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六話 ボス戦


 チュートリアルボスと言えば、どんなものを思う浮かべるだろうか?

 散々、ゲームだのネット小説だのをこすって来た俺だが、実のところゲームの経験は少ない。

 いや、正確に言えば、アクションRPGの類だろうか。


 高校受験に向けて、頑張っていた中三の俺は、ゲームを絶った。

 まあ、別にゲームをしなかったからと言って、勉強をしたわけでもなかったが。

 それからと言うもの、高校に入学して、さらに、引きこもりまでしているのに、俺はゲームをしていない。

 そんな、俺の少ないゲーム歴の中で、大半を占めていたのは、エ〇ゲーだった。

 いや、別に、エ〇ゲーとは言っても別に18禁ではない。

 全年齢版である。

 俺はストーリを楽しむタイプである。

 と言うか、18禁版は怖くて買えない。

 宅配で届いても、外から分かることはないし、パーケージが違うなんてこともないが、なんか怖い。

 まあ、エ〇ゲーの全年齢版の時点でどうなのかとも思わなくもないが、まあいいだろう。

 コンプリートセットだったから、ヒロインは全五章で五人いて、俺は二章の……って、そうじゃない。


 とにかく、俺の実際にやっていたゲームはノベルゲーくらいしかなくて、経験が少ないと言いたいのだ。


 だから、俺は、首を傾げたのだ。

 チュートリアルのボスとは言え、電車一両の全長と同じくらいの身長を持った奴がいるのかって話だ。

 電車によって、長さは違うだろうが、これだけ大きければもうほぼ、ガ〇ダムである。


 そんな大きさの、コボルト的な何かがいた。


「実寸大ユ〇コーンと同じくらいと考えたらやばいな」


 そう呟いていると、二足歩行巨大犬は、蹴りを繰り出してきた。

 俺は、流石にシャレにならないと思い、必死に避けた。


 レベルアップ様々だが、運動能力の向上がなければ、普通に死んでいた。

 微々たる身体能力アップの積み重ねだが、此処まで積み重ねただけで、超人じみたことが出来るようになっていた。

 正直、俺が何レべとか、分からないし。必死こいて倒したとはいえ、今日昨日でここまで、伸びるのは少し不自然に思っていた。

 

 ただ、そんな不自然な伸びを凌駕するほどの、攻撃が山ほど降って来た。


 キックの次はパンチである。

 地面目掛けて、放たれたパンチが、足場を割った。

 しかも連続で何度も俺を執拗に狙ってくる。


「ぐッ!?」


 俺は、何度か掠るも、ギリギリで身体を捻ったり、斧を使って弾いていた。

 そして、斧の凄さにも目を見張った。

 いかにも凄そうない見た目をしているから、薄々は気付いていたが、今まで使っていたものとは全然違った。

 強度、そして、何より切れ味が違う。

 木を切る用途など完全に忘れているかのような出来であった。

 

 そして、この斧の最大の特徴と呼べるところは他にあった。

 二本も装備できるのだ。

 つまり、両手持ちが出来る。

 他の斧で試したことはあったが、その時はどちらかの斧が俺の手から落ちる結果となったがこの斧は特別らしい。

 斧で、両手を塞ぐとか馬鹿だろと少し思ったが、そもそも、俺は斧を伸ばして戦うのだ。

 ほぼ双剣みたいなものだった。


 後基本的に、二本装備でないと使えない。

 一本だけの使用はほぼできないようだ。

 片方を使いたければ、もう一本は腰にでも指しておく必要がありそうだ。


 そんなこんなで、もろもろを確認した俺は、攻撃に転じた。


 地面を蹴ると同時に、【延長】を使う。

 その効果範囲も両方となる。

 勿論片方だけとかもできる。


 レベルアップによって、強化されたギフトは、刃渡りを更に更にと伸ばした。

 そして、一瞬の間に、柄と刃の長さが、刃の方が数センチ長いくらいにまで延びる。

 その姿は、幅の太い太刀にも見えた。

 まあ、長さはそこそこだけど。


 そして、俺はそれを、デカコボルトの足を狙って振った。

 横に一閃。

 それだけで、血しぶきを上げた。


 暴れたデカコボルトに踏まれないように離れてから、俺は声を洩らした。


「この斧強すぎじゃ」


 チュートリアルと銘打っておいて、こんなものをもらえば流石に驚く。

 だが、驚いて止まる俺ではない。

 そのまま近づいて、デカコボルトに傷を作っていく。


「ガルェアアア!!!!!!!!!!!!!!」


 そして、痛みに耐えかねたのか、デカコボルトは叫んだ。

 うるせぇ。

 あの巨体から、獣特有のバカでかい声を出されたら、耳がつぶれる。

 それに構わず、俺は攻撃を続けようとしたが、それはかなわなかった。


 俺は、デカコボルトが振り回した腕に、弾き飛ばされたのだ。

 何とか、斧を使ってガードをするが、吹っ飛ばされる。


「かはっ!?」


 そして、壁にぶち当たって、体は止まった。

 俺は、よろけながらも立ち上がり、やはり耐久力も上がっていたのかと再確認した。

 あれだけの運動を支えていたとなれば、まあ、そうだろうが、実際に体験しないと分からないこともある。

 

「案外、行けそうだな」


 そう言って、俺は駆けた。

 別に圧勝出来るだとか、そう言ったことはないが、一発喰らったくらいでは負けないことも分かった。

 俺は、殴って来たデカコボルトの腕を躱して、それに乗じて、腕に乗り、駆ける。

 そもまま、俺は斧を振りかぶり、斬った。





 と、言うのが、数時間前。

 俺は、倒れたデカコボルトの上で、息を整えていた。


「硬すぎる……と言うか、俺の攻撃が浅すぎたのか」


 それが、戦いが終わった感想だった。

 ダメージについては、なんともないと言えるほどだった。

 耐久力はあるし、上がった身体能力で避けることは造作もない。

 ただ、巨体であるが故に、俺の攻撃は致命傷にはならなかったのだ。


 そのせいで、こんなに時間が掛かってしまった。


 灰になっていく、デカボルトから転げ落ちながら、俺は魔石を回収した。


「うん?黄色?」


 出てきたのは、黄色い魔石だった。

 大きさは今までと同じくらいで、色だけが違った。

 ちなみに、今までの刃無色透明だ。

 てっきり、大きい奴が出ると思っていたがそうでもないようだ。


 まあ、良いかと思っていると、ついに終了の時が来たようだ。


『チュートリアルのクリアを確認しました。チュートリアルを終了します……終了後、能力値が制限されます』


 二日ぶりに、帰れるとあって、俺は期待に胸を含まらせた。

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