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第25話: 「何でもします! 奴隷にしてください!」泣き叫ぶ妹に突きつける『契約書』(※その言葉、待ってたよ)

「うぅ……ひぐっ……出して……ここから出してよぉ……」


警察署の殺風景な面会室。 アクリル板の向こうで、莉奈はボロボロの姿で泣き崩れていた。 数時間前まで「人気インフルエンサー」を気取っていた女は、今やただの「詐欺容疑者」だ。


「被害届、受理されるそうだよ」


俺はパイプ椅子に座り、冷淡に告げた。


「被害総額は300万円。お前が『ゼウスのコネ』をちらつかせて騙し取った金だ。……示談が成立しなければ、お前は起訴される。実刑もあり得るな」


「い、嫌だ! 刑務所なんて嫌だ! 私、まだ若いんだよ!? 人生終わっちゃうよぉ!」


莉奈がアクリル板をバンバンと叩く。 その顔は恐怖で歪み、鼻水と涙でぐちゃぐちゃだ。


「助けてお兄ちゃん! お金! 300万払って! お兄ちゃんなら持ってるでしょ!? お願い!」


「持っているよ。300万なんて、俺の月収の数十分の一だ」


俺は余裕たっぷりに言った。 莉奈の目が輝く。


「じゃ、じゃあ!」


「だが、なぜ俺が払わなきゃいけない?」


俺は冷ややかに突き放した。


「俺はお前に絶縁宣言をしたはずだ。赤の他人の保釈金や示談金を払う義理はない」


「そ、そんな……家族でしょ……?」


「家族のカードを勝手に使い込み、兄を『キモい』と罵り、兄の名を語って詐欺を働くのが家族か? ……甘えるな、犯罪者」


俺は席を立ちかけた。


「じゃあな。刑務所に入れば、少しは根性も叩き直されるだろ」


「待ってぇぇぇ!!」


莉奈が絶叫した。 このまま俺が去れば、彼女の人生は本当に終わる。 前科持ちになり、社会的に抹殺され、借金を背負って生きていくことになる。


「なんでもする! なんでもするからぁ!」


莉奈はアクリル板に額を擦り付け、懇願した。


「土下座でも靴舐めでもなんでもする! お兄ちゃんの言うこと全部聞く! 一生言うこと聞くから! だから見捨てないでぇぇぇ!」


その言葉。 俺はずっと、それを待っていた。


俺は足を止め、ゆっくりと振り返った。


「……今、『なんでもする』と言ったな?」


「言った! 言ったよぉ!」


「『一生言うことを聞く』とも言ったな?」


「聞く! 絶対聞く!」


「……いいだろう」


俺は懐から、一通の書類を取り出した。 あらかじめ弁護士に作成させておいた、特製の契約書だ。


「これにサインしろ。そうすれば、被害者への弁済も、示談の手続きも、すべて俺がやってやる」


「ほ、本当!?」


莉奈は藁にもすがる思いで書類を受け取ろうとしたが、アクリル板が邪魔をする。 俺は担当の警察官に頼み、差し入れとして書類を渡してもらった。


「早く書け。……ただし、内容をよく読んでからな」


莉奈は震える手で書類を開いた。 そこに書かれていた文字を見て、彼女の動きが止まる。


『専属使用人契約書(兼、債務弁済契約)』


1.甲(佐藤翔)は乙(高橋莉奈)の負債300万円および慰謝料を肩代わりする。 2.乙は甲に対し、上記金額に利息を含めた全額を返済する義務を負う。

3.乙は返済が完了するまで、甲の指定する場所(自宅)に住み込み、甲の生活全般の世話(家事・雑用・介護等)を行うこと。

4.乙の給与は月額5万円とし、全額を返済に充当する。(※完済まで約50年) 5.乙はいかなる場合も甲の命令を拒否してはならない。拒否した場合は即時契約解除し、警察へ引き渡す。

6.乙の人権およびプライバシーは、甲の管理下に置かれるものとする。


「こ、これ……」


莉奈が顔を青ざめて俺を見る。


「50年って……これじゃ私、おばあちゃんになっちゃう……。それに、命令拒否できないって……」


「嫌ならサインしなくていいぞ?」


俺は意地悪く笑った。


「その代わり、今すぐここで警察の取り調べに戻ってもらう。……まあ、前科がついても50年も刑務所には入らないだろうが、出てきた時にお前を雇う場所なんて、風俗くらいしかないだろうな」


「うっ……!」


究極の二択。 今すぐ刑務所行きか、兄の奴隷として一生を捧げるか。 温室育ちでプライドだけ高い莉奈に、刑務所や風俗の過酷な生活が耐えられるはずがない。


「3……2……1……」


俺はカウントダウンを始めた。


「わ、わかった! 書く! 書きますぅぅ!」


莉奈は泣きじゃくりながら、ボールペンを握りしめた。 そして、震える手で『高橋莉奈』と署名し、拇印を押した。


その瞬間。 彼女は「妹」でも「人間」でもなくなった。 俺の所有物、「奴隷」になったのだ。


「契約成立だ」


俺は書類を回収し、満足げに頷いた。


「よかったな、莉奈。……いや、『奴隷1号』。これでお前は刑務所に行かなくて済む」


「あ……うぅ……」


莉奈は力なく項垂れている。 自分が何にサインしたのか、その重みを理解し始めているのだろう。


「さあ、示談の手続きをしてくる。それが終わったら家に帰るぞ」


俺はアクリル板越しに、彼女にニッコリと微笑みかけた。


「忙しくなるぞ? 溜まりに溜まったゴミ屋敷の掃除、洗濯、料理……全部お前の仕事だ。今日から死ぬ気で働いてもらうからな」


莉奈の目から、光が完全に消えた。 彼女の地獄は、ここからが本番だ。

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