎土木の協力会社のおっちゃんが
マンションの敷地内の芝生にデカイ穴をパワーショベルで掘ってくれていて
大量の木材を置いていってくれていた
燃料を満載したトレーラーのタンクローリーもデンと置いてある
木材とマンションの住人の遺体を穴に入れガソリンと灯油を掛けて荼毘に付し
三人で経を読み送っていたが、ついに自分の子を送る事となる
そして、次々に子供たちから、沈黙していく
ひろ子さんの膝枕で過ごす時間も後わすかとなり
「ごめんね、後少ししかあなたを膝枕で寝かせられない」とひろ子さん
「今の膝枕で充分だよ
美香ちゃん・春海ちゃん 今はひろ子さんに膝で寝ていたい
ごめんな」と謝るおっさん
「それでも、子を生み育てることが出来ました」と美香ちゃん
「川西には悪いことをした あとから来て先に子を生むとか」と春海ちゃん
まだ仏力があり、ウイルスや放射線には対抗できていたおっさん一派
それでも肉体はウイルスと放射線にやられ肝臓炎を発症して沈黙していく
神田とおっさんは毎日、加藤達の部屋を巡るをしていて、加藤達の最後を看取る
「佐々木と栗原の部屋のキッチンには食料などが詰んであり「食いな」と言われた」
と食料の入ったダンボールをおっさんの部屋に持ってきている
「加藤は「これを使え」とカセットガスコンロをたっぷりくれた」と
リビングに積んである
皆を荼毘に付し見送った後、もう暴徒も居なくなったので結界を解いて
圭子ちゃんの膝枕で寝てる神田と美香ちゃんの膝枕で寝てるおっさん
「もう大日様の教えを直にガッツリ受けた、この四人しか居ないのか
佐々木が書斎にスペイサイドと燻製があるから持って行けと言っていた
スペイサイドと燻製と缶詰で最後の晩餐でもするか
俺の肝臓もやられていて呑めばきっと逝く」と神田
「それなら俺らも混ぜて下さい」と脇田と中本くんが揺らぎ現れる
「今頃かよ もっと速く来い」とおっさん
「先輩の結界 見えない いきなり見えて飛んできました」と脇田
「脇田さんが着てくれて二人でさゆみ先輩や真咲さん達を送り
備蓄の料理で過ごしていました
最後のひと踏ん張りで飛んできました」
「よく来た 佐々木の書斎にスペイサイドと燻製をパクりに行ってくる」と神田
「佐々木さんのスペイサイドと燻製 最後に良いものを頂ける」と返す中本くん
備蓄のペットボトルの水やお茶に缶詰しかないが
それでも味噌醤油などは確保している
「加藤さんが、用意してくれたカセットガスコンロがありますから
ご飯と佐々木さんの出汁とアオサで味噌汁を作りますね」と圭子ちゃん
「半年前の冷凍肉ですが、真咲家のシェルターにあったので持ってきました
食べましょう 俺が焼きます」と中本くん
「では私は 湯を沸かし最後の茶を振る舞います」と美香ちゃん
温かいご飯と味噌汁とステーキを頂き
茶室で美香ちゃんの茶を頂く
リビングで燻製を摘み、スペイサイドを呑みゆるりと過ごす
美香ちゃんと圭子ちゃんが静かになり、脇田も中本くんも沈黙する
皆を荼毘に付した芝生の穴で荼毘に付し見送る二人
「最後は栗原のカップ麺で」と神田
「そうだな」と男二人で カップ麺を食べながら会話する
「神田は、圭子ちゃん一本だったな」
「ああ、圭子には妾の一人は囲ってく下さい と言われてたけどな」
「廻りがそうだからな」
「今週な、由美子さんの記憶が戻ったんだ
あの衝撃を支えてくれた圭子 一本で良かったよ」
この言葉を最後に神田が沈黙していく
神田も同じ場所で荼毘に付して見送る
一人残るおっさん
「ちょっと異世界から転生して若返って、2周目をしたけど
ヨボヨボの爺になってから輪廻の輪を廻って廻って、
何度も名を変わり兜率天で絞られてから来たかったが
今生の、慈氏大成の名で登る 仕方がない
最後の最後は助けに行く これに嘘偽りはない」と
如来様の溜まり場に来たおっさん
「もう、人々は居ないので信仰の力はない
私達は消えゆくのみ 異世界から来た大成に後は任せます」と薬師様
「輪廻の輪も途切れ、先がありません 餓鬼を滅し救済をしなさい」と大日様
「消えゆく前に私達の仏力を全て 慈氏大成 に譲ります
慈氏如来となり 慈しみ救いなさい 」と如来様方
「ずいぶんと予定より速いですが、嫁も妾も子も仲間もなくし肚も決まりました」
と肉体を捨て慈氏如来となる決意をする慈氏大成
「赤色巨星となった太陽で出番が来ると期待してたが、仕方ない」と諦めて
慈氏如来となり餓鬼を滅していく
「配下として、お手伝いをします」
「お前、どうして」
「私には、御嶽山と言う本体がありますので、あと少しは消えません」
「摩利支天、消えるまで手伝え」
誰も居なくなった鈴鹿のピットの屋上に佇む二仏
慈氏如来と成った慈氏大成
摩利支天と共に、表彰台の前に座り込み
「ここに立つ資格がないのがなぁ、立ちたかった」
「今なら誰も文句を言う人は居ませんよ」
「無理 神聖な場所だ レースに勝った者のみが立てる場所だ
競う相手も、レース委員長も居ない もうどうにもならないよ」
無駄話をしながら、少しの時を過ごし消えていく
アナザー・ラスト・ストーリー 完
この話は 特に宣伝もなく 静かに 見つけた人だけで
伏線は張ってありますが、気がつく人だけで
南極だけでも ですと 左京さんになってしまいますので
全滅エンドです
そして 鈴鹿のピット屋上の 表彰台 あれほど神聖な場所はない
あそこに立つのに どれほどの努力を私達のチームがしたのか
所詮 ノービス でも 立たせたかった しょぼい結果で引退
なので 別物語で あそこに立たす Aug/2022
追記
今の鈴鹿 ピットの屋上が ラウンジや観覧席になっているをさっき知り
ありゃあ となっています Nov/2022
