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魔法少女かえで@agent 〜35歳サラリーマンが魔法少女やることになりました〜  作者: そらり@月宮悠人
第二章

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技能試験⑦

 基本試験の最後、飛行試験は別部屋ということで移動することになった。


「おー、ここはまたすごいな」


 広い部屋の空中にいくつかのリングが浮かんでいる。まさかとは思うがレースでもするのか?


「あら? あなたもしかして……」

「え?」


 どこかで聞いたような声に振り向くと、見覚えのある黄色いドレスが目に入る。


「久しぶりねー!」

「柴田さん!」


 間宮楓香(ふうか)を警護している時に出会った魔法少女。あまりに戦闘が不得意だったために手助けをしたことがある。

 そして、()()()()()が掛けられている魔法少女でもある。それについてはぷに助が調べている。


「久しぶりだね。……あれ? ここにいるってことは」

「そう! 私も5キロメートルエリア担当に昇格したの!」

「すごい! おめでとう!」


 あんなに戦闘が苦手だった柴田が昇格したというのは奇跡としか思えないが、それだけ努力したのだろう。


「ちゃんと戦えるようになったんだ」

「実はスタイル転向したの」

「転向?」

「うん、アタッカーになったんだ!」

「アタッカー!?」


 あれだけ不器用に立ち回っていたのにアタッカーって……。でも実際に結果出してるみたいだしなぁ。


「どんな武器使ってるの?」

「見ますか!?」


 柴田は魔法の杖を武器に変える。現れたのはなんと身の丈ほどの大きさがある斧だった。


「お、斧……?」

「これがすっごい使いやすくて!」


 デカい斧をブンブンと振り回す。なんだか神楽・ソランデルを彷彿とするな。


「そっか。これでもうポイント不足に悩まなくて済むね」

「ええ、本当にあなたのおかげよ。姫嶋さん」

「え? 名前言ったっけ?」


 という俺の疑問に、柴田は上を指差す。


「天の声よ。あれだけ騒ぎになってれば嫌でも聞こえちゃう」


 愛恋(あこ)さん……。まあ、もう別に隠すこともないか。


「そっか。改めて、姫嶋かえでです。よろしくね」

「こちらこそ!」


 本当ならメイプルとか(ゆかり)に直接詳しく調べてもらいたいところだが、今はメイプルに通信できないし紫はエリア担当が違うからここには呼べない。

 まさかそれを見越して? ――いや、考えすぎか。


「姫嶋さんも10キロメートルエリアへの昇格を目指してるの?」

「まあ、そうですね」

「姫嶋さんなら楽勝ね! 頑張って!」

「ありがとう」


 ま、とりあえず今は飛行試験に専念しよう。

 ……どう専念すればいいんだ?


〈はーい! みなさーん、お疲れさまでーす! 基本試験はこの飛行試験で終わりになります。やることは2つ! 一つは安定の維持。これは空中で同じ高さで同じ姿勢を5分間保つというもので、要はホバリングですね。もう一つはコントロール。空中にリングが浮いてるのが見えますね? あのリングを順番に潜ってゴールしてもらいます! もちろん早くゴールすれば評価は高くなりますが、ゴールに必要なリングの数がありますので注意してくださいね! それとコースアウトしてしまったらマイナス評価になってしまいますよー!〉


 失格じゃなくて、あくまでマイナス評価の扱いになるのか。

 つまり5分間浮いて、Ni○hts(ナ○ツ)よろしく空中リングを潜ってゴールすればいいわけだ。


「では、全員その場で飛んでください」

「え? その場で……て、ここでですか?」


 皆が一様に戸惑いながらも、その場で跳んで空中で静止する。


「はい、じゃあ行きますよ」


 花織が魔法の杖でトンッと床を叩くと、全員の目の前に水平器のようなものとメーターが表示される。


「これは皆さんの縦揺れや横揺れを計測する魔法です。かなり敏感に反応するので少しでも動くと音が鳴ります。3回鳴るか床に落ちたらアウトですので、気をつけてくださいね」


 なるほど、これはただホバリングしてればいいっていう試験じゃないな? 中々にやらしい試験だ。


「そうそう、魔法の杖を常に構えた状態でいてくださいね。よーい、スタート!」


 巨大なディスプレイに5分からのカウントダウンが表示される。すると早速、そこかしこでピーという警告音が鳴る。

 水平とメーターを見るに、()()がかなり小さい。まるで「微動だにするなよ」という無言の圧力だ。


「うぅ……」


 横を見ると案の定というか、柴田は苦戦していた。警告音こそ鳴らないものの、かなり不安定だ。


「大丈夫?」

「な……なな……なんとかぁ……」


 話し掛けないほうがいいかなこれは……。

 考えてみたらホバリングなんてあまりしたこと無かったけど、やってみるとけっこう安定している。

 俺自身のパランス感覚はそんなに良いとは思えないが、これもまた魔法少女のフィジカル強化のお陰だろうか?


〈残り3分! さあ、何人が生き残るか!?〉


 実況楽しんでるだろおい! ――と、その時だった。


「なっ!?」


 いきなりバランスが崩れた俺は下へと落ちて行った――。

 


To be continued→

最後まで読んで頂いてありがとうございます。

応援よろしくお願いします。


何人が生き残るのか楽しんでる愛恋さん。

果たして楓人の運命やいかに!?



ついに100話まで来ました! いつも読んでくださる読者さんありがとうございます! 一気見してくださった新規さんお疲れさまです!


正直こんなに長くなるとは思いませんでしたが、気づけばあっという間の100話です。毎日更新も6月1日からスタートして気づけばもうすぐ2ヶ月です。


おかげさまでブクマとポイントは毎日ジワジワと増え続けています。皆さんの応援が間違いなく原動力となり無限エンジンの燃料となっています。本当に感謝しかありません。ありがとうございます!

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