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まだ、明日になる前に  作者: 桃柿モノ木
19/50

なんだか気まずい

 「・・・・・・・・。」


 「・・・・・・・・。」


 「・・・・・・・・。」


 レノ宅、キッチンとリビングを兼ねる八畳ほどの部屋にはコポコポとティーポットの湯が静かに湧き上がる音だけが聞こえていた。

 その激しくも緩やかにもならない音を頼りにして、お茶の用意をしているのは家主の娘レイラである。

 人数分のソーサーを棚から出したり、その片手間に火加減を見て調節している姿は手慣れている様子が伺え、一切の淀みない行動からはどこか厳かな雰囲気さえ感じ取れた。


 「・・・・・・・。」


 「・・・・・・・。」


 「・・・・・・・。」


 ふくよかな香りが匂い立ち始めるキッチン。

 その中、レノ宅で食卓として使われている小さな円のテーブルに着く者が三人いた。

 三者が三様、示し合わせたように黙りこくり、一人はムスッとした難しい顔で腕組をし、もう一人は落ち着かない様子で卓上に置いた手を握り合わせて、最後の一人は膝の上の拳を握りこんで俯き加減、梃子でも目を合わせないといった有様。

 

 「・・・。」


 「・・・。」


 「・・・。」


 三人の内の一人、腕を組んでいたレノ・クラフトは、さてどうしたものかと顔には出さずに思案する。

 レノの右隣には、つい先ほどまで村から逃亡を図ろうとしていた魔法使いの少女。左隣には、その少女を偶然ではあるものの引き留めるのに一役にも二役にもなってくれた青年が座っている。

 あくまで便宜上――レノはカザリが逃げ出そうとしたことを知らない、という事になっている。

 でなければ『あの場にいたの・・・?』とか、今は落ち着いてくれているカザリがまた手に負えない事態になってしまう未来が見えるからだ。

 そのため、レノは二人が気まずい理由を知らないのであって、今気まずそうにしている両人を気遣う必要もなかったりするのだが・・・


 (・・・・いや、気まずいんだよなぁ)


 レノが遠慮なく、自身に都合の良い風にコントロールしようとしないのは別に理由がある。

 ちょこっと時間を遡って――レノが家の目の前にまで帰ってきた時だ。


 『あれは・・・アレン?』


 自宅近くで、何やら既視感のある格好でもって物置に身を隠すアレンを発見したのだ。


 (・・・カザリを家にまで連れて行くまでは想定してたが・・何隠れてんだ?)


 アレンがカザリを連れて、仮住まいとしている自分の家へと向かってから程々の時間が経過している。

 本当であれば、とっくに自宅に到着した二人は前もって帰していたレイラと鉢合わせる形となって積もる話でもしてるのだと――レノは予想していた。

 だから、と言うと嘘くさく聞こえてしまうかもしれないけれど。

 その場にレノが居るだけで話しずらい事だってあるはずだろうと、柄にもなく気を遣い、わざわざ火定館に戻って今日の内に処理しきれなかった書類に目を通して時間を潰していたのだ。

 それも入念に、『あー・・・これ今日中に返事しとかないとあかんヤツ』とか『これも明日に間延びされるの面倒だなぁ・・』と最初は司書室にの中で納まっていた作業が『・・・家に帰ってる・・よな?』と、当事者は一日の仕事を終えてくつろいでいる頃であるのにも関わらず各家々を巡る旅に出ていたくらいなのだ。


 (・・・・アレンだけが帰ったとかは想像できるが・・いや、隠れて・・何を見てるんだ?)


 予想にない行動をとるアレン。

 しかもそれが自宅の前だというのだから、益々訳が分からない。

 思いつく限りの理由とかも考えてもたが、アレンの奇行に繋がるものはどれもアレン自身が・・その、変質的な欲求を満たさんがため、というか。

 所謂、覗き行為の現行犯を見てしまった、くらいしか思いつかなかった。


 『・・・・。』


 まぁ、そのため。

 内心『ほほぉ・・?(ニヤニヤ)』と野次馬根性丸出しで。

 彼の濡れ衣(レノが一方的に被せただけの)疑いを晴らすべく、ついでに自宅の目の前で繰り広げられているらしい事態への好奇心と不安を発散するべくレノは迷わなかった。

 

 『・・・・。』


 森を歩くために身に着けた音を立てない移動法を用い、素早くアレンが隠れる物置側へ。

 物置とアレンの背を影にして慎重に身を乗り出し――その光景を目にしてしまったのだ。


 『・・・・え』


 即ち、カザリ・キリシアが誰かと抱き締めあっている現場を。


 『・・・・・・え・・・?』


 そして、暗がりでもよく目立つ金色の髪が・・・愛娘、レイラがその相手である事が。


 『『『・・・!?』』』

 

 そんなんで、つい漏れた声が聞こえてしまって一斉に振り向かれるといった失態を犯してしまったのだ。


 「・・・・・。」


 だから、気まずい。

 まるで娘の情事にでも目にしてしまったかのような気まずさもあれば、その相手がどうにも自分を嫌ってるヤツで先刻まで逃げ出す算段をしていたとか。

 その光景を覗いていたのを見てしまって、それが発覚する原因となってしまった・・とか。


 「・・・・。」


 ふぅ、と一息。

 どうしたものかとレノは頭を捻り、


 「・・・・・・・。」


 その一方、手を握り合わせて落ち着かない様子の男、アレン・メイズは体が震えそうになるのを必死に我慢していた。


 (・・・・まっっ・・・ずい・・)


 広がってくる紅茶の香りに癒されている暇などなく、『この紅茶は心を穏やかにしてくれる効果があるんだって』と教えてもらった知識さえも片隅に追いやられ、アレンの脳内は如何に遺恨を残さず、角を立てない言い訳がないかと構築に走りまわっていた。

 詰まる所、カザリとレイラが抱き合ってる場面を覗いていたという事象に納得のいく説明を付して、何らやましい所などなく、その身の潔白を証明するべく、である。


 (・・・いや・・本当にタイミングが悪すぎた・・)


 時間はまたしてもちょこちょこっと遡って――周囲を見回っていたアレンがカザリの元に戻ってきた時の事。


 『・・・・ごめん』


 『・・・レイラさん』


 (・・・・・・・・えーっと?)


 カザリを置いてレノの自宅周辺を歩き回り、しかし誰も見つける事が出来ずに待たせてしまうことしばし。

 情けない報告を引きずっては合流すべく家の玄関近くにまで戻ってくると何故か、カザリがレイラと抱き合っていた。


 (・・・え!? これはどういう状況なの!?)


 カザリの一撃によって休息を取らざるを得なかった為に、アレンは今日に起こった出来事を全く知らない。

 勿論と言うか、ある意味での様式美で、ここまでの道中にカザリから聞き出そうとするといった発想を思いつく事すら無く、関係のない話を延々と続けるばかりであった彼には、目の前に広がる光景を説明する根拠(モノ)が手元なく、客観的な状況のみを観測する術を持っていないのである。

 まぁ、『家人を探しに行っていたら、探していた家人の一人と一緒に歩いてきた子がひしっと抱きしめあっていた』とか。いくら冷静に精査しても、一体何の発見があったものかとはアレンも思ったりはするのだけれど。


 (・・・えぇ・・・・・えぇぇぇ・・・?)


 そんな自らの怠慢、というと大げさではあるが――知ろうとしなかった彼の悪癖が為せる所として、アレンは困惑するしかないのだ。

 そして、物陰に隠れるアレンを他所にして、


 『・・・っ・・・ぅ・・・』


 『・・・カザリ』


 二人はより一層、熱を帯びていく。


 (・・!? ・・・・・!?)


 僅かに聞こえるは布の擦れる音、そして二人の体温すらも伝わってきそうなほどに生々しい声だ。

 一体何が行われているのか。

 陰に隠れるアレンには想像することしか出来ないが、アレンはその想像力こそが恨めしかった。

 視覚による情報取得がなされない場合、多くはその欠落を補うために他の感覚器から取り入られた情報をもとにして不足した視覚による情報を、つまりは状況が行われている現場を頭の中に再現する。

 アレンの場合は聴覚より取得した情報によって場面を想像しようとするのが妥当であり、そういったものは生命である以上、不可欠な機能として備わっている。

 そんでもって、その場面形成を行う際に音声情報のみでは必ず情報が不足し、他の感覚器や経験則から取り入られるものでもって補われる箇所も多分にあり、


『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。』


 想像できるもの。

 いくら不自然な状況であってもちょっぴり不純な行為が行われていると、思ってしまうのは仕方のない事なのである。


 (・・・・・・・・・・・・・・・いやいや)


 十台の健康な青少年としてある意味で健全とも言える想像に捕らわれること数瞬。

 そんな訳ないだろ、と。

 冷静に思考を立て直すアレン。


 (・・・多分だけど。 レイラがあんなに感情的になるなんてかなり珍しい・・・と思う)


 であれば、と。


 (今日の・・・・ボクが知らない内に何か・・あった?)


 首を傾げつつ、知己の人物から感じ取る不自然さと合わせて現状に説明を付けてみた。

 いや、というか、と。


 (・・それがカザリさんが逃げようと思った原因・・・なのかな)


 そう言えば、逃げ出そうとした理由とか全く聞かなかったなと、今更になって当事者ばりに関わっておきながら部外者でしかなかった事を思い出したアレンである。


 (・・・・・・まぁ、それはいいんだけど)


 自分の迂闊さにげんなりする気持ちもあるが、それはそれとしてアレンが今、対処すべき問題――あの抱き合っている二人をどうしようかという話に戻る。


 『・・・・。』


 ちらりと物置の影に身を隠しながらレノ・クラフト邸の玄関先、熱く抱き合う二人の姿を盗み見る。

 相も変わらず、両者はお互いの背中に手を回して、時折(はな)をする音が漏れ聞こえてきている。


 (・・どうするかな)


 無論、何も言わずに帰るのが正解だ。

 余計な物は見ていないものとして、余分な事は聞かなかった事にして。何もかもアレン・メイズが関与した事象はないのだと、レノが得意とする帳尻合わせをするのが最も賢い選択なのは明白なのである。


 (・・・もし、あの二人の間に入っていこうものなら後々レイラに何を言われるか分かんないし)


 『雰囲気を察してください、そんな事も出来なんだから・・』『もしかして覗いてたんですか』等々・・。

 レノに浴びせられる罵倒の数々には流石に及ばなくとも、同世代かつ幼馴染であるアレンに向けられるソレも中々に容赦のない切れ味だ。

 アレンは罵倒されることに喜びを見出す特殊な人間ではないので、是非ともそうした状況にはなりたくない。

 ただ、


 (・・・・何も言わないで帰るってのも・・)


 不自然ではなかろうか、と。

 そんな事をすれば『やましい事があって立ち去ったのではないか?』と疑問に思われてしまわないだろうか、と。

 むぅ・・・と、アレン本人は至極まっとうに悩んでいた。

 ・・・・いや、何でそんなことで悩むんだよ、とその場にレノが居たのであれば口にしていたであろう考えすぎと無駄な配慮を諭す言は届かないし、そもそも発する者がいない。

 だから、と言うか。


 『・・・・・・え・・・?』


 『『『・・・!?』』』


 その後ろにレノ・クラフトが迫っていたのには気づかなかったのだ。


 「・・・・・・・・・・・。」


 その故あってアレン・メイズは現在、絶賛言い訳を考え中なのである。

 それも遺憾なく、角も立たせない言い訳を。


 「・・・・。」


 遺恨とはレイラとカザリに、角とはレノに対してのもので、現在に至るまで両者の視点で感じるであろう感情を取り込みつつ思考を巡らせること既に十数回。アレンが目指さなければならない両者との平和的な和解は遠く、(アレンが持つ各人に対するバイアスがかなり含まれるが)アレンが想定する未来予想では半分が破綻――つまりは両者との和解はならず、誤解は致命的なまま終幕となってしまっている。


 (・・・・・覗き魔・・・変態・・・・・むっつ、り・・)


 社会的死が視界にチラつく中、アレンは必死に考える。

 目指すはアレン・メイズが無傷で迎える村での平和な生活、その継続だ。

 まぁ、逆を言うなら、今まさにそれが危ぶまれる状況にあり、(彼の誤解に基づくが)結構もう手遅れな感が漂っているのである(ホントにただの誤解なんだけどね・・・)。


 「・・・・・。」

 

 それでもと、アレンは組み合わせた手指を強く握り、


 「・・・・・・・・・・・・・・・・・ぅぅ・・」


 最後の一人。

 顔が見られないように俯いているカザリ・キリシアは、


 (いやー--!!!! 見られたぁぁー---!!!!!!!!)


 予定調和みたいな後悔をしているのである。


 (嘘嘘うそうそ・・・アレンさんだけじゃなくて一番見られたくない人に漏れなく見られた・・・見られたぁぁ・・・・嫌、嫌・・・いやぁ・・・!!)


 一見すれば、ただ黙りこくって『私、今誰とも喋りたくないんです』と主張しているようにも見えるカザリ・キリシアは、その実、火にかけて放置された鍋みたいに何時お湯を吹き出すかといった状態であった。

 今日という日にそうれはもう色々と、一言では片付け切れない容量で起きた出来事(イベント)に、必然としてカザリは飲み込むだけの余地を残してはいない。そもそもとして既に起きた出来事だって完全に飲み込めたとは言い難いのだ。


 (嫌嫌いやいや無理無理無理むりむり)


 初めてのエリィナ村での仕事に、その仕事中に倒れてしまったり、村人にもカザリを歓迎していない人たちが居るのだと知ってしまったり。

 魔法使いの自分が心底嫌になって逃げだそうと思い立ち―――それを通りかかっただけの人に阻止されたり。

 

 (・・・・え、ホントにむり)


 冷静に考えずともあまりに濃すぎる、凝集された一日であった。

 その『いやもうこれ以上は要らないです入りきらないです』とカザリの精神に危険信号が灯されていた所にレイラとの抱擁を見られるという失態。

 誰の目からもカザリの自業自得に違いないのである・・・が。


 (いやぁー・・・違う違うんです違うのですー・・・やましい気持ちがあった訳じゃなくてレイラさんも泣いてたから励ましたいって思ってたからで・・・そう! あれは落ち込んでたレイラさんを元気づけたかったから! むしろ、あれは医療行為!)


 何やら自身の正当性を立証しようとしてみるのだった。


 (人命救助をして責め立てられる人はいる? いない! 善意の行為を足蹴にする人はいる? いなぁい!)


 その行為が否定されるかはさて置き、全幅をおいて肯定されるかと言えばそうでもない、とだけ。

 特に、恣意的な意味が含まれてしまえばその限りだろう――誰が、とは言わないが。


 (うんうん、だから抱き合ってたからってヤラシイ気持ちは無かったし。 私は責められる事なんてして! いなかったのだ!)


 わぁすごい柔らかすべすべ!? とか。

 思ってもいないと、断言するカザリである。


 (それにね、頭を撫でられると何歳になっても人って安心するしね。 あのサラサラの髪を・・・指、で・・・す、梳き流すくらいは、ね!? うん! 普通、普通だよぉ!)


 メッキが剝がれつつある。

 ついでに付け加えるなら、長いレイラの髪を梳いた拍子にふりんっと出っ張った形のいいお尻に触れてしまったり、そんでレイラが何も言わないのをいい事にわざと触ろうとしていたりも、していた。


 (・・・・あぁ・・思い出したら、何で私ったらレイラさんを離しちゃったんだろう・・もっと・・もっっとさわ・・・抱きしめてたかったのに)


 ちっと前に思っていた事を是非とも思い出して欲しい。

 

 (・・・? あれ、何で私があれこれ言い訳を考えないといけないんだ?)


 自分には正当性があるのだと主張していたかと思えば、問いは『私がそもそも気まずいとか、後ろめたさを感じる必要ってないよね?』と誰それに対する反感が顔を出した。

 

 (第一に・・・・私が恥ずかしいって思ってるのはあの魔法使い(レノ)のせいじゃない?)


 責任転嫁も甚だしい暴論じゃねぇか! と、もしレノであるなら反論しそうな意見が出てきた。


 (そうだよね。 アレンさんは知らないけど多分、覗いてたって訳じゃないと思うし・・・・)


 何でアレンはセーフなのかな? あいつの方が見てる時間とか長かったんだよ? と、空想上のイマジナリーレノさんは主張。


 (・・・・・・・・・・・・あの人が何も見てなければ全部丸く収まってたんじゃない、の?)


 んな訳ないだろ、まずお前は誰の家の前で痴態晒してたか思い出そうな? な? と、レノさん(形而上の)が。


 (・・・・記憶を無くすって・・出来る?)


 ・・・・なんかいきなり物騒な手法を取ろうとしてない? 記憶ったって、魔法使いだって頭の機能として物覚えとかをしてんだから、都合よく出来るはずないだろ、とレノ(形無)。


 (・・・確か前に頭に強い衝撃を加えると記憶が抜け落ちる事があるとか聞いた事があるなでもそれは魔法使いにも有効?死なない化け物って言われてるヤツがそう簡単に忘れるなんてないだろうしもっと現実的な方法を・・・・)


 具体的に人の記憶を消そうとしするなよお前さん最近まで人間だったんだろ!? てかちょっとくらいは毒から救い出した功績とかお前に善良に接してる瞬間とか思い出してくれてもよくないですかね!? と、レノ(以下略称)が。


 (・・・・もっと現実的な・・・・簡単で・・・・私でも出来る・・・・方法)


 実行しないとか迷ってすらくれないのかよ・・・・と、力ない声のレノ(略)。


 (・・・・切り出す・・・・取り外す・・・・・・・頭)


 ・・・・・・・・。 と、もはや声もなく青ざめる以下略であった。

 まぁ、兎にも角にも。 

 

 「「「・・・・・。」」」


 かくして、(当事者が一人だけ蚊帳の外になっているけれど)各々の目的は出そろった。

 一人はそれぞれに対しての気まずさを払拭し、自分の都合よく会話をコントロールしたいと狙い。

 一人は誤解を紐解き、ダメージなくこの場をしのぎ切りたいと(実際はそれほど気にされている風ではないのだけれど)切実に願い。

 一人は短慮をこじらせ、如何に記憶を吹き飛ばそうかと、物理、精神的な手段を問わずして力の限り手のひらを握りしめて、


 「「「・・・・・・。」」」

 

 世は群雄割拠。

 天は三分に分かたれ、来る未来に平穏はない。

 三者が三様に己が願いを叶えんと、相手へ向けて見えぬ鉾を振りかぶって・・・


 「はい、お茶。 これ飲むと落ち着くわよ」


 矛が振るわれる直前、香しい紅茶と一緒にやってきたカザリの一声。

 ただ、それだけで三者は、目の前に差し出されたカップを見つめて動きを止めた。

 

 「ありがと・・」


 「ありがとね・・・」


 「いただきます・・・・」


 その声に、また異口の礼を述べて、


 「「「・・・・ほっ・・」」」


 同じ意味の音を発するのであった。


 「あ、それと」


 ん?、と三人。


 「話したい事があるなら今のうちに話したら? 食事中には持ち込まないでよね」


 「「「・・・・・・。」」」


 そんな感じで、激突するかに見えた三人は、決して逆らうことの出来ない一声を貰い、振り上げた矛を収めるのだった。

また一月(以上が)経過してしまいましたが、こんな感じです。

・・・ようやく半分? 

いやぁ、一年以上をかけて一章の半分とか何の冗談だよって話です。

・・・一番怖いのが冗談じゃないっていうね・・・・。


とまぁ。

今回もよろしくお願いします。

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