猫又のモフモフに惑わされマイナカードを落とし血迷った男が腹いせに猟奇殺人の都市伝説
とある方が面白キーワードを教えてくれたので投稿しました。
とある日。
暇な時間をどう潰そうと考えた僕。
結果は何も浮かばなかった。
「相棒何か暇つぶし無い?」
『勉強しろや』
「既に中学三年生の範囲まで勉強した」
『何時の間に……』
「将来相棒を嫁にして養う為」
『なああああああっ!』
照れてる。
照れてる。
「という訳で何か暇つぶしは無い?」
『ゲームとかは?』
「趣味じゃない……というか買う金が無い」
『漫画は?』
「最近の流行は面白くない」
『小説は?』
「立ち読み出来ないから好みか分からん」
『そうかい』
僕の言葉に頭を悩ませる雰囲気だ。
うん。
すまん。
我儘な僕で。
『なら最近誕生した動機が珍しい都市伝説に会いに行くか?』
「行く」
速攻でした。
男は無類の猫好きだった。
猫。
気まぐれで優しく其れで凶暴。
かと思えば妙に懐く動物。
ツンデレを具現化したような愛らしい生物。
其れが猫だ。
だから男がカリカリや缶詰のキャットフード。
其れに猫のオヤツであるチュールを猫にあげようとするのは当然の流れだ。
親から奪った金で。
男はニートだった。
だから現金収入など無い。
だからお小遣いを少し強引に親から貰いました。
暴力で。
田舎の農家だからそれ程現金は無かったが……。
なのだが……。
何故か男には猫は寄り付かなかった。
餌を上げようとしても怖がられ威嚇される。
チュールを上げようとすれば何故か複数の猫に爪を立てられ奪われる。
「ああ~~神よ何故こんな仕打ちをするんですか?」
今日も親から奪ったお金で猫への餌を買うが無駄になる。
猫の餌はドンドン家に山となり部屋を圧迫する。
「今度こそ愛しいアノ三毛猫様に振り向いて貰うんだ」
そう呟いた男はマイナンバーを使った帰り親から奪った金で餌を買った。
今年の新作猫の餌を。
ツンデレな愛しいお猫様を振りむく美味しいご飯。
というキャッチフレーズの猫の餌だ。
今度こそと思い夕方まで猫をつけ回し餌付けをしようとした。
挙句の果てには煩いと近所の住人から苦情くる始末。
最後には深夜迄かかって餌付けをしようとしたら逃げられた。
打ちひしがれる男。
「お猫様何故だあああああああああああっ!」
「其れはお前さんがキモいからだ」
「はい?」
男が声をする方を見ると其処には一匹の猫が居た。
九本の尾を持つ猫が。
「あのう~~貴方……お猫様は一体……」
男を見て逃げ出さない猫。
しかも威嚇も攻撃もしない。
初めての存在。
其の存在に男は興奮した。
「儂は九尾の猫又……翁だ」
「猫又なのに九尾此れ如何に?」
「だまらっしゃいっ!」
「すみません」
「よろしい」
「では翁様モフモフさせて下さい」
「キモいから止めろっ!」
「ゑ? モフモフ駄目ですか?」
ようやく男に威嚇しない猫に会えたのに……。
此の暴言。
物凄い衝撃を受ける。
「最近猫たちを付け回す変態が居ると聞いてたがお主がそうか」
「何を根拠にモフモフさせて下さい」
「猫たちから苦情が来ておるぞ」
「そんな~~モフモフさせて下さい」
「待てっ! 近づくなっ! 手をワキワキさせるなっ!」
「では抱っこさせて下さい」
「何がだっ! もう許せん全ての猫たちに通達してお前の前に姿を現さん」
「ゑ? モフモフしていいですよね?」
「話しを聞けっ! 今後一切お前の前に猫は姿をみせんっ!」
そう言うと翁は姿を消す。
其のショックのあまり男はマイナンバーを落とし親に叱られた。
酷く。
だが此れがいけなかった。
日常的に暴力を親に振るっていた男は何時もより加減を間違えた。
殴り殺すレベルで。
最早社会的に死んだ。
男は。
五十代童貞独身。
ついでに言えばニート。
働いた事のない男は普通の生活は出来なくなるだろう。
例え刑務所から運良く出られても。
だから腹立ち紛れに近所の家を襲った。
お金を奪うために。
田舎だから鍵なんて掛けない。
そんな田舎の常識が悲劇を生んだ。
運がいいこと何故か男は捕まらなかった。
何故か。
田舎の警戒心の無さが関係してるのだろうか分からない。
調子に乗り男は次々と家を襲う。
何故か全住人が鍵を掛けず無警戒でいたが……。
奇妙な偶然が重なり男は生活に困り田舎から都市まで上京した。
生活費を強盗で稼ぐために。
『という都市伝説です』
「うん確かにキモい」
僕は眼前の元人間の都市伝説の感想を述べた。
というかキモい。
何なの?
あれ?
ゴリラの様な体格にヒョットコの様な顔。
ボロボロの服。
普通にキモい。
「うがあああああああああっ!」
僕らの暴言に怒る都市伝説。
うん。
ダッシュで逃亡した。
相棒の能力で。
いや~~。
珍しい都市伝説でした。
ええ。
ノリで二時間で書いた。