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 金になる獲物が多くいる国立公園は、密猟者の絶好の狩り場であった。


 とはいえ、公園内をうろうろする政府の回し者に見つかっては、警察に突き出されてしまう。


 ハンターにみつからぬように侵入するには、近場に潜伏地が必要不可欠であった。


 密猟者は、国立公園近くの貧しい村に目をつけた。


 わずかばかりの金をちらつけば、村人はあっさり密猟者の味方となる。


 あとはハンターに見つからない時間帯を狙って、国立公園に侵入すればよいだけだ。


 簡単に稼げる方程式を見つけたと、密猟者はそれはそれは喜んでいた。


 だがしかし。


「ごめんね。もうあんたらには協力しないって決めたんだ」


 懇意にしていた家を訪ねると、こちらを一目見ただけで拒否されてしまった。


「なっ! どうしてだ。金が足りないか? なら多めに出してやろう」

「お金の問題ではないよ。あたしたちはね、あの公園に住む動物を守りたいの。だから、あんたらに家を貸せない」


 ギロリと家主は密猟者を睨む。


「今までの付き合いがあるから見逃すけど、次に来たらウチの息子に突き出すからね」

「あのぐうたら男に突き出したところで何ができる」

「それは前の話。今は精霊の森でハンターをしているのよ」

「なっ……! なぜハンターをっ、」

「新しく入った研究員さんがね、仕事を融通してくれたの。あの子は農作業は下手っぴだったけど、ハンターの仕事は抜群なのよ」


 鼻高々に自慢して、密猟者をぺっぺと手で追い払う。

  

「さあ、とっとと帰った帰った!」


 他の家を当たっても、こんな対応をされる始末。


 挙句の果てには、公園に勤めているハンターが家に帰ってきてしまい、危うく捕まってしまうところだった。


 隠れ場まで逃げ帰り、密猟者たちはおろおろと戸惑う。


「どうする? まさかこんなことになるとは」

「新しくきた研究者が余計な企みをしたせいで、やりにくくなったじゃねえか」

「今回かぎりで、ブルーストーン公園から引き上げたほうがいいか」

「最後なら大物狙いがいいが、あんまり大型の動物は狩るのが難しいからな」

「精霊でもとっ捕まえれば高値で売れるがな。そこらに落ちてねえかな」 


 気弱な気持ちからか、冗談がもれる。


 そんなとき、ある一人の男が口を開いた。


「……俺に提案がある」


 彼はいやらしい笑みで言う。


「どうせなら、特大の獲物をとっ捕まえようぜ」

「なんだ、精霊が住む場所でも知っているのか?」

「精霊よりも確実な獲物だ」


 彼は以前、公園内に侵入し、獲物をゲットした。


 公園の研究者らしき女に止められたが、子どものように小さな体だったので、赤子の手をひねるノリでねじ伏せようとした。


 そのとき、突如として男が降ってきて、彼らをぶちのめした。


 意識が失う前、男の瞳の色が、赤く染まっているのに気がついた。


 白い髪の毛に、赤い瞳、そして獣のように尖った犬歯。


 闇市場で高額取引される、吸血鬼の証であった。


 


 

 

 


 






 

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