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魔法少女かえで@agent 〜35歳サラリーマンが魔法少女やることになりました〜  作者: そらり@月宮悠人
第二章

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技能試験⑫ - 独自試験(葉道歩夢)1

「あ! 葉道さんだ!」

「きゃー!」

「がんばってー!」


 歩夢が登場すると観戦会場のテンションが一気に上がる。やっぱり歩夢は人気あるなぁ。

 スペシャルミッションの内容は都市ステージ、ランクAの魔物とランクBの魔物を相手に負傷した魔法少女の救援という設定。

 本部長の阿山さん曰く、高位(ハイランク)の壁を経験するには良い調整だそうだが……。50キロメートルエリア担当になると一気に仕事の難易度が上がるってことか。


「大丈夫かな……」


*   *   *


 ランクA・ハーバリオン、ランクB・ケノカス、ランクB・クリュッカ。


「厄介そうな奴ばっかりだなぁ」


 考案したのが神楽・ソランデルと聞いて嫌な予感はしていた。意地悪でイタズラ好きとして有名なあの人がまともなセッティングをするはずがない。

 でも師匠――阿山さんが最終確認してくれているはずだし、いい調整だって言うから信じるしかないか。

 改めてミッションを確認する。


・魔物の撃破

・負傷した魔法少女の救出

・SP「コアの回収」

・SP「被害最小限」


「SPもやれて高位(ハイランク)ってこと? 上等! やってやろうじゃん!」


 試験が始まると同時に地図とレーダーを起動して負傷者のもとへ向かう。負傷者は二名、10キロメートルエリア担当だ。


「大丈夫!?」

「すみませーん、ありがとうございます」

「助けてー!」


 負傷者と書かれたゼッケンを着た本部職員の人が懸命に演技している。


「待っててね、すぐ片付けるから!」


 負傷者に防御フィールドを張ってから、ビルの屋上を飛び移りながらハーバリオンに向かう。


「――!」


 センサーに高濃度の魔力反応をキャッチする。


「しまった!」


 遠くからの狙撃はギリギリで回避したけど、下に落ちてしまった。


「あちゃー、やらかしたなー。……そんでもって下はこの有様か」


 クリュッカがどんな攻撃をしてくるか分からなかったから、ビルの屋上を跳びながら警戒して行けば回避できるだろうと思っていたけど、まさか狙撃なんてね。考えが甘かったようだ。

 そして、下は狙撃が来ない代わりにケノカスのワイヤートラップが待っている。つまり、下を突っ走ることは難しいし上を飛べば狙撃される――。


「まったく、こんなやらしいセッティングよく考えるよ」


*   *   *


「歩夢……」


 見えづらいが、ビルの間にあるのはワイヤーか? あんなもの仕掛ける魔物もいるのか。


〈おーっと! 葉道さん落とされてしまったー! 下はすでにワイヤートラップが張り巡らされケノカスの巣となってしまっている! ここをどう切り抜けるのか!?〉


「ワイヤートラップ?」


 ただのワイヤーじゃないのか?


〈ここで葉道さんはどうやら上に戻ろうとしている様子ですが、ワイヤートラップを回避できるか!?〉


 メイプルに訊けないからワイヤートラップがどんなものかさっぱり分からない。モヤモヤする。


「ケノカスのワイヤートラップは、触れるとランダムにトラップが発動します」

「え――紫!?」

「こんにちは、かえでさんも観戦ですか?」

「そう……だけど……。紫は?」

「私も、歩夢さんを応援してますから」

「そっか」

「かえでさん、大活躍だったようですね」

「ああ、まあ……。まさかこんなにレベルアップしてたとは思わなかったよ」

「元々の器が強力ですからね。優海さんが師匠ですし」

「確かに。紫はどうだった?」

「オールクリアです」

「さすがだね。そういえば、紫の戦闘スタイルはなんなの?」

「私も同じく、マジカルですよ。少々変則的ですが」

「へー、どんな魔法?」

「それは……、あっ。歩夢さんが」

「え!?」


 モニターを見るのと、実況の声はほぼ同時だった。


〈ワイヤートラップに引っ掛かってしまったー! しかも運悪く“ウィンド・シール”に閉じ込められてしまったぁー!!〉


「ウィンド・シール!?」

「要は風の結界です。……確か歩夢さんは、この手の魔法を破る手段が無かったような」


 そういえば、H公園で結界に閉じ込められてしまった時も、結界を破れないから俺を探せなかったって後で聞いたことがあったな。


「しかもランクBとはいえ上位の魔物による妨害魔法。歩夢さんでは抜け出すのは困難ですね」

「歩夢……!」


*   *   *


「うぁっ……!!」


 多少のダメージ覚悟で突破しようと思ったら、そうは問屋が卸さないらしい。よりによって最悪のトラップを引いてしまった。


「この風の壁を突破しない限りは、話にもならないってわけか」


 確かに、アタシは結界魔法を破る手段が無い。だから()()()()すごく悔しくて辛かった。大切な人を助けることすらできない自分にがっかりしたし怒りが湧いた。


「だからアタシは決めたんだ。どんな状況でも、どんなことがあろうと邪魔する障害(もの)は全てブチ壊して進むって!!」


 このまま終わるわけにはいかない! このまま終われるわけがない! このまま終わっていいはずがない――!


「バースト・ブレイカー!!」



To be continued→

最後まで読んで頂いてありがとうございます。

応援よろしくお願いします。


独自試験、いわゆるスペシャルミッションが始まりました。これをクリアすれば昇格というわけではないんですが、当然評価には繋がるのでクリアしたいところ。どうなるか!?

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