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第24話 敗北の代償と次なる旅

王都の精鋭部隊を退けてから数日。辺境都市ランカは、何事もなかったかのように活気ある日常を取り戻していた。


ギルドの執務室に呼ばれた俺たちは、メリルから今後の状況について説明を受けていた。


「王都に潜り込ませている身内からの報告だと、第一魔導騎士団は道中で魔物に襲撃されて撤退した、という虚偽の報告を上に上げたらしい。エリートのプライドってやつだろうね」


メリルが呆れたようにため息をつく。


「つまり、当分は国からの追手は来ないってことですね」

テオが確認すると、メリルは頷いた。


「ああ。だが、王都の中枢に食い込んでいる魔族の調査は完全に暗礁に乗り上げている。ダミー商会の繋がりも、貴族たちの不審な動きも、何重にも偽装されていて尻尾が掴めない。この闇を暴くには、数ヶ月、いや年単位の時間がかかるかもしれない」


「構わない。俺たちは辺境で力をつけながら待つだけだ」

俺が平然と答えると、メリルは苦笑した。


「頼もしいね。調査はギルドの暗部に任せて、お前たちは自由に冒険してきな。この街に縛り付ける気はないからね」


その頃、王都の巨大な屋敷の一室で、ガルスは一人、暗闇の中で震えていた。

辺境での屈辱的な敗北。魔法を持たない無能な弟に、自分のすべてを否定された記憶が、彼の精神を確実に蝕んでいた。


「認めない……あんなゴミに、私が敗北するなど……!」


ガルスは血走った目で、厳重に封印された隠し金庫を開けた。

そこには、かつて騎士団が押収した、歴史の闇に葬られたはずの禁忌の魔導書が眠っている。表紙には、禍々しい角を持った悪魔の姿が描かれていた。


「魔法の頂点を極めるためなら、私は……」


暗い欲望に呑み込まれていくガルスの背後で、魔導書が微かに、しかし確かな鼓動を打ち始めていた。


一方、辺境のギルドでは、俺たちが掲示板の前で次なる依頼を探していた。

アマルという万能の移動手段を手に入れた今、行動範囲は辺境を越えてどこまでも広がっている。


「ねえ、ルシアくん、テオくん。これなんてどうかな」


ステラが一枚の依頼書を指差した。


「北の雪原地帯に出没する、希少な魔物の捕獲依頼。討伐じゃなくて捕獲だから、命の危険は少なそうだよ。それに、この時期の北の雪原では、夜空に光のカーテンがかかるすごく綺麗な現象が見られるんだって」


「オーロラ、というやつだな。確かに悪くない。アマルの寒冷地テストも兼ねて、少し遠出してみるか」

「賛成! 希少な魔物なら、面白い素材を落とすかもしれないしね」


強敵との死闘の後は、少し羽を伸ばすのも悪くない。

俺たちは未知の絶景と珍しい獲物を求めて、北の雪原へと向けてアマルを走らせるのだった。

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