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「こんにちは、皆さん」


 可愛い声が聞こえてきた。


 男たちがぎょっとして見ると、そこにいたのは、ただの幼い少年だった。


 男たちは途端にニヤニヤと嫌な笑みを浮かべる。


「おい坊っちゃん。こんなところで何しているのかな?」

「おじさんたち、ちょっとこの人たちと取込み中なんだ。どこかへ行ってくれるか?」


 ロペもカフジも、彼に見覚えがあった。


 ロペが説得しにいった村に暮らしていた、妙に大人っぽい子供である。


 少年はにっこりと笑う。


「かわいそうだから、やめてあげてください」


 男たちは眉間にしわをよせる。


「はあ? 何様のつもりだ?」

「どうやら、痛い目みたいらしいな」


 少年を囲む男たち。


 だが、少年は怖がらず、呆れたようにため息を付く。


「うーん、仕方ないなあ」


 ぱちりと、ウインクする。


「子どものふりをするのも飽きてきたところだ。力を示してやろう」

「何を言って、」


 突如、少年の体が青い光に包まれた。


「なっ! なんだ!?」

「こいつ、魔法使いか!?」

『魔法使いなんてちゃっちい存在ではない。全く、その程度すらわからぬとは……。それでも密猟者か?』


 声が反響して聞こえる。


 人ならざるものの存在に、木々が歓喜に震え、大地が興奮したかのように揺れる。


 ロペを捕らえていた縄が、ばちりと切れる。


 ロペは慌ててカフジに近づくと、怪我の様子を確認してくる。


「だから、自分の怪我の心配をしろ」


 傷口を確認する。


 だが、あんなに流れていた血はぴたりと止み、傷口も塞がっていた。


『我がやっておいた。その程度の治癒は朝飯前だ』


 少年がにっこりと微笑む。


 密猟者たちはパニックを起こし、猟銃を手にして少年相手に撃ってくる。


 けれど、少年に近づく前に、銃弾は火に投げ込まれた氷のように、溶けて消えていった。


『さて、密猟者さんたちは、公園に足を踏み入れないように、遠くに吹き飛ばしてあげようか』


 少年が手をすべらせる。


 すると、密猟者たちの体が浮いた。


「な、なんだこれ!?」

「か、体が勝手にっ!」

『さようなら。次にここに戻ってきたら、命の保証はないからね』


 ぴん、とデコピンの仕草をする。

 

 すると、宙に浮いていた男たちが、勢いよく吹き飛ばされた。

 

 悲鳴も聞こえず、男たちはどこっかへ消えていった。


『ああ、心配しないで。殺しはしないよ。ただ、人さらいの証拠もそろえて、警察の前に送り飛ばしたから、暫くは牢屋から出れないよ』

「……あんたは、なにものだ」

『自己紹介がまだだったね』


 少年は透明な羽をこれみよがしにバタバタさせる。


『我は精霊。この森の主だよ』









 


 

 

  


 


 

 

 














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