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白薔薇の殺人  作者: シャイレア
2/2

警視庁からのお達し

ちょっと長くしました

第二章

二十分ほどすると砂色のコートの男が店に入ってきた。180cmはあるだろうか。それなりに大きく見える。声をかけようとしたら男が話しかけてきた。

「白い花をくれ!どんな花でもいい。急いでくれ。」

そう言って男は腕時計を気にしながら店内を眺めていた。

注文を受けた僕は急いで白椿を手に取った。それを男に持って行きいかがでしょうかと聞くと

「感謝する!値段は何円だ?」

よほど急いでいるんだなと思いながら、

「800円になります。」

「わかった。これでいいか。」

男から代金をちょうど受け取ると男は走って人混みの中に消えていってしまった。

「おそらく次のお客も白い花をご所望になるだろうね。」

「わっ!。」

「そんなに驚かなくても。まあ次の接客は私がして見るから少し休憩してなよ。」

「は、はい。分かりましたが大丈夫ですか?」

「なにが?」

怖い笑みを浮かべて聞いてきた雫さんに逆らえず僕は何でもありませんと答え奥の間へ向かった。

1時45分頃。今度はジャージ姿の高校生らしき人がやって来た。

「いらっしゃいませ〜。花屋の青華で〜す。」

さもバイトの呼び込みらしく軽い感じで接客をする。ここらへんはさすが親を見て育ったなと感心してしまう。

「白いクチナシはありますか?」

やはりだ。今度は花の名前まで指定してきたが白い花を所望してることに変わりはない。これはただの偶然なのか?いや、これはなにか裏で動いてる予感がする。

「分かりました。少々お待ち下さい。」

そう言って雫さんは白クチナシを探しに行った。在庫はあったはずだから多分大丈夫だろうと思う。

お煎餅を食べながら本を読んでいると店の方から声がしてきた。どうやら白クチナシを

見つけたようである。 

「こちらでよろしいですか?」

「うん。これなら大丈夫だね。」

クチナシを眺めながらそういった客はそのままクチナシを買っていった。

「今日は不思議な日ですね〜。」

休憩を終えて雫さんに話しかけながらカウンターへ戻る。

「そうだね.....」

強張った顔を無理やり崩しながら雫さんも言う。その態度に少し疑問を抱きつつも花の様子を見る。

突然雫さんが外出の支度を始めた。その様子に驚いた僕は慌てて尋ねる。

「いきなりどうしたんですか!?」

「ちょっと急用。御伽さんも行くよ。」

「僕も行くって...なんで?というかお店はどうするんですか?」

「今日はもう閉めるよ。なんか悪い予感がするんだよね...」

そう言って雫さんは用意を整えると足早に駅へ向かった。

「どこに行くんですか?」

「丑市の警察署。」

「なんで隣町まで行くんですか。」

それには答えず、駅につくと干支線に乗って丑市に向かう。その間雫さんは一言も喋らず何かを熱心に考えていた。

14時30分。僕は取調室に居た。目の前には熱いカツ丼・・・ではなく一枚の紙が置かれていた。

目の前には刑事さんらしい人がいて何やら忙しそうにノートPCを操作している。紙には謎の文章が書かれていた。

「選ばれし白花が三つ集まりし時、神は舞い降りて願いを一つ聞くだろう。」

声に出してみても意味不明だ。と。そこへ人が入ってきた。その人を見て僕は少し驚いた。

「あ!先程のお客様。」

そこには砂色のコートの男が立っていた。

「さっきは失礼したな。私は白銀雪人だ。警視庁から今回の件に派遣されている。」

「警察の方でしたか。ところでよほど急いでいたように見受けましたが理由をお聞かせ願えますか?」

「ああ、今回の件にも関係するからな。その前にこんな場所ですまないな。空いている場所がここしかないのだ。」

「それは気にしてはいませんよ。あと、雫さんはどちらでしょうか?」

「青華さんには神宮寺警視正が話を聞いている。心配しなくとも今回の件に彼女は何も関わっていないよ。」

それを聞いて少し安堵したがまだわからないことが多すぎる。何が起こっているんだ?

「それじゃあ説明するぞ。まずこの紙を見たか?ここに書かれているのは干支山の鼬寺に伝わる伝承だ。

ところが鼬寺に盗人が入ってな、この伝承の続きが盗まれたそうなんだ。」

「そうですか。それで何か問題があるんですか?」

「もうすぐ干支祭があるだろう。伝承の続きでは神は悪用されぬよう封印されてるんだが、年に一度封印を掛け直すらしい。その儀式が干支祭なんだ。」

「なるほど、つまり犯人はそのタイミングでこの伝承を実行しようとしていると」

「こちらはそう見てるがな。まあ伝承だからな、そんなに気にはしていないよ。」

なるほど、大体の事情はわかった。しかし何で雫さんがここに来たのだろう。あれ?そういえば

「白銀さん、さっき神宮寺’警視正’って言いました?」

「言ったがなにか不思議なことがあるのか。」

「え、だって警視正って偉い人じゃないんですか?」

「あーまあそうだな。まあ偉いほうだな。」

なんで雫さんはそんな人と?いやいやそれより警視正がこんな田舎に来るか普通。

その時白銀さんの部下と思わしき人が入ってきて白銀さんに囁いた。それを聞いた白銀さんは予想の範疇みたいな顔を「葉隠さん。しばらくここで待っていてください。」

と言い残し出ていってしまった。ここはひとまず一度落ち着いて考えを整理してみようかな。


次は月曜投稿ですかね

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