表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
持田と近藤の異世界クエスト  作者: 大石次郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/7

ワシの石像を直すのじゃっ!! 5

密猟品の始末の件もある、明日にはススモが捕らえられたことはビルゴッセに知られる。

俺達3人は敢えて衛兵隊詰所近くの宿屋の1室に、ストレンジピジョンを使ってギルドでビルゴッセ達の監視に当たってる冒険者の中でも年長のナウテナという戦士と、衛兵隊の副隊長ザウリィを呼び出した。

宿屋に入る時点で俺達はモモメは狸、俺と近藤さんは貫頭衣に適当に街で買ったポンチョ羽織った姿でただの狸連れの旅客を装っていた。まぁ狸は普通、あまり連れないかもしれないが・・


「信じてくれるかな? 罠と思われちゃうかも?」


「衛兵隊の詰所近くにはしたし、ストレンジピジョンは前からギルドに送ってる。筒の刻印はナリ・アンテラの物だからいけるとは思うけど」


「10年前、ナウテナはあたいの指導担当だった。話は通るよ」


「衛兵の副隊長の人は?」


「ん~、どうだろ? 衛兵隊は10年前はその時のあんのボケナス執政官とっ、揉めて予算削られてたから、あんま機能してなかったんだ。そういう名前の人、いたような気もする、くらいだ」


取り締まり関しちゃむしろ衛兵頼りだが、微妙なとこか。

夜は長いとはいえ、俺達はやきもきしながらカンテラを灯した部屋で待っていた。と、


「っ!」


「敵意探知?」


俺の反応に近藤さんが緊張し、狸のモモメも俺のクッキーを食べるのを(手持ちをほぼ食べられた)一旦止めた。


「いや、警戒している。閲覧した記憶の印象と同じだ。ナウテナとザウリィ。それぞれ仲間を2人ずつ連れてる。武装もしてる! ススモ達より手強いし、戦闘になったらこっちが奇襲される立場だっ」


「モモメはもう変化解いた方がいいかも?」


「よっしっ!」


モモメはボフンっと煙を出して変化を解いた。武装しているが、『昔のままの姿』の方がいいか?

ナウテナとザウリィ達の気配が近付き、近藤さんとモモメにわかるようになった。

俺達3人は部屋の中で立ち、俺と近藤さんは背中の後ろの鞘の杖には手を掛けて待ち構えるっ。

部屋のドアがノックされた。


「・・ギルドのナウテナと、衛兵隊のザウリィも来た。手勢も2人ずつ連れている。ビルゴッセの配下なら無駄なことをするなよ?」


ドアの向こうから低音の声がした。


「ナウテナさんっ! あたいだよっ?!」


「ぬっ? モモメ・・確認はする!」


「どうぞ」


俺はなるべく平常な声を心掛けて応えた。


「疑うのも無理ないですね」


近藤さんの声も緊張していた。

ドアは慎重に開けられ、武装した屈強な40代くらいのドワーフの戦士と、人間とのハーフらしい30歳くらいの強者に違いない女性の兵士が手勢を連れて入ってきた。


「ナウテナさん!」


「待て、確かめる」


感激して抱き付きつこうとしたモモメを手で制すナウテナ。

代わって、魔法使いらしいドワーフの若者が杖を構えた。


「リヴィル!」


露呈魔法を俺達3人に掛けるドワーフの若者。


「変化魔法等は使っていないようです」


「そうか・・」


安堵して表情のナウテナ。


「ナウテナさ~~~んっ!!!」


改めて、泣いてナウテナに飛び付くモモメ。


「わかったわかった! ほんと、しぶといヤツだっ」


少し目を潤ませるナウテナ。


「君達も、疑って悪かったな。ビルゴッセ一味とは長く争ってるんだ。一度蔓延った悪党は簡単に片付かないよ」


ザウリィが武器を下ろして話し掛けてくると、俺と近藤さんも杖から手を放し、溜め息を吐いた。



一度話が通れば後は早かった。ススモ一味とメモリージェムの引き渡しが済むとすぐに対応が始まった!

ビルゴッセの使い魔に監視されてるギルド幹部や衛兵隊長には知らせることはできず、あまり派手にも動けなかったが、前執政官と結託していた旧元老院と旧民会上層部には衛兵隊とギルドの混成隊が向かった。

俺達3人もナウテナとザウリィと直属の手勢4人と、補助の魔法使い3人でビルゴッセの店兼アジトへも向かうっ。


「パッと見は胡散臭い魔法道具屋だな」


俺達はビルゴッセの探知範囲だという円形のエリアからギリギリの位置の売春宿の従業員と居合わせた客を纏めてピクシーケージに押し込め(地球で似たようなことができたのは戦前までじゃないかな?)、2階の窓から様子を伺った。


「我々のこれまで集めた情報や、君達がススモ一味から引き出した情報を照らし合わせると、店の奥はヤツの魔法によって大貴族の館並みに広い」


ザウリィは裏町の売春宿の安っぽい装飾のテーブルにビルゴッセの館の内部図を拡げていた。


「ヤツに準備の時間は取らせないっ。手勢は『インプ』に『リビングメイル』、最近は『スノーファンガス』を飼っているようだが、この戦力だけで十分落とせる!」


ナウテナも念願だったらしくやや興奮していた。


「むしろ逃走が心配です」


俺と一緒に新品なのにデザイン的に骨董品に見える望遠鏡でビルゴッセの店を見ていた近藤さん。


「テレポート封じは内のギルドの魔法使い4人で行おう。2時間は持たせる!」


「任せて下さいっ」


ギルドの魔法使い4人の中ではリーダー格らしい宿屋でリヴィルを掛けたドワーフの若者が勢い込んでいた。

突入組は魔法戦士の俺と近藤さん、錬成鍛冶師のモモメ、戦士のナウテナ、守りが強い『守護騎士』職のザウリィ。あとは手勢の戦士1名、守護騎士2名だった。


「もう少し手勢が欲しいですねよ? モモメ、錬成系だよな?『ゴーレム』造れないか?」


「材料があれば『スモールゴーレム』2体くらいならいけるっ!」


「材料なら一杯あるよっ? 私達、石像施設の修理がメインクエストだから!」


俺達はスモールゴーレム2体も足して、今夜用意できる最大戦力で挑む段取りを組んだ! やってやるぜっ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ