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8.変人と胃袋魔人の協奏曲(酔)

名前ミスりにミスってます(申し訳ない・・・)

「何処行くノ?」

「南西の雪山、街周辺、断崖」

「へぇ、テイマーなのカー」

「依頼内容知ってんのかよ」


 師匠と別れる際、紙を一枚渡された。そこ書かれていたのが、以下の内容だ

・※フリーズ・ウィードを5つ採取

・リンクス(薬草)を9束採取

・ラビット系モンスター6体の討伐

・※フレイム・ロックを3つ採取

・※獣系モンスターのテイム

・※鳥類型モンスターのテイム

 である。※が付いているのは注意が必要なクエストで、特に一番上のは

 一人で絶対行くなと言われている。予定が合わなければ先に簡単なものから

 クリアするのが良いだろうが、既に獣型モンスターはテイム済みなので、

 フレイムロックの産出場とフリーズウィードの群生地調べる位しか

 やること残ってないな。・・にしても、まだ付いてくるかこの人・・。


「あ、改めましテ、ワタシはアンネ、アンネ・ローゼウスと言うヨ!

 さっきのはごめんネ!」

「むぅ・・・レン・コールマン、付いてくるのは良いが、はぐれたら

 気にせず進むからな」


 先出し謝罪はもう怒れなくなるから悪びれない位が

 引き離しやすかったんだが。・・しょうがないか。


「それで良いヨ!ありがとうネ!!」


 ・・・・色々話しつつ移動



「すまない、リンクスと言う薬草を知っているだろうか?」

「知ってる。と言うか、目の前にあるだろいっぱい」


 あらまあっさり、指差されたその場所には、いくらでも

 生えている雑草、これがリンクスか。めちゃめちゃ多い。


「・・・成程、ちなみに1束ってのはどれくらいの事だ?」

「基本的に15本1束で売られてる。取った方が早いから

 スズメの涙程の値段だがな〈雷の針(サンダー・ニードル)〉」


 それは助かる。この量だと、下手して100本一束とか言われそうで

 困っていたところだ。ふぅ・・と言っても、15本も多い。しかもこれ・・。


「・・・フン!」


 ブチィ!


「おいおい、取り方には気を付けろよ。雑だと効力が消えるから、

 根っこから引き抜け。体力が有り余ってんならスコップかなんかで

 掘り起こすと良い。と言っても、無さそうか」

「ああ、教えてくれてありがとう。スコップは無いけどな!」

「あードンマイ、アドバイスは気にするな。むしろ聞いてくれてありがとうな!

 あと10分はこの場所に居るからモンスターの心配はあまりしなくて良いぞ。

 ゆっくり採取しときな!!」


 気の良い冒険者のおっちゃん〈レド〉にアドバイスを貰い、

 言われたとおりに引き抜いたリンクスの香りは、やはりと言うか

 薬に似た刺激臭がした。


 ・・・・



「終了、ああー腰が・・・」

「ひゃーくたばめ~」

「あいつ、バケモンかよ」

「おじいちゃんガンバレ~」


 全身鎧のままで普通に薬草集めしてノワールと俺より早いんだもの。

 ってか何なのこの疲労感・・。アレか、幻覚痛?みたいなやつか。


「依頼完了、収集クエストもついでに終わるし、お得だな!」

「ガ(くさいです)」

「まずは手を洗って、その次はテイム!」

「がんばロー!」


 ・・・・移動中:森の中



「こっちのフクロウは夜行性って訳でも無いのか」

「ふわふわしてるー!」


 見た目そのものは実際梟と変わらないが、薄紫色に瞳が光ってる。

 夜行性動物の冷光とも違うが、魔力か?にしても、遠距離の敵

 落とすの面倒臭い・・。


「ノワールのスキルは・・・あー投擲習得してたか

 ノワール、落とせる?」

「ガ、〈スローイング〉」


 ヒュン・・・ドスッッッ・・・!


「ホーーー!!」


 ドサッ!


「んナイスぅ!〈使役(カウゼティブ)〉」


 旋回するフクロウの足元へ的確に投げられた分銅(石を縄で括った捕縛用の

 投擲アイテム)のトルクを受け、直進しながら落下する体をどうにか

 キャッチし、おろしながら使用したスキルの効果でフクロウから青白い光が

 放たれる。しかし・・。


 バシィ!!


「・・・失敗か、成功上昇だけで特に何か有る訳じゃ無いっぽいな。

 〈氷の礫(アイス・ショット)〉」 

「ピギュッ!」


 特に回数制限とかは無いが、個体的にも小さく素材も欲しかったので

 即殺、頑張れば3.4分で終わる作業だし、急がなくても良いから

 効率的に行こう。


「躊躇ないネ、勿体ないナー」

「ただの猛禽類だろ。しかも敵だ」

「・・・ワタシもアナタを嫌いになれそうだヨ」

「?好きにしてくれ、別に誰が誰を嫌うかとか正直どうでも良い」

「ムー、そう言う事じゃ無くてだネ!」


 疑問符を浮かべるレンを前に、さ、次に行こ。と、アンネは

 レンの腕を掴み引っ張った。


 ・・・・



「やっと成功、思ったよりかかったなぁ・・」


 10回目、オウルを探しては落とし時間の経過が著しい。そろそろ

 会社行かないと・・・。・・もうちょい行けるか。


「オオカミの方はもうちょっとすんなり行くと良いな~。あ、そろそろ

 時間切れだ。あと三十分したら仕事でるからな」

「社会人さんカー、大変だネ」


 ん、他人事じゃないか。そしたら・・


「そう言うあんたは学生さんか?」

「まーー、そんな、感じ?」

「絶対嘘、ああん?無職か?」

「ずばずば来るジャン、何かあるのかナ?」

「まあ・・、聞いただけだ。別に答えなくても良い」

「ワタシはシュフだけド」


 ほうほう、専業の方だったか。時間あり余ってんなあおい。


「そか、ちなみになんだが―――」


 と、地味に長くなった話を終わらせるまでに時間になってしまった。

 フレ登録も流れでしてしまった。俺、甘い。んで性別わかんなかった。

 其処ぼかしてどうすんだ??そしてなんだかんだ

 一回も戦闘してねえぞアイツ!!?


 ・・・・社内・第2分所



「で、うちの娘がさあ!」

「あ、居た。阿久津~、このおじさん相手しといて、俺ちょっと

 出てくるから」

「阿久津くんは・・ちょっとー、ね?」

「いいっすよ。じゃあ、今回は北の方で会った大学生の女の子のお話を」

「ちょっと、克己君ーーー!!!」


 阿久津の相手をさせられるのはかわいそうだが、こっちはお仕事の時間だ。

 今度昼飯驕るから許して欲しい。あてがったの俺だけど。


「よーし、おはよう〈ノエル〉馬鹿な上司は元気かな?」


 ・・・



《そのクソ上司って君の友達じゃなかったっけ?》

「おい、誰もクソなんて言ってないぞ」


 汎用型テクスチャ専門製作AI(ついでにキャラクター毎の

 ルーティンワーク設定)ノエル、頑張って命先生と穂積使って作らせた

 ちょっと気まぐれな真面目くんだ。製作物はSFとサスペンスが多めで、

 ホラー描写はマジで一級品。みことさん加減して下さいお願いだから・・。

 と穂積にまで言わしめる位には作りこんだ結果、三度処分(・・・・)していたりする。


《おっと、これは失礼だね。アリスと〈アスク〉の進捗だっけ》

「アスクはいい(・・)、アリスのメイン・ブレイン起動と

 補助で〈ラビリンス〉を、面倒だから相手方に介入されたくない」


 下準備は一応終わった。アリスの導入には少々足りないだろうが、

 予約しておけばどうにかなる。うち(・・)が煩くなるのが面倒だが。

 6年前(・・・)に戻るだけとも言えるからそれ程気にしなくても良いか。


《また記録を書き換えるつもりなの?まったく、君の上司は大変だね》

50年(・・・)を決める選択だ。茶化すなよ」

分体(・・)が怒りそうな事言うなぁ。また調べ直しだ》

「それと、ラプラス(・・・・)の調査結果に変数(・・)を入れたい」

《え、マジ?》

「使い物にならなくなる前にリサイクルだ。どうせ数年で廃れる」


 事象測定機構ラプラス、残念ながら不完全な未来予知、を可能とした

 最初のコンピューター、それのアクセス権を、アリス、

 クイーン・オブ・ハート、0-Z(ゼロジー)、レイン、

 ノエル、サーペント、アルティニの7体がもっている。

 うちの保有は二つ、残り3体は国が、他2体は現在休眠・・・

 起動してない。この案件が転がり込んだ理由としては、

 うちに所属するある男達が関連しているのだが、まあ長いし

 しょーもない連中なので、機会が有れば話そう。


《2号機完成は三年後なんでしょ?なら普通にアウトだと思うけど》

「別に事象の観測が変化する訳じゃない。1つだけ知りたい情報を

 追加で指し示す。それだけだ」


 とっても大事な、俺だけ(・・)の指針。だから、詳細は言わない。

 けれど、まあ、大切なことだ。特にアリスを起動する(起こす)なら。


《7日後に起動可能、〈マイティ〉に頼んどく?》

「要らん、うちのアクセス権譲渡は帰ってくるまで渡すな。アイツの

 本体とか、拡張しないとうちが沈む(・・)


 マイティー来るとあの子(・・・)の落ち込み度合いすごいから

 お通夜みたいになるんだ。これは俺が悪い(・・・・)んだが。


《はいはい、あ、あの子から連絡「黙っとけ、まだその時じゃない」・・

 キミ、嫌われるよ?》

「大丈夫だよ、あいつはそう言うの気にしないから」


 連絡無視ももう少しで終わるし、今度埋め合わせはするって。それに、

 あいつも含んでる(・・・・)からな。絶対に悟られる訳に行かないんだ。


《ん、早いね。もう帰り?》

「まあな、食事を驕る約束をしちまったんだ」


 どうせ社食だと思ってたが、良く考えたらあいつら全員自炊勢だった。

 俺、普通に社食全盛り(1850円)で済まそうと思ってたんだけどなぁ。

 普通に喰い切れないし、何人かと協力して食べる事になるから若干嫌だが。


《みこちゃんとか、遅い位だね》


 お前、ワンコ先生の事みこちゃんって呼んでるのか。


「ブー、つばさとヒサだよ。ワンコ先生は誘ったけど断られた」

《いい加減、一人の時に吐くその意味わかんない名前やめない?

 普通にみことで良いじゃん》

「犬飼っていたがってるからワンコ先生だぞ。何処が分からないんだよ。

 命はまあ、本人の前では使ってるよ。本人曰く、どっちでも良いらしいけど」


 でも、ちょっと嬉しそうな気がするから基本名前呼びなんだけど、

 時々口をついて出るんだよねー。ワンコ先生、にゃんこ先生みたいで

 良くない?


《飼ってないんだよなぁ。そこ大事でしょ》

「思いついた名前言ってるだけなんだから細かい事気にするなって」

《それ言ったら許されると思ってない?》

「そだよ」

《だーかーらーさーー!!》


 なんて無駄な会話を延々続けながら、予定の時間まで暇をつぶしたとさ。


・・・・会社前



「まだか・・・久人ぉ、お前も遅いぞ」


 集合時間の五分後、先に久人が到着した。が、つばさはまだの様だ。

 と言うか、なんだその汗?


「ごめんねー、ちょっと野暮用が有ってさ」

「ふーん・・・くんくん」

「え、なに!?」


 ほうほう、シャンプー匂いと女の香り。なんなら香水まで感じるじゃないか。

 お前・・・。


「女抱くならその前に呼ぶなよ。・・・って、おいマテ、オマエまさか・・」

「抱いてない抱いてない!!ちょっと社内のトレーニングフロアで練習に

 付き合わされただけだよ。おかげで遅くなっちゃった。ほんとにごめんね」

「・・・強かったか?」

「全国行ける位、多分高校生だろうけどね」


 それは・・・凄いなその女子高校生、って何で高校生?

 うちのジム関係者しか入れない筈なんだが、・・誰か入れた?


「御剣さんかアホの山田か川城さんにでも頼まれたか?」


 内容がぶっ飛び過ぎてこの面子以外そんなの頼む人は多分居ないと思う。が


「さあね、社長からの辞令だったし」


 あの人が辞令ねえ、妙な事もあるもんだ。


「で、もう一人のうっかり者はいつ来る?」

「さあ、知らない。でもお店の場所は分かるから、先に行ってようか。

 連絡しといて」

「連絡先知ってんの?俺は知らん」

「えー、僕から教えるのー?じゃあ僕から連絡しとくよ・・。行くよ!」


・・・焼肉屋・籠



「ん、羽唯(うい)ちゃん空いてるって、呼ぶ?」

「マジでやめろ」


 そう言う気遣い迷惑です。ほんとに。


「そう?」

「んだよ、最近連絡してんのか?」

「別にー、でも、あの人からはちょくちょく来るかな」


 あの人、無いし姉御とか姉さんとか呼ばれてる人〈本条 美咲〉は、

 高校時代のカリスマと言う奴に分類される。集まりには大体顔を出すし、

 なんなら主催もする人だ。会ったことはあんまりない(同じクラスだったけど)。


「美咲さん怖いからなぁ、俺は集まりの参加率ほぼゼロだしもう会ってない」

「とっても心配してたから、今度連絡してあげなよ」

「いやいや、あの人が心配するのはいつだってうーたんだよ」


 昔の印象が強いせいかもしれないが、少なくとも、彼女から好意的な

 イメージを抱けるほど良い交流関係を築けた記憶が無い。いや、

 ないだけ(・・・・)かも知しれないが。


「かっちゃんってあの後自分の端末確認したの?」

「あー、知らん名前多すぎ問題で触ってない。しかもそいつら、

 入院(・・)してる奴に連絡一つ出さない薄情者だぜ?」

「理由知ってるでしょうが、あ、まーた意固地になってさぁ」


 強張った顔でむすっとした様子の友人に、ほれほれ~機嫌直せー。

 とせっつく中、その女性が息を切らして入店した。


「はぁ・・・はぁ・・・ッおまたせ、しましたー!」

「酒飲まねえから気にすんな。はよ座れ今焼くとこだ。って、・・ん、

 お連れさん?」


 連れていたのは茶色がかった金髪をなびかせるモデル顔負けのスタイルと、

 少し露出を抑えたワンピースを着た、ちょっとばつの悪そうな顔をした

 女性だった。どしたの、無理矢理連れて来られた?


「えーっと、ちょっと痴漢被害に会われた方と仲良くなりまして」

「あー・・色々あるが、一旦外そうか?と言うかお前正気??」


 基本的に、そういう被害に会った人間と加害者に属する性別の

 人は一緒に居ない方が良い。性被害とはちょっと違うが、それでも、

 普通に怖いだろ。


「あ、いえ、女性の痴漢被害なので大丈夫です!」

「こういう人です!」

「いやだからってほいほい付いて来ちゃ駄目でしょ」

「そだな」


 能天気が二人に増えた気がする・・。でもめっちゃ美人、

 肌がほぼ焼けておらず、白い肌が装飾品を際立たせている。

 あと口調と比べてなんとも心地良い声、これは被害に遭うの

 初めてじゃないだろう。だってどちゃくそ美人だもの。


「てか会社からここまで徒歩じゃね?」

「はい、公園付近で危なそうだったんで持ってきました!」

「それはそれでやべえ奴なんだよねぇ・・・あ、初めまして、塚本久時と言います」

「〈朝月 凛〉です。はじめまして~」


 ・・・・30分後



「飲みますね」

「いやな事が有ったからいっぱい飲みたいんですよ~」

「潰れたら家まで送れそうか?」

「ぁい~?」


 酒飲み三人は流石にちょっと相手したくないんだよなぁ。と言うか、明日も

 仕事の癖にお前等どんだけ飲むの・・・。峯里ヤメロ、お前は弱いんだから

 付き合ってビール頼まんで良い。


「住所は聞いたから~、だいじょぶー!!」

「かつみんは飲まないんですかぁ?」

「気持ち悪いだけだから飲まん。んでこぼすな、流石に呂律が死んだら強制で

 帰すからな。お前、一人暮らしだろ。鍵落とすなよ絶対、もう泊めんからな!!」


 新卒の時のあの一回は絶対忘れんからな!弱いんだから飲み過ぎない!

 掃除めっちゃ大変だったんだから!!


「最悪(りん)さんのとこ泊めてもらうんで良いですよーだ!」

「いつでも来てね~、歓迎するよぉ~」

「あなたは子供の事考えてこのアホを止めて下さい。絶対怒られますからね!?」


 話を聞いてみると、公園に居たのは保育士の先生で、彼女は娘の

 話だと呼び出されたらしい。で、手を出されそうになったと。続きは

 面倒だったので、昔付き合った最悪の彼女ランキングで乗り切った。

 なお、久時のを自分のっぽく話しただけだ。他意はない。決して。

 あのやろう、聞いて無い事までペラペラ話しやがって・・。絶賛

 睨まれ中なのは気にしない。お前が悪い!


「大丈夫ですよぉ、家には叔母さまが居ますし、旦那さんは朝まで

 ぜぇったい帰ってきませんから~」

「浮気の話を仄めかすんじゃねえ酔っ払い!」

「あはは~ばれたか~~」


 こうやって、重い話を軽く言うのがこの人の特徴だ。内容は少ないが、

 とても濃いので既に出来上がった二人がずっと笑っている。なんなの

 この人周りのドロドロ度合は!?


「小学校の先生です~?」

「うちから右に二件目に居る奥様よ~、あと、音楽の先生と

 ジムの女の子ともだねぇ~」

「最低~あっはっは!!」


 何故こういう話になるとこいつが笑うのか、駄目だな。知りたくない。


 ピロン


「あ・・・う”ー、みことさんめー、お泊り断られました!!」

「え、あいつもう帰ってんの?」

「なになに~、わたしにも教えてくださいな~」

「会社の先輩さんで、近くのアパートに住んでるんですよぉ!」

「落ち着け、ほれ水」


 ゴクッ・・ゴクッ!!


「あー、お冷お代わりで、あと、Aセットとご飯は大盛2、普通1で、

 取り皿を8皿追加、あと、終わった物を片付けてもらっても宜しいでしょうか?」

「かしこまりました。少々お待ちください。・・先にお飲み物だけでも

 お片付けしましょうか?」

「お願いします。その空瓶取って、それそれ」

「こえれすかー、どうぞー!!」


 そろそろヤバいか。これ三人ともちょっと潰れそうなんだよなぁ・・・。

 でもなー、こいつウコンとジュース系大体駄目なんだ。他はー・・えー、

 途中でカラオケ行って飲ますか。ちょっと危ないけど・・ん?


「ありがとうございます。・・・メニューには無いのですが、

 レモネードをお持ちいたしましょうか」

「ぜひ、炭酸で割っていただけるとありがたいです!」


 さらに注文を付けるのはとても気が引けるが、そもそも炭酸系で

 騙さないと受け付けないだろう。水でも一名拒否してるし。

 と言うか久時、お前甘ったるいジュース飲めるだろ。飲めよコラ!


「かしこまりました。タクシーのご連絡は?」

「大丈夫です。一人は酔ったふりしてるだけで、もう一人は多分、

 遊びたいだけっぽいので。」

「そうでしたか、これで失礼致します。ご注文が有れば、お声がけください」

「滅茶苦茶良い人じゃん」


 先程の雰囲気とは打って変わり、軽い調子で語りかける友人の声に、

 ったくよーと頭を掻く。


「2人の事投げようとしたよな。やめろよマジで」

「大学生くらいかなー、明るいけど自信の無さそうな顔、高校では

 あんまりうまくいってなかったのかな?」

「・・・おい、怒るぞ」


 俺の前で品定めするな、普通にイラッとする。


「同じ大学の後輩に気を使ったりしないのかっちゃん?」

「同じ大学の後輩だろうが・・・待てお前、なんで?」

「顔見てスキャン」

「権力怖いわー。悪用すんなよ、俺が死ぬ」

「作ったの君じゃん?」


 作:マイティー 案:穂積 試験登用:久時、千崎、御剣、社長とか言う

 問題起きたら俺がクビになるセット積んだんだから、

 外部に漏れると高確率で倫理問題で開発禁止になりかねないやつなんよそれ。


「まあ、今は予定みたいだけどね。高校三年生、って事は推薦組かな。

 高校もうちと同じ、縁を感じるねー」

「手を、出すな。ぶっ飛ばすぞ。と先に言っとく」

「・・ま、大丈夫、上手くやるよ」


 へぇ、そうかい。上手くが別の意味じゃ無い事を願いますよ。っととと!?


「盛り上がってんじゃねえですよ」


 ガッ


「のけ者は嫌で~す」


 ガッ!!


「待ってくれ、久時じゃん!むしろ今の全部久時くんが発言してたじゃん!!」

「もんどぉ~むよう~!」

「理不尽か!?」

羽唯(・・)ちゃんの話聞かせて~」

「聞かせなさい~!」


 この後酔っ払いに巻き込まれ、カラオケで1時間半位全力で歌って死んだ(煙)


(あらましは次回)

テイム確率は、同格だと相性次第ですが

基本10%(聖杯使用時18%)です。

確率の煽りの所為で今回は失敗しまくりました・・・。

ちなみに、合意の上だと基本100%です(この場合、主従関係が無い事が多いです)。

割と運の悪い主人公でしたとさ。

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