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才女の異世界開拓記(なろう版)  作者: 初仁岬
見習い侍女とポンコツ聖職者
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第43話 見習い侍女とポンコツ聖職者

おかげさまで累計2万PV突破です! 本当にありがとうございます!!

引き続き、ブックマーク登録と評価の方よろしくおねがいします。


今回、少し短いです(汗)

 そんなこんなで遂に聖女様に招集されました。

 まだ旅に出るということはないはずなのですが、いきなり「こんにちは」より被召喚組に慣れておいた方がいいでしょう?ということらしいです。


「え、えっと……教会で治癒魔法師をやっているエル・グラビです! よ、よろしくおねがいします!!」


 私の前には聖女様ことアイザワ・サイカ様、弓が得意と噂のシマネ・ケイコ様、勇者ことサワイリ・クルト様、勇者補佐を務めるユウギリ・マモル様が椅子に座ってお茶をしながら見ています。

 一体、何処で道を間違えたのでしょう?

 私ののんびり治癒ライフは、いつの間にかお腹がキリキリ痛む緊張の連続に見舞われているのですが!?

 あれです。アル司祭が私みたいなのを聖女様に遣わすから……


「と、ところで聖女様? わ、私はこれからどうしたら良いのでしょう?」


 自分で言っていて泣けてきますが、診療所を開いている根っからの治癒魔法師であること以外に取り柄がないので、正直、誰も怪我をしていないこの部屋で私に出来ることはないと思うのですが……

 と思ったら、おもむろにルカさんに連れ出されました。


「改めまして、サイカ様の専属侍女、ルカ・ルーザと申します。

 よろしくおねがいします」


「こ、こちらこそよろしくおねがいします!」


 あの怖いルカさんが挨拶をしてくれました!

 とはいえ、相変わらずジーっと見られていて少し怖いです……

 しかも、小言で「これは鍛えがいがありそうですね」とか呟いています。

 私、何をされてしまうのでしょう?


「さて、今回の遠征に同行されると言うことですが……」


「は、はい! 聖女様から指名されまして――


「サイカ様」


「へ?」


「へ?じゃありませんよ。これから各国の要人方とお会いするのですから。

 サイカ様は聖女と呼ばれるのを嫌ってらっしゃいますから、同行する以上はサイカ様と呼ぶようにしてください」


 な、なるほど、普段から睨まれていたのはこれが原因だったんですね!

 確かに思い返してみると、サイカ様を聖女様と呼ぶ時に睨まれていたような……

 とはいえ、原因さえ分かってしまえばこっちのもんです!

 

「分かりました! では、勇者様もクルト様と呼んだ方がいいのでしょうか?」


「特に御本人から何か言われた訳ではありませんが、サイカ様に合わせて名前でお呼びするのがいいかと」


 それもそうですね。

 聖女様を名前で呼んでるのに、勇者様だけ勇者様と呼ぶのも変な話です。


「それで、私はここで何をしたらいいのでしょうか?」


「侍女見習いの私が言うのも何ですが、見習い侍女として猛特訓します」


「……」


「返事は?」


「は、はいぃぃ!」


 怖い! 

 それよりも――これから侍女にならないといけないんですか? 私、聖職者な治癒魔法師なんですけど……

 顔に出ていたのかルカさんが理由を説明してくれた。

 侍女にならないといけないというよりも、注意力を鍛えろということらしいです。

 確かに侍女は色々なことに気を回して注意をしながら仕事をしないといけませんから、注意力を鍛えるという意味では非常にいい特訓になるかもしれません。

 サイカ様曰く、自己回復なんて妙技に頼ってるから鈍くさいに違いないとのこと。

 せっかくの機会だから、侍女特訓を通して鈍くささを治しなさいと言伝されました。

 まぁ、確かに診療所で治癒魔法を使うだけなら別に治す必要もないと思うのですが、魔族との戦争が始まれば治癒魔法師の私は前線に駆り出されるでしょうし、鈍くさいままだと逆に迷惑を掛けてしまいますからね。治しておくことに越したことはないかもしれません。


 † † †


 殿下から他国に訪問して欲しいと言われてから既に数日がたった。

 私の周りでの進展と言えば、エルがルカの下で猛特訓を始めたくらいかしら?

 相変わらずアワアワしている気はするけども、私や他の被召喚組相手に緊張することはなくなってきていて、順調にパーティメンバーとして順応してきているみたいね。

 ルカも後輩が出来て嬉しいのか、人に教えるのが慣れていないのか普段ではあり得ないほどに怒声が飛んでいる。

 主の前でそれはないだろうと来斗は言っていたけども、見ていて私が面白いから特に注意することなく続行させている。

 さしづめ、見習い侍女とポンコツ聖職者といった感じかしら?

 何が良いかって?

 ルカはしっかり者だから皆忘れているかも知れないけど、まだ成人成り立ての十五歳であるのに対し、エルは私の一つ下の十七歳。つまり、恵子ちゃんと同い年というわけだ。

 事情を知らない人が『どっちが年上でしょうか?』と聞かれたら間違いなくルカと答えるんじゃないかしら?

 そのギャップがいい。

 それともう一つの進展と言えば――


「ほら、おやつの時間だ」


 アビスも入り浸るようになったことかしら?

 同行することが決まってからというものの、今までアビスの片していた書類をマイアちゃんが処理するようになり、アビスは補助をするくらいで逆に暇になってしまったらしい。

 最初こそ、マイアちゃんの手伝いをしていたようだけど、最近は慣れてきたのか「私に構ってる暇があったらお姉様の方に行ってください!」と言って聞かないらしい。

 アビスが「反抗期だろうか?」とか言ってたけど、あのブラコンちゃんがアビスに対して反抗期になることだけはないと思う。

 なので、最近はマイアちゃん用に甘いデザートなんかをアビスと部屋で作ったりしている。

 ケーキのバリエーションも増えて、最近では王宮御用達の洋菓子店にレシピを卸したりもした。

 ただ、ケーキの名前の横に一々『聖女様の新作!』と書くのはやめて欲しい。

 そう書くと貴族様方が飛びつくように買って、かなり売れるもんだから続けているんでしょうけど、なんかうまい具合に利用されているみたいで気に入らない。

 これで、現状のパーティメンバーは私、恵子ちゃん、来斗、鎮の被召喚組とルカ、エル、アビスの三人だ。

 ここに、騎士団を一つ護衛として付けるって話だけども、殿下からはまだそれらしい話を貰っていない。

 とりあえず、無駄に畏まってくるようなベテラン騎士たちでなければいいかなとは思っている。

 それと、もう一つ進展があった。

 焼きあがったケーキを持って皆のいるリビングへ移動すると素敵な音色が聞こえてくる。

 恵子ちゃんがこの国の笛を習っているのだ。

 見た目は篠笛(しのぶえ)っぽいのだけど、どうやら指使いとかは違うみたいなのよね。

 音もどちらかと言えばフルートっぽい感じだ。

 恵子ちゃんが笛を習っているのには理由がある。

 弓魔攻師としての腕は既に十分だと師匠の方も判断しているらしく、基礎的なことをミナカタ先生から習い終わった恵子ちゃんが暇をしていたから今後のためにと私が練習するように言ったのだ。

 今後のためにというのは、恵子ちゃんには所謂、吟遊詩人を目指して貰おうと思ってたのよね。

 勿論、ただ歌う人じゃなくて、ゲームみたいな支援という意味でね。

 あとは、私の研究次第と言ったところかしら?

 何にしても、順調に準備は進んでいる。

 私としては早く外の世界を見てみたいのだけど、殿下が何か用意しているみたいなのよね。

 その準備が終わるまでは残念ながら出発できそうにない。

 果たして、殿下は一体何を用意してくれるつもりなのかしらね?

 今から楽しみだわ。

皆さん、こんにちは。初仁です。

就活が難航している初仁です。

そろそろ、真面目にヤバいです……

さて、後半で才華に視点が移ったことからお察しの通り「見習い侍女とポンコツ聖職者」はこれにて完結。

次回からは新しい章が始まります。

と言っても、暫くはカルディア国内の話になりますがね(汗)

何せ、他国に行くには海を渡らないといけませんから。


ところで、篠笛って皆さん触ったことありますでしょうか?

私は中学生の時に音楽の授業で少しやったんですよねぇ……

フルートとかやったことある人は分かると思うんですが、音が中々出ないし酸欠みたいにクラクラするしという感じで大変でした。

ただ、吟遊詩人ってFF14のせいで弓ってイメージが強いのですが、そこまで考えて恵子ちゃんに弓を持たせたわけではないんですよね。

気が付いたら、音楽得意という設定と弓を使うという設定が合わさったという……

ナイス行き当たりばったり。


というわけで、また次回。

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☆連載作品紹介☆ ※新規タブで開きます

「才女の異世界開拓記(カクヨム版)」
この作品の加筆修正版を投稿しています。
なろう版が読みにくいと感じている方は、カクヨム版をご検討下さい。

「近代魔術のレッツェルシーカー」
ツギクルAI作品分析にてSF+ファンタジー33%を獲得。
中々の自信作ですので、お時間ある方は是非、一読頂ければ幸いです。

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好き勝手やれるので、気が向いた時にチマチマ書いてます。


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