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13/14

〈13〉最低で最高の胸糞展開です......(身内ですと中々興奮する暇はないですね...)

情けないです。

悔しいです。

恥ずかしいです。

一段下がった豪華なお部屋にいるリンさん...――それも拘束具に(はりつけ)にされた...

から目を離せない自分がいます......。

それも心配や怒り以外の感情で.........。


「黒江さんの目的はなんなのですか」

「修司さんの?知らな~い

本人に聞いてみれば?

土下座でもしてさっ

あひゃひゃひゃwwwww」


このアマが...。

お前だってどうせ穴で気に入られただけのケツだけ女だろうが!!


「クソッ!!」


ガジャン


「ひい~~こわ~www

ちょっとマックス~」


ススス

シャカシャカ


「ハイ...ハイハハイ」

「ハイハイハイハイ...」

「ハイイイイ!!」


ううぅ。

こんなのずるいですよ...。


「ハイイ...」

「ハイハイ...」


ギミュッ


身動きが...。

彼らが本当の意味で人外だと分かった今、どうにか対応の余地はありそうですが...。

なんせパンツ一丁なもので...。

マックスさんらさえどうにか出来ればこのアマを人質に......。


「ほら、あなたもせっかくなんだし見なさいよww」

「い、嫌です...」

「ふ~ん...」


ああ。

またマックスさんです...。

もう嫌ですよこんなの...。

ひどいことされるリンさんから目を逸らすのも、

どうしようもない怒りと性欲をどうすることも出来ないのも、

痛いのも、お腹が空くのも、眠いのも、トイレ行きたいのも...!


「んん~~~んん゛んん(おじさん)~~!!」


ああ。リンさん...。

そんな声で私を呼ばないでください...。

私には...見れないですよ...。


「ちょっと修司さ~ん

こいつ全く見ないから面白くないんだけど~」

「**.,..;;;::**..」


黒江(♀)が黒江(♂)に電話をしているようです。

(呼び方変えました 親しくないのに下でお呼びするのは失礼ですものね)


「...;;::」

「おっけ~(ニヤリ)」


また嫌な予感がします。

黒江()の指示なしにマックスらがざわめき始めます。

「ハ」と「イ」のみの喧騒です。


「おっ!また会ったなブラザー!」

「あっ...」


本場ックスさんです...。

なんだか安心します。

この場で一番まともな存在な気がします。


「悪いがまたちょっと我慢しとくれよ~」

「え、ええ...」

「んしょっと!」


また担がれます。

本場ックスさんは力持ちの運搬係なのでしょうか。


ドスッドスッ


「えっと...どちらへ...?」

「俺も分かんねえんだ

ソーリーな」

「そうですか...」


会話...!!

会話してますよ...!

まともな会話です...!!


ただいま私はマックス列の中央ほどの本場ックスさんの肩の上に居ます。

角度的に言えばロケットランチャーのそれです(苦笑)。

先頭には黒江(♀)がいるようです。


「マックスさんはいつからここで...」

「うーん、さあな

覚えてねえな」

「そ、それじゃあここにはどれくらいのマックスさんが...」

「知らん

俺が会ったことあんのは20人くらいかな?

でも判断つかねえ奴も多いしな」

「やっぱり判断つかないのですね...」

「そりゃあ流石にな(二カッ)」


彼なら...彼からなら...もしかするかもしれません...!

それにしても広いです。

もうかなり歩いたと思います。

分かったのは階段を数階分降りたことくらいで...。

あとはもう何周か回っているのでは?とさえ思います。


「それでマックスさんは...」

「ああ、それはだな...」


.........


「おっと、ここまでらしい

そんじゃまたなブロー!」

「こちらこそありがとうございました...!

楽しかったです...」

「おーよ!」


本番ックスさんからいくらか有用そうな情報をいただけました...。

ですが核心に迫ろうとするとたちまち「ハイ構文」になってしまうようです...。

あれだけ人間らしいのに...やはり違うのですね...。

少なからず期待していた部分がありましたので...それなりにショックですね...。


「ほらほらマックス~!!」


列の先頭の方で黒江(♀)が声を張ります。

有象無象ックス(その他大勢のマックスさんという意味ですね)がわしゃわしゃと動き始めます。

去るもの、扉の中へ行くもの、黒江(♀)の椅子になるもの...

そして締めは、選ばれし屈強ックス数名が私の元に歩みを...重く大股で確実に一歩一歩......。


「ハイ...」

「ハハハ...ハイ」

「抵抗は無駄ですよ」


ああ、流暢ックスさんは...中枢なのですね。

......もしや本場ックスさんってかなり優秀なお方では......?


ガシャガシャ

ミキキキキ


人からは本来聞こえるはずのない音が生み出されます。

即座に私専用の椅子が出来上がりました。

いえーーい。

もちろん手首、足首、腿、腕、肩、腰、首、頭が固定されていますが......。

(無抵抗のひょろがりになんて所業ですか......)


わしゃわしゃわしゃ


黒江(♀)を乗せた椅子ックスが近づいて来ます。

クモみたいで気持ちが悪いですね。

腕も筋肉カッチコチで物騒です。


「んふふふwwんふふふふふふ」

「な、なんですか」

「ん〜?い〜やなんでも〜〜?んくくくくくww」

「この......」

「おっと〜〜?」


私の椅子ックスの拘束力が物理的に強くなります。

これはメス豚さんなりの牽制なのでしょう。

他人の力に縋ってみっともないですね。

ですが......それにいいようにされる私自身の方がよっぽど...。

今の状況...リンさんを守ってあげられるのは私だけなのに...。


「ほらマックス」


黒江(♀)が手を3回ほど叩くと扉がゆっくりと開きます。

おそらく先ほど中に入って行った先陣ックスさん方ですかね。


ゴォォォォ......


これまた一段と重そうな扉です...。


「んんん〜!!!んん゛んん(おじさん)〜!!!」

「ああっ...リンさん......」


覚悟はしていましたが......。


「うるさいぞ〜」


ピシッ


「ん゛ん゛っ〜〜!!!」

「あぁ...!」


ミシミシミシ


「ハイ...ハハイハイ...」

「ハイハイハイ...」


マッジでイラつくなクソが!


「よーへーくぅ〜ん

待ちくたびれたよ〜」

「黒江...!」

「どうやらあっちの部屋からは見にくいとのことだったからねぇ〜

特等席をご所望ですかな?お客様、ってな?

ふはははははwwww

「も〜修司さんったら〜ww」

「真由美ぃ〜

君もやるかい?ほら、こっちに来た来た」

「お、おい...なにを!」


ニヤついた様子のオークのつがいがなにかを取り出してからこちらに歩みを向けます。

リンさんの様子は......形容したくありません。


「ねえねえよーへーくん、これなにか分かる〜?」

「...睡眠薬...?」

「チッタッチ!

び〜や〜くっ!!うふふふふwww」


びや......クソがっ!!


ピクン...


なに反応してんだこのクソツィンポが!!

リンさんの気持ち考えろニート!


「それもと〜〜っておきのだよ!!」

「あら〜?海外から取り寄せたってあれ?

もう使っちゃうの?」

「なーに、また買えばいいさ」

「ん...私には?.....//」

「お前はなくてもいつも濡れ濡れだろ」

「もぉ〜〜//」

「あ〜もう、真由美は可愛いな」


なでなで

さすさす


イチャイチャすん......いや、このままどこかに行ってくれれば...!!


「ほらっ、ちょっと待ってろ」

「うん...//♪」


カツッカツッ


「おーい凛花ちゃーん」

「んんん゛!!んんんんん!」


ガシャンガシャン


「これ、飲みなね〜」

「んん!んんん〜!!」


クイッ

ゴクッ...


あいつ...薄めずに...。

なんてことを...。

自分の中で怒りの脳汁が尽きてしまった気がします。

ですが、「怒りを越えて呆れ」などという薄情な結論には至らなさそうです。

よくやりました...私。


「んんん!ンホッンホッ...」

「効き目出るまでちょっと待とうか〜(ニコニコ)」

「ねえ...修司さん...//」

「そうだね、真由美」


ンチュ...


ああ!マックスさん!

耳まで塞いでくださいよ!


「マックスさん...耳と目を塞いでくださいませんか...」


脳筋ハイ構文椅子ックスさんの脳となっている流暢ックスさんに腰を低くして頼みます。

お辞儀は出来ませんが。


「ハイ」

「おお...!」

「ハイ〜?(煽)」

「ああああああ!あ!あ!あ!あ!ああああああああああ!」


クソがクソがクソがクソが!!!

間違いなくここ10年で一番の感情爆発です。

ですがなぜ...どうしてこんなにも熱くなってしまうのでしょうか...。

リンさんが今どうなろうと......。


「喝!!」


違います違います。

今はそんな場合ではありません。

理由なんてものは見つからないのなら作り出せばいいのです。

金持ちなリンさんにおっきなおっきな恩を作ってその借りを何百倍にもしてもらって返してもらう!

私はその金で一生働かずに女と酒とゲームで堕落してやるのです!!

(酒は苦手で、ゲームはやらないのでした...)


「あっちゃ〜よーへーくんもう壊れちゃったのかな〜?」

「ねえねえ、そんなことどうでもいいでしょ?

修司さん、早くっ!」

「ちょっど、待ってろ〜」


カチャカチャ


黒江(♂)がなにかを取り出してきます。

嫌な予感しかしません。


「それじゃよーへーくん!

やってみようか!!」

「な、なにを......」

「んも~よーへーくんったら分かってるくせに~!!」

「......」

「ふふっww

躾だよ、し・つ・け」


わ、私がこれでリンさんを.........。

ブルブルッ

(この身震いに二つの感情が含まれていることが悔しいです.....)

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