五話 アルデルン王国王都にお出掛け
長らくお待たせしました!
宜しくお願いします!
イリアスとユリーシャ、エルグとルルーシャが急用で出て一時間、僕は花菜と食事をとり王都に出かける支度をしていた。
「花菜…準備出来た?」
「うん!」
「じゃあ…行こうか!」
「王都初めてだから楽しみ!」
花菜は笑みを浮かべそう言う。
「主…お出かけですか?」
「悠真も出かけるの?」
靴を履き出掛けようとする僕と花菜にアルとエリが声をかけてきた。
「うん…王都にちょっとね!アルとエリも何処かに出かけるの?」
「はい!最近エリとデートに行けてなかったので…王都に出掛けようかと…」
「ちょっ・・・」
エリは顔を赤くしてアルを見る。
「えっ!?2人って…その…」
「あー…付き合ってるんです!他の人には内緒ですよ?もちろんユリーシャ様とグランデル様にも内緒でお願いします…」
花菜はビックリして僕の裾を引きアワアワしている。
「花菜…驚くのは仕方ないけど僕の裾をそんなに引かないで…ねっ?」
僕はそう言いながら花菜の手をポンポンと軽く叩く。
「なんだか驚かせてしまってようで…すみません…」
驚いている花菜を見てアルはペコリと申し訳なさそうに頭を下げてそう言った。
「えっ……いや…うん…驚いたけど…うん…あれだね!人それぞれ色んな愛の形があるよね…うん…」
花菜はそう言いながら自分を納得させようと頷きながらそう言った。
「アル………まだ?」
僕らが話しているとアルの裾を軽く引きながらエリが言う。
「あっ…ごめんエリ…あっ!そうだ!主方も王都に行かれるんですよね?」
「うん…そうだけど?」
「でしたら、私たちと一緒に行きませんか?」
アルは手を合わせそう言う。
「えっ!?」
アルの言葉にエリは目を丸くし小さな声でそう言った。
「いや…せっかくのデート邪魔しちゃ悪いよ…」
しょんぼり顔のエリを見て僕はそう言う。
「しかし…」
「花菜と昔の事、ここに来てからの事、色んな話をしながら王都観光もしたいんだ…中々二人っきりになるチャンスなかったからね…だから、二人は二人で、デート楽しんで!」
僕はそう言って外に出ようとするとアルが僕のてを引き留めた。
「では、此を被り王都へは行ってください!」
「これは?」
「認識阻害が施されたマントです!」
「認識阻害?」
「此を身に纏うとその人が何処の誰なのか分からなくなるマントです!」
「どうしてこれを?」
「お忘れですか?主は今やアルデルン王国とグランデル王国を救ったこの世界の英雄にして、アルデルン王国第一皇女であるユリーシャ・アルデルン・フォックス様とグランデル王国女王であるイリアス・グランデル様の伴侶候補にあげられているのです!そんな中、何の対策もせず王国に入ってしまったら国中は大パニックになります!主と花菜さん二人で行かれるのであればこのマントは必需品です!王国の門番たちには私が事情を言っておきます!くれぐれも正体がバレないように気をつけてください!」
「うん…分かった!」
捲し立てるように早口で言ったアルに呆気を取られ僕はそう答えマントを身につけ屋敷をでた。
「これがグリフォン?」
「こっちの世界ではグリフィンって言うらしいよ?」
「へぇー…」
僕は屋敷から出るなり最近手懐けた…と言うか、王様からプレゼントされ手懐けた立派なグリフィンを呼んだ。
「グルルルル…」
グリフィンは僕の元に来るなり甘えた鳴き声で頭をすりよせる。
「くすぐったいよ…フィル…」
僕はグリフィン(フィル)の頭を撫でそう言う。
「この子私が乗っても大丈夫なの?」
花菜は、不安そうに僕を見てそう言った。
「大丈夫だよ?」
僕がそう言うと花菜はフィルにゆっくりと近付き手を差し出す。
「……………」
フィルは差し出された手を見て僕を見た。
「……………」
そんなフィルに僕は軽く頷く。
フィルは差し出された手に顔を近付けそっと頭を押し付けた。
(ビクッ…)
っと花菜は体を震わせる。
「くわー?」
フィルは体を震わせた花菜を心配するように優しい声でそう言う。
「わー!ふわふわ!」
そんなフィルの思いが伝わったのか花菜は目をキラつかせそう言う。
「ねっ?大丈夫でしょ?」
「うん!フィルちゃん…ありがとう!今日は宜しくね?」
「ぐわー!!」
「さっ!じゃあ王都に出発しよう!」
僕はフィルに乗った後花菜に手を差し出しそう言う。
「うん!」
花菜は笑顔で僕の手をとりフィルに乗る。
そうして僕たちは王都へと出発した。
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無事王都門前に着いた僕と花菜はフィルと別れた後、東門を潜り王国に入る。
「わー!ここが…」
「東のカーペルだよ?」
「カーペル…なんだか東京みたいね?」
「人がいっぱいだからかな?僕も最初そう思ったよ…東京とは見た目は全然違うのにね?」
僕と花菜は目を合わせ笑いながらそんな話をする。
認識阻害マントを着ているお陰で町の人達は僕らに目もとめない。
ただ町の人達が話している内容はほとんど僕がランクルスを倒した話とユリーシャ、イリアスとの結婚の話でもちきりだった。
「悠真君…このマント着て来て正解だったみたいだね?」
町の人達の話を聞きながら花菜が言う。
「うん…そうだね?アルにお礼言わないとね?」
僕と花菜はスムーズにカーペルの町を抜け王都ファルファットに入った。
「うわー!外国のお城だー!」
ファルファットに入ってすぐ目についたお城を見て花菜が目をキラつかせながらそう言った。
「すごいよね?僕も初めて目にしたときは驚いたよ…」
「賑やかさもカーペルとは随分違うんだね?」
「そうだね?カーペルが東京ならファルファットはニューヨークみたいだよね?」
僕らはそう言いながらファルファットを観光する。
「これなに?こっちは?」
花菜はこっちの世界の珍しい物を見て目を輝かせながら僕にそう聞いてくる。
「くっ…くくっ…」
「何?何笑ってるの?」
「いや…だって…花菜の反応が子供みたいだからつい…」
「えっ…そんなに?」
「うん!そんなに!」
「「くっ…ははははは!!」」
僕と花菜は目に涙を浮かべながら笑った。
「ふふっ……悠真君…」
暫く笑った後、花菜は急に真剣な顔でそう言って僕を見る。
「ん?何?」
僕はキョトンとした顔で花菜を見てそう言う。
「温かい…生きてる…悠真君と私話してる…」
花菜は僕の頬を触り目に涙を浮かべながらそう言うとそっと僕の唇にキスをした。
軽いキス時間に例えると数秒くらいの短いキス。
「えっ!?花菜…さん…これは…」
唇が離れてすぐ僕はそう言うと僕が言いきる前に花菜が僕の唇に指を当て口を塞いだかと思うと静かに話し出した。
「ずっと…ずっと会いたかった…あの町を去ってから悠真君を忘れたこと無かったよ…悠真君が死んだって聞いたとき私気が狂いそうだったんだよ…私の心の支えは悠真君だけだったから…聞いてくれる?悠真君と別れてからの私の話を…」
「うん…聞こうと思ってた…だから二人で話したかった…誰にも邪魔されずに…二人きりで…」
「うん…」
花菜は静かにそう頷いた。
僕らは場所を大通りから静かな公園に変えベンチに腰を下ろし少しの沈黙の後、花菜は口を開き話し始めた。
僕と分かれてからの花菜自身の話を…ここにこの世界に来るまでに至った経緯を…
最後まで読んでいただきありがとうございます!
今後ともモテ僕を宜しくお願いします!




