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魔法少女かえで@agent 〜35歳サラリーマンが魔法少女やることになりました〜  作者: そらり@月宮悠人
第三章

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学院の異変⑭ 4人の下僕

 北見校長によると、様子のおかしい生徒はそれぞれ別の場所にいるらしい。

 二階の教室に乃愛、一階廊下は水鳥、図書館は陽奈、体育館には俺が行くことになった。


 ああは言ったけど、ニューラは相当狡猾な魔物だ。何事も無ければいいんだが……。

 体育館に到着すると、真ん中に女の子が立っていた。他の生徒や教師も北見校長の計らいで避難済みだ。存分に戦える。


「といっても、ピュアラファイ撃って終わりなんだけどな」


 微動だにしない女の子に向かってピュアラファイを放つ。一瞬で片付き、あとは北見校長にお願いしようと思った、その時だった。


「なんだ……?」


 違和感を覚える。なんで女の子は無反応なんだ? ピュアラファイ当てたよな?

 気になって仕方ないので、慎重に近づいて確かめる。


「あのー」


 呼びかけにも応じない。これ、生きてるよな?


「メイプル」

『生体反応はあります』

「だよな」


 じゃあ、どうして立ったまま微動だにしないんだ? 洗脳魔法は解除したはずなのに。


「ひょっとして、気を失ってるのか?」

『いえ、そうではないようです』


 洗脳魔法が解けてない? それとも意識がハッキリしてないのか?


「とりあえず北見校長に連絡を」


 と、その時だった。


「くっ!」


 完全に油断していたところを襲われた。女子中学生の攻撃力じゃない。


「ちぇ、惜しいなぁ」

「君は何者だ?」

「あはっ、はじめましてー。あたしはニューラ様の忠実な下僕(しもべ)、アイクルよ」


 *   *   *


「はぁ……かえで様」


 かえで様と一緒にお仕事したかったなぁ。かえで様の事を想うだけで私は……。


「さて、さっさと制圧してかえで様に褒めて貰おう」


 廊下をフラフラと歩いている生徒を見つけた。きっとこの子だろう。


「一緒に来てもらうよ」


 様子のおかしいと思われる生徒の肩に手を触れた瞬間、バチッ! と弾かれた。


「なに!?」

「……あー、仕留められなかったかぁ」

「あなた……何者? 生徒じゃないわね?」

「私はイモン。ニューラ様の忠実なる下僕よ」


 *   *   *


「さーて、どんな子かなー?」


 可愛い子だといいなー、ふふ。

 教室のドアを勢いよく開けて「助けに来たよー!」と高らかに宣言する。と、なんのリアクションもない。


「もぅー、リアクションないと恥ずいだけじゃん」


 教室に入る。と、その瞬間に結界が発動した。


「なにこれ!?」

「あががぺぺ……」

「あなた、誰!?」

「がが、ぺぺぴーぷぷ。ワタシは、ニューラ様の忠実なる下僕、リュードクラ。ぺぴーぷぷー、キサマを殺す」

「へー、あたしを殺すって? いい度胸じゃない」

「ぷぺぴぴぽ。キサマのデータ、全部ある」

「そう。じゃあ、あたしの勝ちだね」


 *   *   *


「図書館て、とても不思議な空間だと思わない?」


 その子は、唐突に語りだした。


「他と隔絶された静謐(せいひつ)な空間。木と紙の匂いが満ちる古今東西の叡智(えいち)が集う場所。私は図書館が愛おしい」

「そうね、本は()の結晶。人類の歴史そのものだわ」

「やっぱり。あなたなら分かってくれると思ったわ」

「私を、知ってるの?」

「ええ。有栖川陽奈、有栖川グループ総帥の孫娘にして10キロメートルエリア担当の魔法少女。誰もが羨む才色兼備のお嬢様」

「……それは違うわ。私は才色兼備なんかじゃない」

「そんなこと言わないで。あなたは自分を過小評価してる。自分を卑下していては、高く飛べないわよ」

「過小評価も、卑下もしてないわ。私はただ事実を――」

「私はあなたをよく知ってる」


 いつの間に目の前に!?

 なんの気配も無かった。まるではじめから目の前に居たような、そんな錯覚さえ覚える。

 

「あなた……。ランクAの魔物ね!?」

「さあ、それは分からないわ。分かるのは一つだけ、私はニューラ様の忠実なる下僕の一人、フィノェラ。陽奈、残念だけどあなたでは私に勝てないわ」

「そんなの、やってみないと分からないわ! フリーゲン!」


 魔法で作った武器を飛ばす。しかし手応えがない。


「もう一度言うわ、あなたでは私に勝てない」

「くっ、まだよ!」


 短剣、長剣、斧、槍、ありとあらゆる武器を飛ばす。それでも、なぜか手応えはなかった。


「ど、どうして……」

「ごめんね、図書館ではお静かに」

「かっ……!」


 何をされたのか分からなかった。ただ右肩に強い衝撃を受けて吹き飛ばされた。


「ぐぅ……!」


 右肩が熱い。穴が空いたようだ。血が止まらない。


「陽奈、そのままではあと10分もすれば死ぬわ」

「はぁ、はぁ……!」

「でも、あなたなら生き残る選択肢がある」

「どういう、こと?」

「あなたも、私たちの仲間になるのよ。有栖川陽奈」



 To be continued→

最後まで読んで頂いてありがとうございます。

応援よろしくお願いします。


今回は場面転換が多くてすみません。こういう時、漫画とかアニメならやりやすいんだろうなーと思ってしまう。ふとした回想やちょっとしたキャラのモノローグなんかも自然に入れやすいですし。


でも、それらを上手く文章で表現するのが作家なんですよね。文章力が欲しいです。

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