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魔法少女かえで@agent 〜35歳サラリーマンが魔法少女やることになりました〜  作者: そらり@月宮悠人
第三章

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カレー事件

 学院に戻ると校長室に直行した。


「ただいま戻りましたー!」

「おかえりなさい。()()()()()には会えたかしら?」

「校長先生も人が悪い。あんなサプライズ心臓に悪いですって」

「ふふ。その様子だと気に入られたみたいね」

「え? そういえば、そんなこと言ってたような……」

「中原理事長に気に入られることはそうないわ。良かったわね」

「そうなんですか? 色々とお話させてもらいました」

「あの人、少し高圧的な話し方でしょう? 緊張しなかった?」

「大丈夫でしたよ。とても気品ある方でした」


 それに、高圧的な物言いする奴らとは仕事で何度もぶつかったからな、そういう緊張は俺には効かない。


「ねぇ、かえでさん」

「え?」

「もし良ければ、本当にこの学校に通ってみる気はない?」

「私が、三ツ矢女学院に?」


 そうか、俺は事情あって学校にあまり来れないという設定になっている。だから人形に代理を頼んでいるわけだが、北見校長は姫嶋かえでに通って欲しいと思ってるのか。


「申し出はありがたいんですけど、ちょっと難しいですね……」

「そう。でも、まだ中学生だもの。気が変わったらいつでも言って下さいね、席はあるんですから」

「はい。ありがとうございます」


 こんなに良くしてもらって、俺自身は正直なところ通ってみたいとは思う。だが仕事抜きしても女子耐性0の俺には難しいだろうな……。


「それとね、一つ残念なお知らせがあるの」

「なんですか?」

「カレーが無いのよ」

「……え?」

「実はね、カレーを作ってるお店から本日の提供ができないと連絡があったの」

「ということは、私だけじゃなく?」

「ええ。楽しみにしていた全校生徒も食べれないのよ。それで急遽別のお店を探してるんだけど、今からはなかなかねぇ……」


 現在11時過ぎ。三ツ矢女学院中学校の生徒数は660人。確かに今からカレーを用意してくれと言われて用意できる店なんてそうないだろう。


「それは確かに難しいですね……」

「ごめんなさいね、姫嶋さんも楽しみにしていたのに」

「いえ、私は食べようと思えばいつでも食べれますけど」

「あら、いつでもは食べれないわよ」

「え?」

「このカレーは三ツ矢女学院のために作られる特別製なの。だから一般販売はされてないのよ」

「そうなんですか!?」

「いつでも食べれるというのなら、在校生のほうね。カレーは毎月の特別メニューですから」

「な、なるほど」


 ということは、今日を逃せば俺はもう一生味わえないってことか!?


「ちなみにどうしてカレーが納品されないんですか?」

「うーん、その理由がよく分からないのよ」

「と、言いますと?」

「カレーが消えたんですって」

「はい?」


 話によると、カレーは作ってあり、納品に間に合うはずだった。ところが先ほど確認したら寸胴ごと無くなっていたという。


「ず、寸胴ごとですか」

「ねぇ? あんな重いのを盗むなんて」

「……もしかして、魔物の仕業とか?」

「いいえ、魔物は魔力にしか反応しないはずよ」

「ですよね……。警察には通報したんですか?」

「まだよ。できれば警察沙汰にはしたくないの」

「例の信用問題ですか?」

「ええ。お互いにね」


 店の信用と学校の信用か。警察が介入しないのなら俺が行っても問題なさそうだな。直接現場を確認しに行くか。


「現場を見に行ってもいいですか?」

「調査したいの?」

「はい。楽しみにしてる生徒のためにも」

「うーん。でも姫嶋さんは……」

「分かってます。けど、今動けるのも私しかいません」

「そうねぇ……。それじゃ、お願いしていいかしら?」

「はい! それと、ダメ元で保険も掛けておきます」

「保険?」

「はい。当てになるか分からないので、また後ほどお話しますね」

「分かりました」


 というわけで、急遽俺がカレー消失事件の調査をすることになった。その裏にとんでもない思惑が隠れているとも知らずに……。



 To be continued→

最後まで読んで頂いてありがとうございます。

応援よろしくお願いします。


カレー美味しいですよね。

三ツ矢女学院のカレーはどんな味なのか……。

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