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魔法少女かえで@agent 〜35歳サラリーマンが魔法少女やることになりました〜  作者: そらり@月宮悠人
第三章

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昇格試験①

 魔法(M)少女(G)協会(A)にある訓練棟。その一室に試験を受ける魔法少女が集まっていた。


「遅くなりました!」


 本業の調整が思ったより長引いてしまった。どうやら俺が最後のようで、「これで全員だね」と試験官らしき魔法少女がパンッと手を叩く。


「今回の特別昇格試験を担当する帰来(きらい)です。さて、簡単に自己紹介をしてもらおうかな。右から」

修善寺(しゅうぜんじ)雅。アタッカーです」

紅林(くればやし)(のぞみ)。同じくアタッカー」

「えーと、若月由和(ゆな)です。マジカルです」

「シャルロット・高槻です。つい最近マジカルからコンバットに転向しました」


 シャルロットは技能試験以来だな。コンバットに転向したのか。


「姫嶋かえで、マジカルです」

「今回の試験は以上の5名で行いますが、それぞれ別部屋での試験となります」

「え? 別部屋ですか?」

「そうです。心配しなくても内容は同じですよ。擬似的に再現した魔物を浄化するか、魔物に関する情報を3つ以上報告すること」

「それだけ?」


 紅林が訝しむように訊くと、帰来は「それだけです」と答える。

 50キロメートルエリアへ昇格するにしては簡単に思える。だが、そんなに簡単な訳がない。恐らくは強力な魔物が待ち構えているんだろう。


「ああ、それともう一つ。()()()()()()()()()()試験は中断しません。やり直しも無し。そして試験に関しての質問も受け付けません。ルームナンバーは1010、1020、1030、1040、1050です。早い者勝ちでもいいし、くじ引きでもいい。皆さんで好きに決めて下さい」


 気になる言葉もあったが、質問は受け付けないらしいから、訊いても無駄なんだろう。

 それよりも試験内容が単純で助かった。これなら試験が終わってからライブまで余裕で間に合うな。


「さて、どうしようか」


 部屋の選び方を決めようとすると、紅林は「私、1010で行くから」と言ってルームナンバー宣言を始める。


「ちょ、ちょっと!?」

「なに? あんた、姫嶋だっけ? こんなのどれ選んだって変わらないんだから、テキトーに選べばいい」


 まあ、一理ある。どの部屋にどんな魔物がいるか分からない以上は運ゲーだ。気持ちの問題である以上、無理に引き止めるわけにも行かないか。


「ふぅ。どうする?」


 他3人を見ると、修善寺は「私もべつにどこでも」と言うし、若月は「わ、私は、その……残った部屋で」と消極的。そしてシャルロットは……。


「姫嶋さん、あなた()()()()()()があるんですってね?」

「え? ま、まぁ」

()()()()()忠告してあげる。この試験は夕方までに終わらない可能性が高い」

「え!?」


 夕方までに終わらないって、一日掛かるってことか? そんな馬鹿な!


「どうしてそう思うの?」

「あなた、気づかなかったの?」

「え?」

「この試験、()()()()()()()のよ」

「あっ!!」


 そうか! さっき試験官の帰来は試験内容しか話してない。時間制限については触れていない!


「参ったなぁ……」

「で、でも、可能性の話ですよね?」

「そうですよ。さっさと終わらせれば良いだけです」

「そ、そうだよね!」


 そうだ。サクッと終わらせればいいだけのことだ!


「なら、次は姫嶋さんね」

「え?」

「一刻も早く終わらせないといけないんでしょう? なら早く行きなさい」

「シャルロット……」

「私はどれでもいいので」

「わ、私は最後なので」

「……分かった。ありがとう!」


 ルームナンバーはどうしようか。ま、順番通りでいいか。


「ルームナンバー1020M!」


 宣言すると景色が後ろへと流れてワープする。着いた部屋は森のようだった。山の中かな?


「――!」


 ガサガサと物音がして警戒する。魔物の気配はあるが、ボンヤリとしていてどこか分からない。

 こういう時、メイプルがいれば心強いんだが、今日は封印しているため完全に独りだ。


「……。そこか!?」


 クイックドロウでピュアラファイを撃ち込むと手応があった。


「よし、アナライズ!」


 魔物を倒す作戦を練るために情報を得ようとする。が――


「なっ……」


 視界ディスプレイには「NO DATA」と表示された。ニューラなどのERRORとは違う。単純に情報が無いということか?


「一体これって……」


 あ。そういえば、さっき試験官の帰来が言ってたな。


『ああ、それともう一つ。()()()()()()()()()()試験は中断しません。やり直しも無し。そして試験に関しての質問も受け付けません』


「なるほど、そういうことか」


 この試験は未知の魔物と初めて遭遇したというシチュエーションなんだ。だからデータは無いし、どんなトラブルがあるか分からない。そんな中で浄化するのか、情報を持ち帰るのかを判断する。

 恐らくこれは50キロメートルエリア担当の仕事なんだろう。つまりは斥候任務のようなものか。


「上等だ。ミニライブが始まるまでに終わらせてやるよ!」



 To be continued→

最後まで読んで頂いてありがとうございます。

応援よろしくお願いします。


いよいよ50キロメートルエリア担当昇格を賭けた戦いが始まります。どういう魔物なのか、次回をお楽しみに。

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