二話 人知れない森と洞窟での話
ドラゴンとの決戦が行われた地より少し北にある地図に存在しない森の洞窟…
「主様…只今戻りました…」
《戻ったんだね…僕の可愛い召し使いちゃん!…で?進境は?》
「………はぁ………その呼び方はどうにか出来ないのですか?まぁ…その話は今はいいですね………報告します…主様から言われた通りわざと負けた後…身近でアイツらを見てきました…事は順調に進んでます…主様の命令とはいえアイツの顔を見て過ごす日々は地獄の様でしたが…」
黒マントを羽織った男が握り拳と歯に力を入れ椅子に座る“主”と慕う者にそう告げる。
《もー君はいっつも前降りが長いんだよ……でも……ふふっ…気分が悪くなった……ね………まぁ、そうだろうね?じゃあ此方においで!その憎しみ・怨み・怒り君が抱いている物全て僕の大好物だからね?はぁー…ゾクゾクするよ!君のその顔見てると…もっと近くで見せて…あぁー…君の憎くて憎くてたまんない顔…いいねぇーふふっ…》
“主”と呼ばれる男は黒マントの男を手招きし近付いてきた男の顔を覗き込み“主”と呼ばれる男はうっとりとした表情でニヤリと不気味な笑顔を浮かべそう言った。
《うん…堪能したよ!精神的に疲れただろう?明日は休みにしてあげるから奴隷として連れてきたこの女…好きに使って癒されな!》
“主”と呼ばれる男は鎖の首輪を着けボロ着ぬを纏った若い娘を黒マントの男の前に突き飛ばした。
「ありがとうございます…では…有り難く休暇を取らせて頂きます…………娘…来い…」
「………………」
ボロ着ぬを纏った若い娘は鎖を引っ張られ立ち上がり“主”と呼ばれる男に一礼をさせられトボトボと暗闇に消えていった。
《さて……しばらくは動けないし…新しい玩具で僕も遊ぼうかな?》
“主”と呼ばれる男がパチンッと指を鳴らすと一人の娘が目の前に現れた。
娘は恐怖で声でずブルブルと震え下を見つめる。
《ふふっ!いいね?その顔…ゾクゾクする…さて君はどれだけ僕を楽しませてくれるかな?簡単に壊れたら駄目だよ?》
口にボールを加えさせられた娘は泣いて唸りながら奥の部屋に連れていかれた。
「はぁ……」
洞窟を出た黒マントの男はため息をつきながら娘を見る。
「……………」
娘は顔を下に向け男を見ようともしない。
「娘……」
「…………」
「おい…口がついてないのか?それとも喋れないのか?」
「………しゃべっても…いいのですか?」
「喋るのに許可は…あっ……そうか……主様の元にいたからな……娘……」
「はい……」
「俺の前では許可を取らなくても喋っていいし、何かあるなら遠慮なく言ってくれていい…で…お前の名前は?」
「……………テイル……です……」
「テイルだな……俺はクレマ…」
「クレマ………様………」
「そうだ……じゃあテイル…これから新しく暮らす家に案内するから俺に捕まっててくれ…」
クレマはテイルにそう言うと服の裾をテイルに握らせた。
「よし……じゃあ行くぞ?」
「はい………」
「我が精霊よ我の言葉を聞き扉を開け行き先は…………我が住まい………」
クレマがそう言うと二人の姿見がその場から消えた。




