第17話 才女、暴れる
レインボーシックスにハマりました。
カクヨムの更新が出来てません……
目の前には大きな水柱が建った。
「ちょっと、これはヤバいんじゃない?」
思わずそう口にしちゃったけど、イルカなんて可愛いレベルじゃない。
クジラみたいな巨体が水面を跳ねた。
しかも、体を横にしながら落ちていく。何のために跳ねたのかしら?
「お二人共お下がりください。ここでは水に飲まれてしまいます!」
確かにその通りだけども逃げる余裕はなさそう。
これは、ようやく勉強の成果を見せる場面かしら?
鎮や来斗は剣術とか習ってたみたいだけど、私だって食い意地張って料理ばかりしていた訳じゃない。
「地精霊よ! 我が魔力を喰らいて壁を成せ!!」
そう言うと同時に私は右足で地面を踏み鳴らす。
すると、前方数メートルの所で巨大な土の壁が出来上がった。
間一髪の所で壁の構築は間に合い、怪魚の不可思議な行動で生み出された波を受け止める。
もし、背を向けて逃げていたら間違いなく流されてたわね……
「サイカ様、今のは?」
ルカは余程驚いたのか、私の腕にしがみつきながら、おずおずと尋ねてくる。
「何って?ただの精霊魔法よ?」
「サイカ殿。精霊魔法とて万能ではありません。
一人で発動した程度ではこれ程立派な壁を造り上げることなど到底不可能です」
「それは言霊のせいじゃないかしら?」
「コトダマ……ですか?」
この世界には言霊という概念はないみたい。
「人の発する言葉には力があるのよ。生まれた時から全ての人間が扱える素敵な魔法。それが、言霊。
例えば、王様が貴方達にここ周辺の魔物を殲滅しろって言ったら、国のために全力でやるでしょ?
それは、王様の発言にそれだけの力があるからよ。信頼もなければ信用も出来ない王様が喚いたところで誰も動かないわ」
「なるほど、確かに今代の国王陛下は善政をしていると国民からの人気も非常に高い方です。
かという私も軍に採用されて以降、国王陛下に何の疑いもなく忠誠を誓っておりますので」
「精霊は賢いから念じれば助けてくれるわ。でも、それ以上に言葉を求めているのよ」
だから、言葉を発する。
内容は何でも良いとは思うんだけど、ちょっと詠唱っぽくなってしまったのは、中二心が燻ったからという事で理解して欲しい。
日本にいた時の私って自分で言うのもなんだけど、真面目ちゃんキャラで通ってたからこういうの一度はやってみたかったのよね。
この世界だったらちゃんと魔法として発現するわけだし、あんまり恥ずかしいとは思わないわね。
むしろ、精霊と心を通わせているみたいで楽しいかも。
「皆さん、大丈夫でしたか?」
慌てた様子で水面から上がって来たのは、大隊長のティシャだ。
流石にあれほどの大物がいるとは予想していなかったようで、私たちに危害が及ばなかったのか確認しに来たみたい。
「まぁ、何とかなったわ」
「この壁は?」
「サイカ殿が魔法で構築したものです。おかげで私たちも助かりました」
守ると言っていた相手に守られたという事実にティシャは少し動揺したみたいだけど、そこは流石、大隊長。すぐに切り替えて怪魚の討伐に動き出した。
「相当、大きい相手だけど勝算はあるの?」
「さぁ、どうでしょうね……。この規模の魔物はあまりお目にかかれませんから――」
そんな当たりをいきなり引いてしまったのね……
ついてるんだか、ついてないんだか。
「国防軍が動けば多少の被害は出たとしても、特に問題なく処理できるレベルなのですが、今回は訓練を受けたエリート揃いとは言え新人ですからね。
どこまで被害を抑えられるかは分かりません。
彼らも小規模の魔物を討伐する実戦経験は積んでいますが、大型は一度だけ軍の補助付きで行ったきりです」
だとすれば、ここでうかうかしていられないわ。
個人的には見学していきたいんだけども、彼らのことを考えたら引いてあげるのが一番だもの……
敗因が私がここに居て気になったから――なんてなったら笑えないものね。
「ところで、私は見学していっていいのかしら?」
本当に何を言ってるのやら……
でも、好奇心に勝てなかったのだから仕方ないわよね?
「駄目と言っても聞いていただけそうにありませんね……。
では、天馬で上から周りを警戒しつつ見ていただくということでよろしいですか?
勿論、我々に万が一のことが起きれば、そこの二名と共に城へ応援を要請してください」
折衷案としては悪くないわ。
他の魔法を試せないのは残念だけど、それで命を落としてしまっては元も子もないもの。
「さぁ、またお願いね」
来た時に乗せてもらった私専用の天馬に乗って、ルカと二人で空に舞う。
他の二人も一緒に飛んできて、空には三つの影が出来る。
上に着くと同時に動きがあった。
水中では分が悪いのは分かりきっているから、全員が陸に上がっていた。
服も既に来ている。
さっきまで濡れてたのに着替えるのが早い……
精霊魔法で体を乾かしてから着たんでしょうね。よく訓練されてるみたい。
次に二人がかりで大きな筒状の物を何組かが持ち始めた。
「アレは何?」
「アレは最近導入された魔導砲ですね」
「魔導?」
「ええ、疑似精霊と呼ばれる特殊な触媒を使って発動する物でして、非人道的な言い方をするなら使い捨て精霊みたいな感じです」
あ、一瞬周りがざわついた。
そりゃあ、使い捨てなんて言われたら怒るわよね。
でも、非人道的な言い方をするならって前置きはあったし、許してあげて欲しい。
「でも疑似精霊とは言っても立派な命なんじゃないの?」
「疑似精霊は精霊並みの力を秘めている触媒であって、命があるわけではないんです。
元々は、本当に精霊を使おうとした馬鹿な科学者がいたそうで、王家から制裁を与えられた研究だったんです。
ただ、彼の理論の主軸となる精霊の力というのは非常に有用なエネルギーとなることが分かったため、精霊の力と同等の物を作れないかと新たに研究されたのがこの疑似精霊なんです。
もっとも、触媒の生成には精霊たちの加護が必要不可欠なので、精霊の協力あってのものではありますが……」
「どうやって使うのかしら?」
「中に疑似精霊が詰められていまして、魔力を流し込むことで魔力を一時的に蓄積し、一気に開放する時のエネルギーを使って鉄の塊を撃ち出すんです」
あ、ほんとだ。魔力が集まり始めてる。
「筒の真ん中より少し後ろくらいに魔力が溜まるのね」
「よく分かりますね」
「私には精霊の目っていうのがあるらしいからね。何となく感覚的に分かるものなのよ」
自分で言っててなんだけども、つくづくチートな能力よね。
まぁその分、目が疲れるという欠点もあるんだけど……
ある程度の魔力が溜まったところで、筒を持っていない数人が陽動をかける。
風精霊の力を借りて音を出してるみたい。
モ◯ハンの音爆弾の代わりのような感じ――その流れだと相手はガノト◯スってことになるんだけど……
「そろそろ来ます!」
そう言った兵の持っているのは双眼鏡みたいな形状のもの。
これは、私の精霊の目みたいに魔力の塊とかを認識するためのものらしい。
私の精霊の目ほどの能力はないみたいだけどね。
双眼鏡を持った兵の言った通り、怪魚が水面に浮上してきた。
その瞬間を逃すまいと四つの魔導砲が発射される。
先ほどよりも大きな轟音と水柱が出来上がる。
上から見ていた感じでは直撃していたように見える。
「やったのかしら?」
「直撃はしているように見えましたが、水で威力が減衰しているようにも見えました。
流石に今ので討伐出来たようには見えませんね」
やはり、正規の軍人から見てもそう見えたらしい。
私も大体、同じ意見だ。
ダメージ的には表面の皮を抉ったくらいではないだろうか?
致命傷とまではいかないけど弱点ができた訳だから、そこを重点的に攻撃すれば十分に倒せるはず。
「まだ、弾数はあるの?」
「いえ、まだ実戦配備出来るほどの完成度ではなく、あれらの魔導砲も使い捨てです」
持ってきた魔導砲は使い切ってしまったようだ。
「陸であれば近接で攻撃するのですが、警戒した魔物が陸に上がってくるとは考えにくいですし、水中に潜られている状態では我々に攻撃手段はありません」
「なら、試したい事があるから全員を陸に上げてくれないかしら? あと、絶対に水に近づいちゃだめよ?」
「? 何をするつもりなんですか?」
「立て篭もりを決め込もうって言うならまとめて攻撃すればいいじゃない?」
「いえ、それが出来たら苦労しませんよ?」
「多分、出来ると思うから下げて頂戴」
全員が下がったところで、精霊魔法を発動する。
手伝ってもらうのは水精霊と風精霊。
気圧操作や水蒸気の操作を行い、怪魚の潜っている水の上に雲を発生させる。
そして、中の粒子を操作しエネルギーを蓄積させ一気に解放する。
直後、大きな雷が水目掛けて落ちた。
精霊魔法によって人為的に起こされた天災だ。
轟音と共に先程とは比べものにならないくらいの水柱が立つ。
幸い、ダムの方にはダメージが出なかったようで、決壊したりといったことはない。
しばらくして全く動かなくなった怪魚がプカプカと浮いてきた。
「やったんですか?」
「ええ、どうやらそのようです」
ルカの質問に女兵士が答える。
この程度で倒せるかは自信がなかったけど、どうやら無事に倒せたらしい。
「所詮、魔物も生き物。天災には勝てないってことね?」
これだけの災害を人為的に起こしておきながら、一体どの口がそれを言うかと言われればその通りなんだけど、取り敢えず何事もなく片付いたのは素直に良かったと思うことにする。
皆さん、こんにちは。初仁です。
最近、急に暑くなりましたね。熱中症は大丈夫でしょうか?
自分は結構危ない日もありました。家に一つポカリがあると安心ですね。
今回から、また少し書き方が変わりました。
そうです。会話文に改行を取り入れました。
普通であれば、そこまで長い会話文を入れないように書くのでしょうけども、分かりやすい例で言えば「魔法科高校の劣等生」の初期の頃はやはり、設定の細かさから主人公の会話文が長くなる傾向にあり、改行が良く入っていたように記憶しています。
さらに最近、「幼女さまとゼロ級守護者さま」というGA文庫ですかぢ先生&狗神煌先生コンビが書いているライトノベルがあるのですが(狗神煌先生は「生徒会の一存」などでお馴染みですので、誰でも分かるかと思いますが、すかぢ先生は所謂、美少女ゲームなどと呼ばれるエッチなゲームのシナリオ書いたりしてる人なんで知らない人は知らないかもしれません。もっとも、狗神煌先生はそのすかぢ先生のいるゲームブランドの出身だったような気がしますが……)、すかぢ先生は普通に会話文で改行してました。
あと、個人的にかなり抵抗があるんですが、ライトノベル形式で書いた時に一ページ丸々、全部の行で一マス空いてる状態で書くのもやはり普通なのかと最近読んだMFのライトノベルで思い知らされました。
今までのところを修正し直すことはしませんが、カクヨム版には取り入れて修正をかけていきたいですね……
では、また来週。




