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魔法少女かえで@agent 〜35歳サラリーマンが魔法少女やることになりました〜  作者: そらり@月宮悠人
第三章

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学院の異変⑮ アイクル戦

「ニューラの下僕?」


 ニューラは今回の騒動の首謀者と思われる魔物のはず。でもこの生徒は魔物じゃないよな? 洗脳魔法でそう思い込まされてるのか?


「えーと、アイクル? ニューラってなんですか?」

「はー? 惚けちゃって、魔法少女(あんたら)がニューラ様のこと知ってるってのはもう分かってんのよ」


 俺がマタリナというニューラの仲間に接触したことを知ってる? どこで知ったんだ……。


「アイクルはどこから来たの?」

「はー? ずっと学院内(ここ)に居たわよ」

「ずっと?」


 なら、どうして外部の、それも結界の外の情報を知ったんだ? 考えられる可能性としてはニューラが結界の外にいて、中に潜んでいたアイクルに情報を伝えたか。

 そうすると結界の外からでも洗脳魔法を掛けられるということになる。


「なーんかさ、情報を探ろうとしてるみたいだけど、無駄よ。あんたはここで死ぬんだから!」


 アイクルの周囲に光の球がいくつか現れると、それらが砲撃してきた。


「魔法!?」


 そんなバカな! 魔法少女でもない洗脳されただけの女の子が魔法を使うなんてあり得ない!


「キャハハハ!」


 だが現に魔法で攻撃されてる。魔法少女でもなければ魔物でもない。どうやって戦えばいいんだ!?


「メイプル! どうすればいい!?」

『魔法を使う相手であれば、魔力攻撃によるショックを与えられるはずです』

「あはははは! 逃げてばかりじゃつまんないよぉー!」

「なら、これでどうだ!」


 クイックドロウでピュアラファイを撃つ。少し強めにしたし、これで大人しくなる――


「……それで?」

「え?」

「全っ然! 効かないんだけどー!?」

「うっそだろー!?」


 なんでだよ! 直撃しただろうが!


「あっ」


 しまったー! 透過率Lowにしたままじゃねーか! そりゃ効かないわけだよ!


「えーと、透過率の設定を……うわっ!」

「ちょっとぉー! 真面目にやってるのー!?」

「うっさいわ! ……よし、これでいいはず!」


 再びクイックドロウでピュアラファイを撃つ。今度こそ直撃して――


「あれ?」

「だーかーらー、効かないってーの!!」

「なんでだーっ!?」


 おかしい。絶対におかしい! 今までこんなことなかったのに!


「メイプル助けてくれー!」

『恐らくですが、洗脳魔法を解除するために追加された術式が原因と思われます』

「え!? ……そういえばピュアラファイ撃っても洗脳魔法は解除されてないよな?」

『やはり洗脳魔法ではないようですね』

「だとしたら、どうしてニューラの下僕なんて思い込んでるんだ? それになんで魔法が……うわっ!」

「なーに独り言? 怖くて頭がおかしくなったかなー?」


 攻撃の手数が多くて避けるのに精一杯で、考えがまとまらない。


「考えてもしょうがないなら、攻めてみるか!」


 ピュアラファイに設定された洗脳魔法解除用の術式を一旦外し、素の状態にする。


「ピュアラファイ!!」


 今度こそ、三度目の正直だ!

 またもアイクルは避ける素振りすら見せず直撃した。


「よし!」

「あのさー、それしか能が無いわけ?」

「なっ……」


 透過率を戻して術式を外して、それでも効かない!?

 どうなってるんだ……。アイクルの周り、床はちゃんと(?)壊れてるのにアイクル自身は全くの無傷だなんて。


「メイプル、状況の分析を頼む」

『了解』


 さすがに3回目はおかしい。逆に冷静になれた。

 ここからはデバッグ作業の要領だ。


「なんかもうつまんないし、終わらせていい? いいよねー?」


 アイクルの頭上に大きな光の球が浮かぶ。今までの高威力バージョンか?


「ニューラ様には大したことなかったって、ちゃーんと報告しといてあげるから、ねっ!」


 強力な魔法が放たれる。が、それが俺に届くことはなかった。


「なっ!? どういうこと!?」

「簡単なことだよ。私の魔法で相殺したんだ」

「そんなこと!? ぐ、偶然よ!」

「なら、もう一度やってみれば?」

「くっ、生意気!!」


 先ほどと同じ砲撃。そこにクイックドロウでピュアラファイをぶつける。


「こ、この〜!!」

「なぜかアイクルには効かないけど、魔法を相殺するくらいなら訳ないよ」


 とはいえ、これは時間稼ぎに過ぎない。アイクルが相殺できない魔法を使ったら手も足も出ないし、アイクルを倒す手段が無いことには変わらない。

 この間に、俺とメイプルで反撃の糸口を見出す。


「だったら、反撃できないくらい叩き込めばいいんでしょ!?」


 なるほど、そう来たか。


「|覆い尽くす愛のシャワー《ハニー・ビート》!!」


 俺を囲うように光の球が多数現れて一斉に攻撃してくる。


「あはははは! どう? いくらなんでもこれは」

「ランページ・ピュアラファイ」


 白銀の光が乱反射して光の球を全て撃ち落とした。体育館は多少壊れるだろうが、今そんな事は言ってられないからな。超法規的措置ってやつだ。――合ってるかは知らんが。


「どうした? これで終わり?」

「このぉ〜!!」


 カッコつけるのはいいが、まだ謎が解けない。一応他にも選択肢はあるにはあるが、なるべく一般生徒を傷つけたくはない。

 ――と、ようやくメイプルから報告が入った。


『マスター』

「お、なにか分かったか?」

『興味深い事実が分かりました』

「なんだ?」

『アイクルを名乗る生徒は茅野(かやの)芽衣(めい)。魔法少女候補の一人として天界のリストに載っています』



 To be continued→

最後まで読んで頂いてありがとうございます。

応援よろしくお願いします。


洗脳されてないはずの生徒がまさかの魔法攻撃。

そしてなんと魔法少女候補だった!?

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