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ハイパーポジティブシンキング

作者: 京本葉一

 駅を出ると、小雨が降っていた。

 風はない。

 問題もない。

 テレビでニュースをみていれば、天気予報もチェックはしている。期待どおりではなかっただけで、落胆するほどではない。


 ニュースといえば、新型ウィルス関連がトップにあがる。二週間くらい前までは「たいしたウィルスではない」という認識だったのに、いつの間にやら世界規模の大問題になっている。チューバーの動画などでは、ずいぶん深刻な情報がシェアされてもいる。

 個人としては、たっぷり睡眠、かるい運動、手洗い、紅茶、ビタミンCのサプリ、半ひきこもり、といった日常生活がわりと万全な対策になっている気がして、とくに心配はしていなかったが、こうも次々に情報が流されると、「日本は大丈夫なのか」などと、ついつい考えてしまった。

 はたして、新型ウィルスはそれほどの脅威なのか。

 国家の非常事態なのか。

 こういうときこそファクトフルネス。人間はネガティブな情報ほど強い関心をもち、物事を悲観的にとらえてしまう。事実を確認していけば、事態はそれほど悲観的ではない場合が多い。

 専門知識のない素人でしかないが、「日本は大丈夫」という楽観論に至った。

 だって、暖冬じゃない?

 梅雨みたいな雨で、湿度あるじゃない?

 インフルエンザもそうだが、ウィルス感染が広がるのは、寒くて空気が乾燥している時期だ。中国で感染者が増えているのは、大陸特有の乾燥が影響しているはず。そしていまの日本は、例年になく湿度を保っている。仏壇に供えた花に白カビが繁殖するくらい温度と湿度がある。びっくりするくらい梅雨に近い。

 もともと日本は水の国だ。

 大陸とちがって水気が多い。菌類も細菌類も多い。アマゾンより菌の種類が多いという説もなにかで読んだ。

 日本では、多種多様な小生命体が勢力争いをしている。新型ウィルスが大陸において、空気中でどれほど生存できるのかは知らないが、水気の多い日本ではすぐに地に落ちるだろう。そして、すぐに淘汰される。そんな気がしている。

 よって個人的には、「日本でパンデミックは起きない」と推測している。


 ふとおもったのは、暖かさと雨をもたらした、低気圧がやってくるタイミングの良さ。「神風やないかい」とツッコミたい状況だ。暖冬であることもふくめて、神レベルで守られている気がする。

 もうこの際、「日本は神の国だから」、でいいのではないだろうか?

 理屈なんてどうでもいい。

 安心できるならそれでいい。

 この国は神に守られている。

 何も心配はいらない。

 なんの問題もない。

 たとえ折りたたみ傘がぶっ壊れていたって、ぜんぜんだいじょうぶ。

 ノープロブレム。

 これもおそらく神の愛。

 降りつづいている小雨は、きっと天然の浄化システム。

 濡れて帰ればいいのだろう。

 アホになればいい。

 バカは風邪をひかないって、昔からいうじゃない?

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