家族の愛に触れて
これで最終話です。
ボクは、驚いた。
両親がボクに、今までのことを謝って来たからだ。
ボクは、そんな大切に思われているとは思っていなかった。
いきなりどうしたのかと、ボクは問う。
両親は、玖砺堵の事があって、怖くなったからだという。
もしかしたら、また暴力をふるったり、暴言を吐いたりするかもしれないけど、そのたびに理由を見つけて謝る、とのことだ。
最初は戸惑った。
そんな甘い言葉で惑わせようとしているのか、そう思った。
でも、両親の真剣な表情を見て、本当なんだなって気づいた。
うれしかった、そんな風に思ってもらえていてたことが。
うれしかった、心配してくれたことが。
両親はボクに、これから仲良くしていこう、と言う。
それを聞いて、ニコっと笑い、ボクはこう返した。
こちらこそ、って。
ボロボロだったココロは、少しだけ回復したような気がする。
それから、しばらくが経った。
今はまだ完全に収まったわけではないが、家族三人で仲良く暮らしている。
今までできなかったことを、たくさんしていく。
ボクの要望も聞いてもらえて、うれしかった。
家族の愛に触れて、ボクはココロが弾むのを、感じていた。
ここまでお読みいただきありがとうございました。誤字脱字があったら教えていただけると嬉しいです。アドバイスや感想も送って下さったら幸いです。