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魔法少女かえで@agent 〜35歳サラリーマンが魔法少女やることになりました〜  作者: そらり@月宮悠人
第三章

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学院の異変㉒ 違和感

『マスター、有栖川陽奈の信号がロストしました』

「なんだって!?」


 皆を信じるだけ。と言った矢先に緊急事態が発生した。


『先ほど一瞬だけ通信が回復し、ロストの情報が入りました』

「今は?」

『再び封鎖されています』


 一瞬だけ……。ということはこの通信封鎖には穴があるようだな。どんなシステムにも完璧なんてあり得ないってことか。


「よし、通信封鎖を破ろう。なにか取っ掛かりになりそうな情報はないか?」

『残念ながら。分かっていることは、通信封鎖は三ツ矢女学院を囲う形で展開されていること。あらゆる電波を遮断し魔法通信をも封じる強力な結界ということです』

「三ツ矢女学院を丸ごと封鎖するなんて、並の魔物じゃできないな」

『アイクルの例があるので、魔法少女が利用されてる可能性もあります』

「……」


 魔物だけならそんなに難しくはない。だが魔法少女やその候補者を利用されると面倒だ。


「よし、陽奈のもとへ向かおう」

『通信封鎖はどうしますか?』

「誰がやってるかの検討もつかない、位置の推測すらできない状況で右往左往してるくらいなら、関係ありそうな場所行ってヒントを探ろう」

『了解しました』


 それに、陽奈のことも気になる。無事ならいいが……。


*   *   *


 ……ここは、異空間?

 自分の感覚はある。真っ暗で上下左右が分からないけど、どうやら五体満足のようだ。それに右肩の痛みも無くなってる。


「どうしたの? 陽奈」

「え?」


 突如として図書館が現れた。景色が変わったというより、目を開けたら図書館だった。そんな感覚。


「さっきからボーっとして、なんか変だよ?」

「ううん、なんでもないよ」

「そう?」


 話し掛けてきたのは(まゆずみ)茜。腰ほどの黒髪が美しく目を引く。()()()()だ。


「ごめんね、茜。なんだか集中できないみたいで」

「いいよ。私は陽奈と一緒にいられるだけで幸せだから」

「そんなこと言って、またノート貸してーなんて泣きついても知らないよ?」

「えー、そんなこと言わないでよー」

「あはは」


 なんだろう、難しい事を考えていたような気がしたけど、茜と話したら忘れちゃった。


「そうだ茜、夏休みに遊びに行こうよ」

「え? なにそれデートの誘い?」

「ばーか、なんでデートなのよ」

「え? 陽奈と二人きりで遊びに行くんでしょ? それはもうデートなのでは?」

「相変わらず意味分かんないわね……。まあいいわ、夏休みの予定空けといとね」

「夏休みとは言わず今から行かない?」

「あのね、ここがどこだか分かってる? 天下の三ツ矢女学院よ? 脱走でもする気?」

「脱走! 駆け落ち! いいね!」

「ちょっとちょっと、妄想ストップ。暴走しないで」


 まったく、昔から茜は……。

 ……昔から?

 なんだろう、何かが引っ掛かるような――


「陽奈」

「うわぁ!? 急にドアップで来ないでよ!」

「陽奈は私の大切な人よ」

「なによ今さら」

「だから、もうどこにも行ってはダメ」

「もうって、どこにも行ってないでしょうが」

「私の視界の範囲内に居て」

「いや無理だから」


 はぁ、なんだか今日の茜はいつも以上に疲れて……。

 ……いつも? あれ? いつもってどう――


「陽・奈」

「うわわわぁ〜っ!? 耳に息吹きかけないでよ!」

「ボーっとしてはダメ」

「え? ボーっとしてた?」

「ええ。私との将来を考えてたのかしら?」

「茜との将来を考えたら不安でしかないわね」

「どうして? 薔薇色しか見えないでしょ?」

「それが不安だっていうのよ。もういいわ、寮に戻りましょう」

「それはできないわ」

「どうしてよ」

「だって、ここが世界の全てだから」

「はぁ? なに言ってるの?」

「陽奈、あなたはいつこの図書館に来た?」

「え? いつって……。あれ?」

「そう。思い出せないよね」

「え、なに、茜?」

()()()()()()()()()()()


 ――そこで私の意識は途絶えた。



 To be continued→

最後まで読んで頂いてありがとうございます。

応援よろしくお願いします。



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