第31話 才女、先生の正体を知る
累計10000PV突破!
8月中には達成できませんでしたが、朝から何故か滅茶苦茶PV伸びまして達成に至りました。
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また、先日より新作「二度目の人生は平穏に過ごしたい!」を書き始めました。
気まぐれ投稿ですが、お時間ある方は是非御覧ください。
作品アドレスはこちら↓
https://ncode.syosetu.com/n9858ey/
アウスナと呼ばれた魔族の男が王宮の方へと去った。
声のする方向を見れば見慣れない服を着た先生が立っていた。
「どういうことですか先生?」
「そう警戒しないで下さい。今回の一件は国王陛下もご存知です」
「では、魔物が侵攻してきたのも?」
「いえ、アレは今回の一件に利用させて貰っただけで、我々とは無関係です」
今回の一件はド派手な戦闘になっているにも関わらず、国王陛下も知っているらしい。
普段の仕返しかしら?
お礼を考えておかないと……
「まず初めに改めて私の自己紹介をしましょう。
私は武神の一人、魔法師ミナカタと言います。よろしくおねがいしますね」
「相当腕の立つ人なんだろうなぁとは思ってたけど、まさか武神だったとは……
つまり、ミカヅチに会う前に武神とは会っていた訳ね」
「ミカヅチ?」
そう言えば、あのときは私一人だったわね。
三人に武神とこないだあったミカヅチについて説明する。
「なんと言うか、俺らの訓練中に色々と経験しすぎじゃないか?」
「それだけ才華さんがアクティブだって言うのもあると思うけどね」
そんな人をおてんば娘みたいに……
「まぁ、そういう訳で私もこの国の防衛を担う人間の一人と言うわけですね。
彼は先の大戦で捕虜になった後、魔物の研究成果を開示することで釈放され、現在はカルディア王国の研究員として活動しています」
「今回のも研究の一環と?」
「そうですね。魔族も全てが敵対していると言うわけではありません。
カルディア王国は極力戦闘を避けることを是としていますから、彼以外にも多くの魔族を受け入れています。
スパイかどうかも彼が一貫して管理していますから、こちらの情報が向こうに流れていることもないかと思います」
「それであの災害級の魔物は?」
「完全に彼の制御下にありましたから万が一ということもありません。
彼に姿を現してもらったのも、魔族がどういう種族かを知って頂くためです」
確かに想像していたよりも怖い存在だったわね……
それに魔力も私たちのとは違う異質なもののように感じた。
しかし、今、気になるのは研究の方だ。
「彼は魔物の制御を奪い取る研究をしていまして、今回は野良の魔物の侵攻と分かりましたので試しに制御してみたという訳ですね」
「それなら災害級の魔物は必要なかったんじゃないの?」
「魔物の制御はサイカさんが感覚的に精霊と会話をするように、魔族も感覚的に指示しているだけなんだそうです。
相手の制御を奪うためにはこのメカニズムをしっかりと解析する必要があります。
今回、災害級の人造魔物に魔物たちを制御させたのは、制御のメカニズムを確認するためでした。
ついでに、サイカさんの奇天烈な魔法が見れればいいなぁというこちらの都合もありましたが……」
何れにしても、私たちは一杯食わされたということね。
少し気に食わない。
「そう言えば、魔術って本当に魔族しか使えないのかしら?」
「さぁ、どうでしょうね。彼も言っていた魔術を処理する魔術回路という器官は確かに魔族しか持ち合わせていないようです。
しかし、処理だけであれば人間でも出来るのではないかという見解もあります。
もっとも、それらを研究している研究者たちは酷いと脳の負荷に耐えられず廃人になっているそうですので、サイカさんも無闇に試そうとしないでくださいね」
確か、魔族でも使いすぎると死に至るって言ってたわね。
魔族が使うだけあって中々に狂気じみているのかも知れない。
ただ、使わずとも研究くらいはしてみても良いかもとは思った。
例の飛行魔法とかに役立つかも知れないし、場合によっては魔導具みたいに処理を代行できる物を作れば使えるということだものね。
「何れにしても、魔族とあった場合であっても対処は間違っていませんでしたし、今回は満足のいく結果がお互いに得られました。
帰ってゆっくり休んで下さい。彼の紹介も後日ちゃんとしますので」
† † †
「――って、ことがあったのよ」
翌日。どこかで聞いたフレーズで始まった私の愚痴を今日も食堂で吐き出した。
トト母は教会主催の炊き出しに出てしまったらしく、今は客席でぐったりしながら、同じくぐったりしてるトト顧問と留守を任され店主にしか見えないアビスに愚痴る。
今日は召喚組勢揃いでお邪魔している。
「なぁ、こないだも言ったが、少しは自重するということを覚えたらどうだ?」
「うっ……それを言われると辛いわね」
確かに最近は勢い任せに色々とやらかしてるんじゃないかと自覚はしている。
でも、そうせざるを得なかった訳だし、仕方ないわよね?
「こんにちは」
お茶をしている所に入ってきたのはマイアちゃんだ。
今日も泥棒猫と言われるのだろうか……
マイアちゃんはゆっくりと近づいてくる。
そして――
「お姉様と呼ばせて下さい!」
「?」
「こないだの一件で私が間違っていたと痛感しました!
お姉様ほどの方が相手であればお兄様が気にかけるのも当然です。
是非、工場にも遊びに来て下さい」
そう言って、調味料を置いていく。
味噌、醤油を始め、胡麻ドレッシングやポン酢にめんつゆまである。
日本の調味料を再現しているのは知っていたけども、一体どこでこんなに似せられるような食材を探してくるのやら……
「基本的には掛け合わせが多かったって聞いてますよ。
お姉様の口に合えば良いのですが……」
「合うも何も、これは私たちのいた世界の調味料そのものよ。
むしろ、安心できる味ね」
「確かに、材料が違うとは思えない再現度だな」
「こっちの世界でもお味噌汁が食べられるんだね」
鎮は味噌汁が食べれなかったことに不満があったらしい。
確かに私も味噌汁が少し恋しくなってきた。
「この世界にキノコとか、海藻はあるのかしら?」
「マイタケとワカメでしたらありますよ?
乾燥したもので良ければ工場に在庫があるので、後で王宮に届けさせますが……」
「そう? 折角だからお願いしようかしら。
ああ、でも王宮は遠いから明日、ここに持ってきてくれる?」
「ここにですか?」
「うん、お願い。三人も来れるでしょ?」
振り向いて確認すると、三人とも時間は取れそうだ。
「なら決まりね。明日はお味噌汁を作るわよ!」
「そう言えば、味噌汁のレシピは俺も知らなかったな。
手伝わせて貰ってもいいか?」
「アビスは医者なのにそれ以上、料理が上手になってどうするのかしら?」
「どうもしない」
本当にこの店を継いじゃうんじゃないかしら?
私の質問に三人とトト顧問は呆れ気味。マイアちゃんは何やら思案している。
あれ? 私、変なこと言った?
「出汁も必要だな。幾つか用意しておく」
「そう言えばそうね……。
基本的な物しか知らないから変わり種な出汁も用意してもらえると助かるわ。
折角人数もいるし、どの組み合わせが一番美味しいか色々試すのも楽しそうだものね」
というわけで、明日はここで大試食会が開かれることになった。
「そうだ、マイアちゃん。
工場の皆も連れていらっしゃいな」
「良いんですか?」
「さっきも言ったけど色々試したいし、工場の人たちも食べてる内に新しい味噌を作ろうとか思うかも知れないじゃない」
「確かにいい刺激にはなるかも知れません。
分かりました。明日のお昼に全員連れてきます」
「なら、炊き出し用の机とか借りて外に用意するか」
どうやら、一つ大きなお祭り騒ぎになりそうだけど、まぁ、昨日の鬱憤晴らしと思えば問題ないでしょう。
それから、私とクレスト兄妹の三人で細かな予定を立てる。
特に宣伝していないにも関わらず、その噂が街中に流れていることを今の私たちは知る由もない。
皆さん、こんにちは。初仁です。
昨日、実は8月最後ということもあって、おまけを書いて投稿しておいたんですが、読んで頂けたでしょうか?
また、それもあってと言うわけではありませんが、今回少し短めです。
ぶっちゃけた話、私の行き当たりばったりな書き方のせいもあるのですが、実は先生が武神だった!という設定は昨日のおまけを書いてる最中に思いつきました。
あえて、誰かは書きませんでしたが、話し方から気付いた方もいるやもしれません。
私自身、彼らが今後どんな物語を展開していくのかよく分かってない(終わり方はある程度、決めましたけどね――先週くらいに)ので、書いている私自身も楽しみです。
さて、そろそろ新人賞書かないとMFの新人賞があと30日で締め切りと昨日のTweetで上がってたので、本腰入れて書きます。
現在書いている三作品(改稿一作、新作二作)どれも20ページ(書式をオリジナルにイジっているので、100ページ書けばMF書式150ページ以内にギリ収まる)は書いているので、最悪、一作品だけでも書き上げたいですね。
改稿のではなく完全新作の。
というより、改稿しているやつ、もう一作と一部世界観共有してるのでセットで読まないとよくわかんないかも疑惑(というより、そこ前回指摘されました(汗))。
卒業課題も就活もボロボロなんで色々と本腰入れて頑張んないと……
結局、ゲームとこっちが忙しくてYouTube放置、やろうと思ってた楽典の勉強もまるでやれてないですからね……
全部が全部中途半端にならないよう頑張ります。
では、次は二日空いて火曜日の16時更新です。
また次回。




