セッション課題
昔クライミングやってたので書いてみました。
「ガンバ!」後ろから仲間の声援が聞こえる。
次のホールドは少し離れたとこにある大きなスローパーだ。ここはランジで大きく飛び右手で掴みに行こう。
そう考え体を深く沈み込ませ、集中する。そして次の瞬間、紫色の丸いホールドに向かって勢いよく飛び出し、ふかふかのマットの上へと落下した。
「ナイス!、ナイス!、いやマジで惜しかった。まぁ先に登れた俺の方がすごいけど」と友人が言ってくる
「マジでやかましいわ!でも次で登れれば今までの課題の登れるようになるまでの回数、同点になるからな!」と言い返して俺は少し笑う。
あぁ楽しい。登ることに対してこんなに前向きになれたのは久々だ。やっぱり大会で結果を出すことを目標に一人で黙々と練習するのとは違う。
最近までクライミングにスランプを感じていた。しかしまるでそれが嘘だったかのように、忘れていたクライミングの楽しみを美味しく噛みしめた。
それもこれも、
「今日、近所のクライミングジムに新しい課題ができたから、セッションしようよ」
と誘ってくれた〇〇のおかげだ。
この日ばかりは、ムカつく友人にも、ありがとうと心の中で素直に感謝してしまう。
「なぁ、また今度もいっしょに登ってくれるか?」と聞き、チョークバッグに手を入れる。これからも俺はこんな風に手を白く汚していくのだろう。
セッションっていいですよね。仲間とやるのはマジで楽しい!