第1章2話 目が覚めたら
「それで願い事は何ですか?」
二回目の質問をする妖精
しかし獣に襲われ疲れてる俺はいきなりの眠気に誘われ、倒れるように寝てしまった。
「うーん、初めての体験で体に負担が掛かってしまったんですね、仕方ありません、今日の所は寝さしてあげましょう。」
翌日
「ここは...」
目が覚めると俺は見たことも無い部屋にいた。
「あ!、やっと起きましたか」
聞き覚えのある声の方を見てみると
「いきなり倒れた時は驚きましたよ、けど病気とかじゃなくて良かったです。」
その声の主は自称・妖精とかいう胡散臭いやつだった。
「お前ずっとここにいたのか?」
正直会いたくは無かったが異世界で一人というのは困るからありがたい。
「えぇ、まだ願い事のことも聞いてませんし」
「あぁ死んでも叶えたい願いだったか、悪いがそんな願い事は無いぞ」
小さい願いならたくさんあるが死んでも叶えたいって言うのはさすがに無いだろう。
「えー無いんですかー?何でもいいんですよー?
」
結構適当な妖精だな。
「例えば現実世界に戻るとかでもいいんですよ?」
何を言ってるんだか。
「その願いは絶対無いな」
と断言する俺。
「何でですかー?」
まぁ当然の反応だな。
「簡単な事だ、異世界に来れたのに、わざわざ現実世界に戻る選択は皆無だ」
やっと平和でつまらない日常が変わったって言うのに戻るなんてのは無しだな。
「...ぷ、あははははは」
俺おかしな事言ったか?
「何が可笑しいんだ?」
「それは可笑しいですよ、見知らぬ世界に来て帰りたく無いって、普通は思いませんよー!」
ふむ、そういうものだろうか、つまらない世界より面白い世界の方が断然いいと思うが?
「まぁいいでしょう、今の所は願いが無いと言う事にしときましょう。」
「随分とあっけなく引くんだな」
「まぁ無いのに聞いても意味ありませんから」
なんか重く考えてた俺が恥ずかしいな。
「じゃあ、今度はこっちが質問する番だ」
やっと聞ける、今の状況の事が。
「何ですかー?」
「単刀直入に聞くが、お前は何者だ、ここは何処だ?俺は何をしにこの世界に呼ばれた?」
聞きたかった事全てを聞いた。
「ぐいぐい来ますねー、いいでしょう、全て教えましょう。」