第48話 才女、歓迎される
大変、お待たせしました。最新話更新です。
「近代魔術のレッツェルシーカー」も応援よろしくおねがいします。
着替え終わった私と恵子ちゃんは、ヴェナー卿の屋敷の従者に連れられて会場へと移動していた。
扉が開いて足を踏み入れた瞬間に好奇の視線が向けられる。
私は聖女呼ばわりされて王都・カルディアで慣れたけども、恵子ちゃんは慣れていないみたい。
それに、最初こそ会場全体からそんな視線を向けられていたのだけど、段々と殿方の視線が増えてきている。更に付け加えると私より恵子ちゃんのある一点に……
私のはルカのおかげで落ち着いた感じのドレスが用意されたけど、恵子ちゃんはそういうこともなかったらしく、結構、大人っぽいというか何というか――露出が多い?
特に問題なのが私より身長が小さいのにサイズが大きい胸だ。
私も視線が引き寄せられてしまうくらいに主張の強い部位ではあるけども、流石にもう少し自重できないものかと思ってしまう。
「恵子ちゃん」
残念ながら周囲に来斗も鎮もいないようなので、代わりに私が腕を差し出す。
恵子ちゃんは私の腕を抱きかかえて、胸元を隠すようにする。
いくら不快とはいえ、あからさまに隠すわけにもいかないものね。
「ルカ。恵子ちゃん用にストールを用意してくれるかしら?」
「ストールですか?」
「ええ、色合いだけこのドレスと合うものを用意してくれたら、後は私の方で結ぶから。
いつまでもこのままって訳にはいかないでしょうし、こればかりは来斗や鎮に任せるわけにもいかないから」
それだけで、何が言いたいのか理解したルカは、すぐに用意すると言って席を外した。
ルカはまだまだこれからだろうし、侍女として生きてきたってこともあって、そこらへん無頓着なのかもしれないわね。
とりあえず、これで今しばらく我慢すれば問題は回避できる。
今にして思えば、部屋でストールを用意してから来ればよかったのだけど、まさかここまであからさまな視線が来るとは思わなかった。
あれね。多少はわたしにも責任があるし、何とかフォローしましょう。
「聖女様は中々に派手な服が好きだと聞いていたのですが、ドレスは随分と落ち着いたものを着ているようですね?」
当たり前だけど、知り合いもいなく立ち往生していた私たちに声を掛けてくれたのはヴェナー卿だった。
流石に殿方たちは遠巻きに見るだけで、声をかけるほどの度胸は持ち合わせていなかったらしい。
私たちとしては好都合だからいいのだけどもね。
「ヴェナー卿、それは誤解よ。
本当は聖女、聖女と言われて目立つのも嫌なの」
「これは失礼したサイカ殿。では、そのドレスも?」
「ええ、私の従者が気を使って私好みに落ち着いたものを用意してくれたわ」
「よい従者をお抱えのようですね」
その通りと自慢したいところだけども、社交辞令だろうし、美辞麗句に流されてあげるほど私もお気楽じゃない。
アビスから聞いた話では、貴族はどれだけ優秀な者を従者にしているかと競いたがる傾向にあるようだけど、生憎と私は貴族ではないし、従者の優秀さは主である私だけが知っていればいいものと思ってるから、別に個別で自慢する気は欠片もない。
「貴方たちは今日の主賓です。招待客には失礼がないよう言い聞かせていますが、何かあれば遠慮なく言ってください。
奥の方には立食も用意しています。ウチの自慢の料理人たちが腕によりを掛けて作り上げた立食です。
一口でも構いませんので、口をつけてやって下さい」
「あら、それは楽しみね。
食文化は一番違いを実感しやすい文化だもの、貿易都市ならではの料理、しっかりと堪能させてもらうわ」
そう言うと、ヴェナー卿は嬉しそうに微笑み他の招待客に挨拶へ向かっていった。
私たちも特にすることがないからと、来斗や鎮を探しつつ料理を取りに向かう。
途中、あからさまに恵子ちゃん目当てな輩が何人かいたから、視線で威圧しつつ迎撃。それでも折れない面倒な敵は、魔力を込めた威圧で制圧した。
もちろん、枷は一切外してないから、気絶しかける人はいたものの、致命傷は与えてないはず。
そんなことを繰り返しながら暫く歩いて行くと、「鉄壁すぎる」「少し声を掛けたいだけなのに……」と小声が聞こえる。
どうせ挨拶したいだけとか言って、恵子ちゃんが頭を下げて挨拶しないといけない状況を作り出して、至近距離で立派な谷間を記憶に留めておこうとか考えているに違いない。
あと、「流石、噂に聞く脳筋聖女だ」とか言った人、顔覚えたからね?
「私、日本でこんな凄い料理食べたことない……」
ようやく辿り着いた机に並んでいたのは、中々に豪勢に盛られた料理たち。
どれも出来立てなのか湯気が出ていて、とても美味しそうだ。
視線攻撃にへばり始めていた恵子ちゃんは、更なる衝撃に精神ダメージを負ってしまったみたい。
まぁ、でもこんなの普通に食べてればいいのよ。どうせ、立食だし、私たちの世界の作法を知る人なんかそうそういないんだから。
流石、貿易都市と言うべきか、机によって食事の傾向が違い、食べ飽きることはない。
小皿に少しずつ盛りながら、恵子ちゃんと端の方で食べた。
恵子ちゃんに柱を背にして立たせて、私が前に立って食べれば、あんまり目立たないしね。
それでも熱心な視線を向けてくる面子は威圧を掛けたり、通りがかりのウェイターに言ってヴェナー卿の従者たちにお灸を据えて貰った。
「ごめんね、サイちゃん」
「なんか、謝られると複雑な気分になるわね。
正直、そこまで見事だと張り合う気にもならないわ」
「大きくても邪魔になるだけだよ?
私、身長も低いから変に目立つし」
私も別に小さい訳ではないから、そう言いたい気持ちも分からなくもない。
ただ、世の中、ロリが好きでも、ロリペタ派とロリ巨乳派があると考えれば、恵子ちゃんはロリ巨乳派の理想とも言えるんじゃないかと思う。
まぁ、私はそっち方面詳しい訳じゃないし、詳細は分からないけども……
そんなやりとりをしながら幾つかのテーブルを回ると、一つ大きな集団が見えてきた。
よく見ると中心に来斗と鎮がいる。
相手はそこそこ高貴な家族のご令嬢さんかしら?
中々の綺麗所が揃っている。
二人とも見た目が良いから言い寄られているだけなんでしょうけど、少し離れたところでおじ様方が何人か待機してるところから見るに、何人かは勇者ないしは勇者の相棒だと思われる人の妻に娘をとか考えているのかもしれない。
実際、十五歳で成人するのだから、二十歳の来斗が狙われるのは何も不思議ではない――って、それは最年少の恵子ちゃんも一緒か。
「あ! 才華さんようやく来てくれた‼︎」
「遅いぞ相澤」
前のテラスの様に鎮に発見され、来斗も気が付いた。
わざとらしく大声を上げたのは私を理由に、ご令嬢たちの猛攻を終わらせたかったのでしょうけど、お陰で私に嫉妬の視線が向けられているんだけど?
視線の量から分析するに結構、本気で言い寄っていたのは半数以上。
二人とも異世界でもその容姿でモテモテみたい。
集合したことだし、これ以上野次馬に絡まれるのは面倒ね。
そう考えた私は行動を起こした。
「ごめんなさいね。恵子ちゃんと料理を取りに行ってたの。
この料理なんて、結構美味しいわよ?」
そう言って皿に乗った料理をフォークで取った後、来斗の口元へと伸ばす。
私の考えを感じ取った来斗は顔色一つ変えずに平然と口に料理を含んだ。
「確かに上手いな」
美味しいのは当然なのだけど、折角「あ~ん」ってしてあげたんだから、もう少し恥ずかしがってくれても良いんじゃないかしら?
来斗は察しがいいのはいいけども、どうにも女慣れしてて面白くない。
鎮が横で「見習わないとなぁ……」って小声で言ってるけども、絶対にやめて欲しい。
お願いだから鎮はそのままでいて……
これで、ある程度の人は追い払えただろうと思ったところで、ルカがストールを片手に戻ってきた。
それを受け取った私は、恵子ちゃんの胸元が隠れるようにうまい具合に結ぶ。
準備は万端。他の料理も食べようとしたところで、別の声を掛けられた。
「こんにちは聖女様」
声のする方を見ると、フィーラス殿下と同じくらいの年齢の人が飾緒の付いた衣装に身を包み立っていた。
皆さん、こんにちは。初仁です。
時間かかった上に文量が何時も通りです。
流石に三連勤喰らうと書く時間がないですね(汗)
「近代魔術のレッツェルシーカー」も中々設定がごちゃごちゃし始めましたが、頑張って書いてます。
まだ読んだことのない方は下のリンクより是非、よろしくおねがいします。
この作品は書籍化している訳でもなければ、YouTubeの様に読者の性別比率を見れる訳ではないので、男性読者と女性読者どっちが多いのか分かりませんが、元々分かっていたこととは言え、恵子ちゃんをロリ巨乳と表現してしまって良かったのかと思わなくもない今日この頃。
読者次第なところはありますが、ラノベのイラストレーターが女性が多いイメージがあるのと、巨乳キャラが多いこと考えると大丈夫だと信じたいところ。
別にそういう系の話になるわけではないので、今後も気軽に読んでもらえればと思います。
ロリに抵抗がある方は電撃文庫で書籍を出している蒼山サグ先生のアニメ化作品「ロウきゅーぶ!」「天使の3P!」を読んでみてください。
きっと小学生が大好きに――。
次回は、新キャラ出てきます。
タグに逆ハーレムって入れてるのに、何だかんだで女の子多いよね。
そろそろ、男の子増やしていきたいところ。
では、また次回。




