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足りない護衛探し

ここは隣国にある行きつけの居酒屋…


「いらっしゃいま…おい、レイ! お前が外出とは珍しいな」


「来た理由ぐらい察しが付くだろ…? 相変わらず仕事の密談場として利用されてるな…未成年もいるんじゃないか?」


「おいおい、酒を出すのは俺だぜ、客の分別ぐらいついてるよ。 で、何が知りたい?」


「──ッ流石だ。 マスターのお前から見て一番強い奴は…?」


 そう言ってレイはカウンターの後ろで依頼を受けている屈強な人達を指さした


「何する気だ?」


「護衛に…と思ってな」


「護衛? はぁ…また誰かに狙われてんのかぁ? あれ程気をつけろと…」


「違う。 オーケン海に行くからその護衛だ」


「また珍妙なとこに行くな。 目当ての宝石でも見つかったのか?」


「それを確かめに行くんだ。 昨日の嵐があった後に海底から新種の宝石が発見された、調べる価値はある」


「護衛ねぇ…。あ、護衛で思い出した、四番テーブルの銀髪の女性」


「は?」


「彼女に頼むのはどうだ?」  


「........護衛と何か関係あるのか?」


「まぁ…何を隠そう彼女は昨日の嵐の真っ只中、王宮船【アバント号】の護衛をしていた兵士、通称【銀の穿ち屋】、そして唯一の生き残りだ。 オーケン海の嵐については彼女が一番詳しいんじゃないか? と言っても今は塞ぎ込んでる…多分昨日の嵐の事だ、誘うつもりなら難しいぞ」   


「………そうか、なら94番のボトルを」  


「おいおい、良いのか? お気に入りの酒だろ?」


「開ける価値はある」 


 レイは水色に輝くボトルを片手に銀髪の女性へと足を運ぶ、その横顔は生きる希望を無くしたようなドン底のオーラを漂わせていた  


「なぁちょっと良いか?」


「………。」


喋り掛けられてること事態分かってない様子


「おい、アンタに言ってるんだよ…」


「…………え?」


 ようやく反応した彼女はキョトンとした顔で自分のことを指さした


 よく見ると彼女の銀髪には中に赤いインナーカラーが入っており、瞳の色も血を思わせる赤い色…。 そんな彼女の(から)のコップに94番のお酒を注ぎ、対面の椅子に腰を掛ける


「あ~名前聞いときゃ良かったな…。 え~と、穿ち屋、忘れたい事とか色々あるところ申し訳ないが…仕事の話をしにきた。 アンタに護衛を頼みたい。」


「………何処の?」


「オーケン海」


 その言葉を聞いた瞬間、彼女は口元まで運んでいた94番のお酒を手から滑り落とし、ハッ…と我に戻った


「何故…あの海に?」


「調べものだ」

 

「只でさえあの海域は危険な場所、なんせオルリア海域がすぐ真隣にある…」


「危険だってのは重々分かってる、報酬は相場の3倍だす」


 今まで鋭かった彼女の目つきが変わる。次の瞬間、彼女はレイのボトルを奪い取り、縁に口を付けてがぶ飲みを始めた


「………何だ? いいだろ、前金だ?」


「───ッ! 交渉成立か…?」


 レイは酒の入ったグラスを前に突き出す、それに彼女は無言でボトルの縁を軽くぶつけ…乾杯をした

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