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第五話

ちなみにですが、基本的にこういったP2P通信はカーネル実装じゃないはずなんでカーネルの不具合じゃこんなことは起きません。というかどう考えたって配電盤にP2P機能いらないし。

この世界では相当開発者が面倒くさがりなんでしょうね、明らかにyOSの動作するチップを全製品に搭載しなければならないので配電盤の製造コストは跳ね上がるでしょうけど、そこらへんをものともしないのがpippinの財力の見せ所です。

 人間は緊張で吐きそうになるというが、正直そんなものは比喩表現に過ぎないと思っていた。だが、実際にWhiteBerryを握って駅の乗越精算機の前に立ってみると話は違う。もちろんウダウダしていたら怪しまれるのは必然なので、とっととアプリを放り込んでやる必要がある。だが、失敗したらどうしよう…、もし速攻でこのスマホでのインストールがバレたらどうなるんだ?、などと考えるとアドホック通信を起動するボタンに置く指が震える。監視カメラも事前に無力化してあるとは言え、どっかでバレる可能性は否定できない。


「…」


「…ッ…」


 見かねたイナリがWhiteBerryのエンターキーを俺の指ごと押す。券売機としてなら絶対に表示されないであろう、1素人ユーザーが作成したプログラムが起動する瞬間。


「…トイレ行くか」


 イナリに耳打ちをして精算機から離れる。朝と言うにはあまりにも暗すぎる駅構内に人影はまばらにしか無い。人っ子一人居ないトイレの掃除用具入れにこもって数秒もすれば、駅構内を照らしていたLEDへの電力供給が途絶える。


 駅の配電盤までの感染は思った以上に早かった。周囲が暗闇に包まれる。数十秒後、改めて起動されるがまたすぐに明かりが消える。駅の明かりが数十秒間隔で点滅すると精神衛生上とてもよろしくない。


「これが寡占市場の恐ろしい所よなぁ」


 すべて同じカーネルの上で動作するシステムは、開発がしやすくみんなが同じ言語を扱うため誰でも整備が可能というメリットがある反面、カーネルそのものに脆弱性が見つかった場合に危険にさらされるデバイスの数も膨大なものになるというデメリットをもつ。それこそ、今のようにサイバー犯罪が簡単にできるようになるぐらいには。


「…誰も居なくなったか?」


 駅員の誘導の声が聞こえなくなった。イナリは大きな耳をピコピコと動かして周囲の音を拾う。ケモミミと表現されるソレは、人間の耳よりよっぽど指向性が高い。本人曰く、「足音で索敵することもよくある」とのこと。頼もしい限りだ。


「今最終確認とか言ってる。どうやら業者を呼びたいらしいんだけど、yPhoneももれなく今回のウイルスの対象内だから連絡も取れないらしいね」


「もう少し待ってみるか」


 ついに完全に電力が遮断されたようだ。物理スイッチで切ったのだろうか。…線路内侵入検知システムが止まってるとしたら今しかないはずだ。今行かないとチャンスを失うかも知れない。


「イナリ、入場券流すぞ」


「分かった」


 掃除用具入れの流しに入場券を捨て、水を流す。指紋やDNAからの特定がまた一段と遠のいた。


「…近くに人の気配は?」


トイレの出入り口付近で最後の確認を取る。


「…声も足音も匂いもない。行くなら今だよ」


「行くぞッ!」


 周囲の建物も明かりがついているものは殆ど無い。無論街頭も整備はpippinが行っているのだから今は点灯していない。東京にあるまじき暗闇がそこに広がっていた。


 線路に立ち入っても警報の類は鳴らない。それどころか、誰一人としてこちらを見ている様子はなかった。


 高架の上は、半パニック状態になっている下とは違いとても静かだった。息を切らしながら、走りづらい線路を蹴って進む。いつ電力が復旧するか分からないのが怖い。


「っ…はぁ…あの…長いな…」


「代々木~新宿間じゃないんだからそんな近いわけ無いでしょ。それでもたった1kmしか無いし」


「山手線ってマジで路面電車並みだよね…じゃなくて、よくそんな速く走ってられるね」


「それはもう…生きるためについた体力だし」


 電車では数十秒しかかからなかった壁と浅草橋の間も、走ると数分は要する。壁も近くで見ると本当に大きく、遠くから見るものの感覚を狂わせるには十分すぎるサイズ感だ。仮設だが、爆撃痕が残っているあたり普通の素材じゃなさそうだ。


「見て。秋葉原の中は全然明かりが消えてない」


「うぉ…マジだ。マジでプロテスタントの最後の砦なんだろうな。いやでも…じゃあなんでマカーは完全に封じないであえて検問なんてまどろっこしい方法を取ってるんだ?…そもそもどうやってこの壁を建てたかもわからんが」


「僕が物心ついた頃にはすでに完成してたからなんとも…」


 トンネルの損壊部から見る秋葉原は、外で起きている騒ぎとは無縁に見える。夜明けにもかかわらず、街のネオンは煌々と地面を照らし、酔っ払った屈強な男が地面で寝ている。治安がいいのか、はたまた腕っぷしに自信があるのか。


「もう歩いても大丈夫でしょ。…トンネル内灯もつく気配はないし」


 壁から秋葉原駅までは目視で150mほどしかなかった。あとは秋葉原駅からの脱出方法を探れば良いのだが…。


「居たッ!撃てッ!!」


「マズ…」


 完全に油断した。バレてたとは思わなかった。敵影は3人、うち2人がハンドガンらしきものを構えていて、持っていないやつは親玉なのか二人の後ろで指示を出している。


…死ぬ。


「うぉっ」


 イナリに体当たりを入れられた。俺は押し出される形でトンネルの壁に打ち付けられる。そうすると、必然的に俺の板場所にはイナリが置き換わっているはずで。


パス…パス…


 サプレッサーのついたハンドガンから小気味よい音が発せられる。一発はイナリの肩、もう一発は脇腹をかすめて地面に弾が埋まる。衝撃を受け流しきれずにイナリは倒れる。


 血の気が引いた。たった数日とは言え一緒に衣食住を共にした仲だ。何をすればいい、どうするのが最善策だ?


 まず何をするにもリュックが重すぎる。食いもんとか服はまだわかるとして、なんで壊れたyPadなんて持ち歩かなきゃいけないんだよ。…データ遡られればおしまいだから、と持ってきたのは俺だった畜生。


 距離を詰められる。なんとかして食い止めれば…


 反射的だった。yPadをおもむろに取り出してハンドガンを持っていない親玉目掛けて全力で投げつける。運のいいことにyPadの角が目に当たってくれた。銃持ちの二人の意識がそれている今のうちに手負いのイナリを抱えて秋葉原方面に走り出す。こんな遮蔽物のない場所で遠距離武器持ちに勝てるはずがない。


 敵の意識が再びこちらへ向いた。呆気にとられて立ち尽くしていたさっきとは違い、蛇行して走っている今は当てづらいのだろう、ホームに上る階段まで残り10mを切った。


「駅についたら止血してやるから、それまで我慢してくれ」


「う…うん…」


 痛みを必死に我慢しているのか、声は苦しげだ。とりあえず身を隠せれば…


 いきなり、ズキンとふくらはぎに痛みを感じた。まるで焼けた鉄を押し付けられたような慢性的な痛みだ。堪えきれず唸り声を上げる。


「ゆっ…勇太ッ!?」


 足が思うように動かなくなり、もつれて転ぶ。自然とイナリを放り投げる形になってしまった。俺の前方に転がっていく。


 …立てない。撃たれたであろう右足が完全に動かない。そもそも痛みで正常な判断力が失われてそうだ。


 敵がなにか叫んでいるも、その内容を識別することにリソースは割けない。這いずって駅のホームに逃げようとするが、あっという間に追いつかれる。


 多分ひどい顔をしているだろう。頭蓋骨に銃口を突きつけられる。終わった。人生も何もかも。せめて、イナリは逃げられているかな。


 ダン、と銃声が響く。カランと薬莢が落ちる音とともに俺は意識を手放した。



「おい、寝るなッ」


 聞き覚えのある怒声だ。たしかイナリにスられた直後のことだっけ。死ぬぞってエラい形相で言われたんだったけな。


 生ぬるい液体が体を覆っている。結局…死ぬんだろうな。あんときは守ってくれたんだろうけど。


「起きろッ、おい!…死ぬな、手当してくれんだろっ!!」


「んぅ…ぅん?」


 体が重い。何かが覆いかぶさってるような…。


「ん?」


 なぜ寝ているのか、なぜイナリが泣きながら俺の体を揺すっているのか、最初は分からなかった。


「…い…生きてる…のか…」


「バカじゃないのお前ッ!」


 イナリはギュッとこちらを抱きしめる。


「そんな簡単に死なれちゃ困るんだよッ…全く、無計画すぎるよ、僕が緊急時用に小型ピストル持ってなかったらどうなってたことやら」


「…ん…あぁ…」


 とりあえずイナリが助けてくれたことは分かった。二度目だ、イナリに助けられるのは。


「…何がどうなって…うぐッ…」


 意識にかかったモヤが晴れていくとともに、俺の鼻孔に鉄の香りが入ってくる。生暖かい液体の正体も、俺の上に横たわっているモノの正体も分かった。


 「一応三人共脳みそは撃ち抜いた。でも、あと5発しか無いから次敵襲にあったら僕も勇太も死ぬ」


 イナリは俺の体を死体の下から引きずり出す作業を止める。俺の意識もだいぶしっかりしてきたし、あとは自分で抜け出せってことなんだろう。


「イナリ…俺…寒い」


 敵の血が冷えてきたのもあるだろうが、根本的に体の芯が温まらない。それと吐き気がする。眼の前に、顔面が崩れた人間の顔があったら、普通気持ち悪くなるんだろうけど。


「血が足りてない証拠だ。とっとと駅まで逃げてなんとかするぞ」


 そもそも今、左足がほぼ機能しない。壁の中の総武線が文字通りセキュリティホールになることを恐れて高架の線路そのものをトンネルで囲ったんだろうけど、そもそもこんなところから出入りできる超人が居たら普通は壁なんて意味がないんだよなぁ。


 おかげさまで遠距離武器が滅茶苦茶有利になるバトルフィールドが出来たわけだが。


 たかが10mだが、トンネルの壁伝いに歩くとやはり時間がかかる。イナリの肩も借りて、なんとか改札フロアまで降りてくることが出来た。


「うわ…廃墟だ…」


 俺がしってる秋葉原は基本的に何かしらのフェアがあったりガチャガチャが並んでいたりして賑やかそのものだった。だが今はどうだろう。駅ナカの散髪屋も無ければATMもなし。そもそも電気が通ってなく厳重に閉鎖されているのでほぼ暗闇と言っていいだろう。


「ごめんイナリ、ちょっとどっかで座ってて。俺トイレ行ってくる」


 自分が発する血の匂いで吐き気が頂点に達した。全く、「駅についたら止血してやるから、それまで我慢してくれ」なんて啖呵切った割にこのザマか。


「いい、僕もついてく」



 結局、イナリに背中を擦られて一通り胃の中身を空にした。「止血もここでいいだろ。個室だからある程度は攻撃を防げるかも知れない」ということで、今イナリにふくらはぎに布を巻いてもらっている。


「ほら、じゃあズボン脱げ」


「は?」


「太ももの出血もやばいんだよ。気がついてないだろうけど、同時に二発受けてたみたいだよ」


 ズボンを脱いでみると、かすったのか大きな溝が太ももに出来ていた。ふくらはぎの痛みの処理でこちらの痛みまで感知できなかったのか。


 イナリはなんの躊躇いもなく便器に座っている俺の股にマズルを突っ込む。あの…恥じらいとか無いんですか?


「何ちょっとドキドキしてんの」


「ドキドキするほうが普通だと思うんですけど。鼻の位置的にもくっそ恥ずかしいぞ」


「嗅いでやろうか?」


「丁重にお断りするわ」


「ちなみに股とか臀部の匂いをかぐのは、僕たちイヌ科獣人にとっては不思議な事じゃないよ。固有の体臭が凝縮されるから、匂いを覚えるときにはこうするのが一番」


 スンスンと鼻を動かす。その同性間なのにちょっと性的な攻撃で緊張させんのやめろ!!なんで俺がドギマギして心拍数を上げなきゃならんのだ。


「匂いなんかに頼らんでも良いだろ。つーかお願いマジで誰も居ないはずなのに羞恥心やばいから」


「スマホを持たない僕でもコレぐらい強烈な匂いなら追いかけられるかもね」


「他人の血を纏ってるんですけど」


「混ざり合う匂いをそれぞれ識別して勇太の匂いだけサルベージするぐらい簡単だから」


「ああ…そう…」


 死ぬほど疲れた。最後に、ギュッと包帯代わりの服の切れ端を締め付けて圧迫すれば一応はOKだろう。ああ、保健の授業をもっとちゃんと聞いときゃもっと詳しくイナリに指示を出せたんだがな。



「で、こっからどうするか僕はずっと気になってるんだけど」


 精神の尽き果てた俺は、秋葉原駅構内を見渡す。まあ思ってたとおりだけどどこもかしこも密閉されてる。コンクリートで埋められていたりもする。


「そうだよな、マカー連中にバレてんなら今すぐここを出ないと」


「そうだよ、で、どうすれば?」


「さぁ」


「さぁ!?」


「だって来てみないことには何も検討つかないんだもん。どうなってるかなんて知る由もないし」


 イナリの怒りのボルテージがどんどん上がっているのが目に見えてわかる。でも、一つだけ心当たりがあるのも事実。


「落ち着け落ち着け。俺の世界の時の情報が正しければ、秋葉原は駅舎の工事してるんだよ。こっちじゃどうかわからんが、工事現場が残ってればそこぐらい素手でも破れそうじゃないか?」


「…僕はこんなところで餓死なんて真っ平御免だぞ」


「安心しろ、俺も同意だよ」


 イナリに深い溜め息をつかれたが、なんとか落ち着いてくれたようだ。


「…んで、確かにここの壁は仮設っぽいし穴ぐらいなら開けれるかもね」


 読みどおり改装工事の現場があり、そのまま放置されていた。老朽化が進むも放置されたままだ。…もっとも、内側が使われることのない現在、老朽化ぐらいでは整備することもないだろう。


 イナリの肩を一旦開放する。そのまま、イナリはすっと身構え、ヒュンと風切り音が聞こえそうなほど鋭い蹴りを壁に打ち込む。


「…おお」


ベリベリと壁の間を塞ぐガムテープが剥がれ、バキバキに折れたプラスチックの壁が倒れる。


「行こうか」


 工事現場の出口はあっさり見つかった。二度とここに入ることはないだろうが、一応パスコードをカメラに収めておく。16進法のパスコート8桁は何かあっても勘じゃ当てられない。


 仮設の壁に設えられたドアを開ける。一風変わった、だけど見慣れた秋葉原の景色を見た俺は急に強い眠気に襲われ、イナリにもたれかかって意識を再び手放した。



「…い、ええ、はい。分かりました。では請求先は”プロテスタント”に直接、でよろしいですね?」


「ああ、構わない。複窓のお嬢が『期待の新人』とか言ってたからな」


「我々としても医療機器をすべて一社に頼りきるのは怖いので独占市場になってほしくはないですし、あなた方には借りがありますからね。いつもどおりまけておきますよ。狐の少年は?」


「多分こいつの奴隷かなんかだろ。こいつどっかで引っかかるっことがあるんだが…。まあ今は奴隷の値段の高騰が激しいしな、今後のことを考えると割と賢い選択だったんじゃないか」


「…獣人はうちの病院は専門外なんですけどね。弾丸の埋没などがなくて助かりましたよ。WhiteBerryの少年の請求書に統合しておきます」


 目を開けるのが億劫だ。多分片方は医者の声、もう片方は…話の内容から察するにプロテスタントのギルドの構成員、それも重役なんだろう。声が遠ざかっていき、やがて全く聞こえなくなる頃にやっとこさ瞼を開けることに成功する。


「…ぅん…」


 まだ体を起こすほどの体力は戻っていないのか、布団が鉛のように重く感じる。眼の前には見慣れぬ天井。俺の家とも、イナリの家とも違う、文字通り病院の天井。


 とりあえずスマホがないと何も始まらない。そもそもここが秋葉原内なのかすら怪しい。ポケットを探ろうとして、入院着に着替えさせられていることに気がつく。


「ぅぁ…スマホねぇ…でも財布が鳴ってる気配もないな…」


「…お、目ぇ覚ましたか」


「ッ!?」


 声が出ていたことにも驚いたが、それ以上に真横に人が居たことに驚いた。なんで気が付かなかったのか自分のことだが理解に苦しむ。


「驚くのも無理はないか。はじめまして、"転生者"君」


「は…はじめまして…」


「『なんで転生者だと分かった?』と言いたげだな」


 …思ったより自分の考えが顔に出ているらしい。


「WhiteBerry Boldの9000番台は実際こちらでも流通してたんだがな。"9900"はあんたと同じ転生者しか存在を知らない、そもそもこの世界じゃ欠番なんだよ」


「欠番…。僕が元々居た世界でもほとんど流通していなかったのに、よくご存知ですね」


 体が徐々に動くようになってきた。声の主の方を見やると、屈強だが優しそうな戦士の男性がそこに居た。


「ああ、あんま動くな。傷口が広がりかねない」


「…分かりました。すいません話の腰を折ってしまって」


「構わんよ。そいつも同じこと言ってたな。9900のこと知ってるやつはこの世界にゃ居ないだろうなって」


「ええ、でしょうね。なぜここに9900の存在を知っているものが集められているのかが不思議です」


「同意だ。そもそもなんで”転生”が起きるのかすら分からんからな。スマホ抗争と関係があるのは確かなんだろうが…」


「以前はなかったんですか?」


「無かったな」


 沈黙が流れる。だが、このほとんど動けない今はこうやってそばに人が居てくれるのは有り難い。


「すいません、僕のスマホってどこにあるんですか?」


「ああ、今セキュリティチェックを本部でしている。財布に警報がついてたから一緒に持ってってるぞ」


「セキュリティチェック…ですか?」


「ああ、知ってるだろうが今朝方yOSの大型トラブルがあったろ。あんたらが首謀者なら問題ないんだが、他の連中がなにか仕組んでるとなると話は別だ。まあ今朝は本当に愉快なもん見せてもらったし感謝しかねぇけどよ」


「あはは…。ええ、アレは俺が組んだプログラムで間違いないです。だた…僕らがこちらに侵入したことは完全にバレているようで…」


「だろうな。じゃなきゃ駅の工事現場から血まみれで出てくることはないだろうよ。流石は複窓家のお墨付きってところか」


 そう言えば、この人達はどうやって秋葉原と外を移動しているのだろうか。検問はあるが、彼らはプロテスタント。検問ゲートを通れるとは思えない。だが、一生を壁の中で静かに終えるような穏やかな連中にも絶対に見えない。


「出入りか?簡単だ」


 そしてまた心を読んでくる。短く、「袖の下」と聞こえた俺は経済力の重要性を思い知ることとなる。


皆さんはいきなり病院で見知らぬ人に話しかけられたらちゃんとナースコール押すようにしましょうね。まあ見知らぬ病院で目覚めるシチュエーションに陥ったらすでにピンチですが。

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