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プロローグ兼一話

はじめまして、でっていうと申すものです。

あらすじにもあったように、某アニメのタイトルだけを聞いて、勝手に想像した産物をうpってみます。元ネタ様と同じサイトに投稿する勇気よ(ぉ


導入なので少し短めですがご了承をば。

あと普通に生きてる分にはほとんど出会わないであろうマイナースマホOS(を元ネタにした何か)が出てきます。気になったら調べてみると面白いかもしれません。なおサポートが終了してたり終了する予定だったりする模様。

「では、黒苺君…この世界の事、頼んだぞ」


 目の前の長老は真っ直ぐな眼差しでこちらを見つめてくる。だが、この世界の住人が困っていて、それをどうにかできるのは自分しか居ない事を聞かされた以上、どんな困難が待ち受けていようと拒否はできまい。


そもそも、しがない学生の俺が何で世界をどーのこーの言ってるかには訳がある。


 ほんの4時間ほど前、買い物を済ませた俺は寝不足故にぼーっとしてる頭をどうにか働かせながら新宿の街を歩いていた。地下道への入り口が見え始めた辺りで急激に疲れが襲ってきて、一瞬ふらついたのだ。バランスを失った体をどうにか立て直しながら足元を見ると、コンクリートがえぐれて小さな窪みが出来ていた。疲れてる上に路面状況が悪いとかなんかもう無理だわとか呟いて前を向いたらもうそこは素敵な新宿駅周辺じゃなくなってた訳だ。


 テンパった俺は即刻スマホを取り出す。柱は4本ちゃんと立っていてLTEも繋がっているがどうもipが取得出来ない。何故か分からずSIMの抜き差しを試しているうちにどこからともなく現れた集団に囲まれ追われる羽目に。


 途中に出会った少女に連れられ逃げ込んだ先で老人に出会い、今に至る。


 老人は詳しくこの世界に起きている事を説明してくれた。この世界では今、スマートフォンのシェアを巡って激しい抗争が起きているということ。そのせいで公的機関は全くしていないこと。人類は、pippin社が提供するyPhoneを所持しているかどうかで差別されるようになったこと。そして俺を狙った連中はpippin過激派であったということ。俺が標的になったのはwhiteberry社製WhiteBerry Boldを新宿の街中で扱った事が原因であること。その他も本当に頭がおかしくなるような狂いっぷりの説明を聞かされた。


 だが、その話を鵜呑みにする限り、無益な争いだという事実は両社共に理解しているのにもかかわらず民度の低いユーザーによって鎮火しないらしい。そして、期待の込められた眼差しを向けられれば答えは一つしかない。


「分かりました、この世界に必ずやスマホ選択権を取り戻して見せましょう」


 俺は、yOS端末を扱ったことがない。クラスでWhiteBerry端末持ちも自分だけだった事は記憶している。でも、物理的なフルキーボードや信頼性の高いネットワークシステムはどのスマホより魅力的に映る。


 長老の名は複窓 十蔵。Microhardの日本支部社長らしい。MicrohardはPC用OSであるWindsと、それをベースに作られたWinds Phone(旧winds mobile)、Crossboxと呼ばれるゲーム機の3つをメインの事業とし発展してきた大手IT企業だ。その名の通り小さななハードでも風のような軽さで動く軽さと汎用性を売りにしている。


「神八、この勇者様に例のブツをお渡ししろ」


 複窓 神八、十蔵の娘で俺をここまで連れてきた張本人だ。このMicrohardの新宿支社の総責任者でもあるらしい。スマホ抗争が起きてから秘密結社のような様相を呈している事が悩みの種のようだ。秘密結社の名に相応しく、日本各地に支社を持ち、yOS反対派からはギルドと呼ばれている。


「じゃあ、こっちに」


 例のブツという社会的にアウトな気がしてならない何かを渡す為に俺を引っ張って連れて行く少女こと神八。連れてこられた先は小さなPCと利用用途の分からない周辺機器がでんと置かれていた。


「改めて、名前と生年月日を教えてもらえるかしら」


 落ち着いた口調で問われた。意図こそ不明だが、データベースへの俺の個人情報の登録とかなら分からんでもない。


「黒苺 勇太。16歳だ」


 少女は黙々とPCに向かって情報を打ち込んでいく。部屋の中に異様な雰囲気が漂う。


「スマートフォン、貸してもらえるかしら。ロックは解除しなくて良いわ」


 神八にスマホを預け、俺は今日起きた事を反芻し出す。まずもって異世界転生とかいう星の数ほどあるラノベのシチュエーションに自分が巻き込まれるほど馬鹿馬鹿しい話はないと思っていた。しかもやれ事故にあって死にかけただのやれ自殺志願者だっただのといったありきたりな状況ではなく、ただ新宿駅周辺でつまづいただけでこのざまだ。


 神八はなれた手付きでSIMを抜いてPCに差し込む。彼女が眺めている広視野角ディスプレイに映っていたのは元の世界のSIMに格納されていたデータだ。いくつかの項目をコピーして新しいSIMを箱から取り出す。この光景はさながら携帯ショップの新規購入の処理のよう。


「…はい、アクセスポイントの変更とか出来る?」


「あ、ああ…」


 マイナー機種を持ってると、それだけでそのマシンに詳しくなれる。誰も周りを頼れない以上、海外旅行とかに行く時は自ずと自分でアクセスポイントを変更せねばならない。


 ラミネート加工されたアクセスポイント名とパスワードを打ち込む。数分後、ある筈のURLに飛べないとエラー祭りになる。ブックマーク群も全滅だった。


 まあそりゃそうだろうな。こりゃカスタムROM化も視野に入れなきゃダメか…?


「…やっぱり貴方のも駄目かしら」


「ああ、URLに互換性が無いみたいだ。…ちょっと待て、貴方のもってどういう?」


「ええ、実は異世界からやってきた若者は貴方だけじゃないわ。勿論、基本的にはyPhone持ち、良くてHumanoid持ちね。まあyPhoneユーザーは別に保護する必要は無いとして、Humanoidユーザーも同じ症状を訴えたのよ」


「なんだ、ワールドワイドウェブじゃねぇとかか?」


「…よく転生者達が口にする呪文ね。サーバー名かしら」


 wwwを認識していない辺り本当にシステムの構造は違うのだろう、偶然にも端末同士の通信には互換性があるようだが。


「まあ良いわ。今貴方に渡したSIMの番号は転生者向けのサーバーを経由するように設定し直したわ。…安心なさい、これはギルドからの支給品よ。パケット量は気にしないで良いわ」


 何て良心的。なんだろうどうやって戦えばいいとか全然分からんのだけど俄然やる気に満ちる。


「おお、繋がった。…でもコンテンツは全然違うのな、慣れんとな」


「世界線を超えた通信は流石に無理ね」


 机の下をゴソゴソと弄りながら神八は微笑う。何かと思ったらQR付きの名刺を渡される。


「この世間を牛耳っているのは紛れもなくその掌の上のデバイスよ。逆に、この世界向けのセットアップをしてしまえば生活に困ることはないわ。…早めにサインアップしてツール類のダウンロードをする事を推奨するわ」


「…?」


「とりあえず秋葉原に向かいなさい。都内で最大で唯一の反pippin勢力【プロテスタント】のギルドがあるわ」


 …Microhard含む様々な企業連合によって作られたギルドが、秋葉原駅前のオフィスビルに入っているらしい。何も分からないまま、俺は総武線の車両に乗り込んだのだった。


ここまで読んでくださりありがとうございました。本当にただの悪ふざけなんで、一応エンディングまでプロットは出来てますが失踪するかもしれません。というか色んな所から怒られそうだよねウケる。

感想とかいただけると致死レベルに喜ぶんでよろしくおねがいします。

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