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一億玉砕の国
金髪の男は車の修理会社にいた。スーツを着てすんなりと中に入ることは簡単だった。
金髪の男は喫煙所で一服していた社員に暗示をかけ質問をした。
「最近ニュースになっていることで知っていることを話せ」
「ニュース?あぁ…。俺は聞いただけなんだけど、本社の人が店舗の社員に高圧、威圧的に接し利益のためにと犯罪すれすれの行為をさせていたらしいな」
「店舗の従業員は内部告発はしなかったのか?」
「あったよ、1人だけ」
「たったの1人?」
「あぁ。この会社は右向け右だよ。1人だけ違う意見を言おうものなら、そく袋叩きさ。」
他にいくつか質問をしたあと、金髪の男は喫煙所をでた。執行人が直接、関係者に質問することでメモ帳には書かれていない情報を聞くことができる。
金髪の男は思った。
………一億玉砕の国。それが執行人たちで言われている日本の呼び名だ。
あの頃から何もかわっていないな。
金髪の男は社員たちを見下すでもなく、哀れむでもなく、ただ感情のない目で俯瞰した。
一方で、社員は俺たちは何も悪くない、上がいうから、自分たちは正しいのだと、そんな目をしていた。




