修羅場
お願いします!
「ふぃー…今日も疲れたー…」
僕はそう言ってベッドに倒れる。
「あれからもう1ヶ月がたったのか…」
《悠真…今日もお疲れさま!》
天井を見上げてボソリと独り言を言う僕にアルンが声をかけてきた。
「あー…アルン…うん、お疲れー」
僕は途切れ途切れにそう言う。
《かなり疲れてるけど大丈夫?》
「まぁ…きついけど大丈夫だよ?」
アルンの心配する声に僕は腕で顔を覆いながら言う。
1ヶ月前…僕があの話を二人にした後、他の皆にも話した。皆は話を聞き、僕に全力で協力するといってくれた。皆協力してくれているが未だに僕の中に眠っている力は覚醒しないでいる。
「アルン…どうやったら、覚醒してくれると思う?」
《うーん…答えてあげたいけど、僕にも分からないからなぁ…》
「そっか…」
「はぁ…」
《はぁ…》
そんな会話をしながら、アルンと僕は同時にため息をついた。
「どうしたんだ?」
「のわぁっ!」
いきなりの声に、僕はビックリして、ベッドから転がり落ちた。
「おい…大丈夫か?」
「いてててて…うん…大丈夫だけど…いきなり声かないでほしいかな?」
頭を擦りながらそう言って顔をあげると心配そうに僕を見るイリアルがいた。
「すまない…何回か声かけたんだけどな…よっ!」
イリアルはそう言って僕の手を握り、引っ張る。
「そうだったの?ごめん…少し考え事してた」
「そうか…邪魔したか?」
「いや…大丈夫だよ?どうしたの?」
申し訳なさそうにそう言うイリアルに僕は微笑みながらそう言った。
「いや…明日はどうしても出ないといけない会議があるから、稽古は出来ないと言いたかっただけだ…」
「そっか、うん、分かった!」
僕は頷きながらそう言った。
「悠真様…明日のことでお話が…」
僕とイリアルの話が終わってすぐにユリーシャがそう言いながら部屋に入ってきた。
「どうしたの?」
「あれ?イリアル貴方ここにいたのですか?」
ユリーシャはイリアルを見ながらそう口にする。
「あぁ…明日のことを言おうと思ってな!」
「そうですか…イリアルもですか…実は私も明日は用事がありまして、稽古は出来ないのです…」
ユリーシャは申し訳なさそうにそう言った。
「ユリーシャもか…それじゃあ、明日は…」
「みっちり、勉強の方だな!」
「ですね!」
「了解!」
僕はニコリと笑うとそう言って親指を立てる。
「悠真…」
「悠真様…」
二人はそう言うとガバッと僕に抱きついてきた。
「んっ?なっなに?」
僕はアワアワとしながらそのままベッドに倒れこんだ。
「悠真…愛してる!」
「悠真様…大好きです!愛してます!」
「ふっ…ふたりとも…ちょっ…まっ…」
二人の柔らかい胸が僕の腕に当たり僕の頭は真っ白になる。
「ちょっ…悠真!?」
「悠真様!?」
気づいたら僕は、部屋を出て別の部屋に入っていた。
「ん?ここどこの部屋?」
僕は暗い部屋を見渡すがなにも見えない。
「あっ…んっ…アル…ちょっ…そこはっ…」
「えぇーエル、そう言いつつかわいい声でてるよ?」
「そっそんなこと…ひゃうん!」
二人の会話となんかなまめかしい声が聞こえる。
(ここまさか…)
僕はごくりと唾を飲む。
「あっ…あー!」
僕はどうやらアルとエリの部屋に入ってしまったようだ。
(ここはそっと部屋からでよう…)
僕はそう思い静かに部屋から退散しょうとした時…僕の鼻がすごくむず痒くなり…
「ヘクチッ!」
くしゃみが出てしまった…。
「誰?」
エリに気づかれ部屋の電気がつく。
「「あっ…」」
エリと僕は呆然とした声と共に固まる。
「あっ!主?どうしたんですか?」
アルは驚いたように僕をみる。
「いっいや…なんか無意識で入ってしまったみたいで…ごっごめん…」
僕はそう言って部屋から立ち去ろうとしたとき。
「見た?」
エリの冷たい声が背筋を凍らせる。
「いっいや………聞こえただけで見てない…」
僕は体をびくりとさせながらそう言う。
「ふーん…聞いてはいたんだね?貴方、記憶…抹消魔法って知ってる?」
エリは淡々とそう言葉にする。
「知らないけど…」
僕はなおも後ろを振り向けずにそう言う。
「そう…この魔法は少し痛いけど効果は抜群みたいなのよね?」
「エリ?何を?」
僕はそう言いながら、恐る恐る後ろを振り返る。
「その魔法は簡単なのよ?これで一叩きするだけ!」
振り返るとそこにはこん棒を持ったエリがにこりと笑いながら僕を見ていた。
「えっ…エリ?それ、魔法じゃないから!物理攻撃だから!」
「えー魔法ですよ?くらえー!」
エリはそう言うと僕に襲いかかってくる。
「うっ…うわー!!!」
僕は慌ててドアを開け部屋からでる。
「待ちなさい!」
僕に続いてエリがでる。
「わざとじゃないんだ許してよ!」
「問答無用!」
追っかけ回される僕は曲がり角で誰かに腕を捕まれ部屋に入れられる。
「ん?ん?」
「静かにしててください!」
僕は、誰かから口を塞がれモゴモゴとなる。
「何処いった?」
ドア越しにエリがそう言いながら、遠ざかっていく。
「ふぅー…ゆうま…様…エリ…怒らせるとダメ…ですよ…」
そう言いながら、口から手が離れる。
「えっ?りっ…リリア!?」
僕は驚き後ろにジャンプする。
そして、後頭部を壁にぶつけた。
「いてててて…」
「だっ…大丈夫ですか?」
僕が頭を擦っていると、リリアが心配そうに此方を見ながら手を差しのべてきた。
「うん…大丈夫、大丈夫!」
僕は、その手を取り立ち上がろうとしたのだが、バランスを崩してしまい、リリアを引っ張ってしまった。
(ドスン!)
「いたたたたっ…」
「いててっ…あっごめん!リリア…」
そう言って目を開けた僕は、唖然となる。
「だ…いじょうぶで…」
目を開けたリリアも僕同様に唖然とする。
「リリア!?凄い落としたけど大丈夫?」
そうエリの声がし、勢いよくドアが開かれる。
「はぁ?」
「あっ…」
リリアの上に被さる僕をみてエリは鬼の形相で僕を睨んでおり、僕は冷や汗をかきながらエリを見てそういった。




