僕の正体
大変ながらくおまたせしました!
よろしくお願いします!
『二人ともそこまでにしてくれるかな?』
光の中からまた一人、背筋をピンと伸ばし佇む若い男が姿を見せた。
『『フォルン!』』
二人は若い男を見てそう言う。
『はぁー…こんなに世界をメチャクチャにして…』
フォルンと呼ばれた若者はため息をつきながら二人に言った。
“ウェルス”は正気を取り戻し辺りを見渡す。
そこには地獄のような世界が広がっていて“ウェルス”が愛した美しい世界はみるも無惨な状態に変貌していた。
『……』
自分がおかした重大な過ちを目の前にし“ウェルス”は気を失い崩れ落ちるように地面へと急降下しかけたときだった。
『っと…』
フォルンは気を失った“ウェルス”の手を素早くとり抱き抱えた。
『はぁ…ほんとに…』
薄れ行く記憶の中、ため息をつきながら“ウェルス”を見るフォルンを見ながら“ウェルス”は目を閉じた。
そこで世界は真っ暗になった。
「私はここで完全に気を失ってしまったので記憶の映像はここまでしか残っていません…なのでここからは悠真…あなたの記憶…」
「えっ?ちょっ…待って…」
僕が戸惑っているなかウェルスはまた呪文を唱え黒の世界が白に染まるそして、またあの世界が見えてきた。
「ちょっ…どういう…」
「これを見ていればおのずと分かると思います…とくに貴方はねアルン…」
「えっ?」
僕はウェルスの言葉の意味が分からず混乱していた。
《僕…ここ…なんか知ってる…》
途切れ途切れでアルンはそう口にした。
「えっ…じゃあ…」
僕の顔を見てウェルスは静かに頷いた。
その意味から察した僕はその世界に目をやる。
『…………くくっ………』
シンテスは下を向き静かに笑う。
『ん?何がおかしい?』
下を向きニヤリとするシンテスにフォルンは首を傾げてそう聞いた。
『ははっ!まさか、あなたが来るとは…』
シンテスは不気味な笑みを見せながらフォルンに言う。
『どういうことだ?』
フォルンはシンテスを見返しそう聞く。
『あなたとも一戦交えてみたかったんだぁー!嬉しいなー!』
シンテスはなおも不気味な笑みを浮かべ、フォルンを見てそう言った次の瞬間
『ぐはっ…』
シンテスはそう口にして、いきなり動かなくなった。
一瞬のことすぎて僕は目の前で何がおきたのか分からずにいた。
『よし…』
フォルンはシンテスが動かなくなったのを見るとそう言って地面に向かってゆっくりと降りる。
フォルンが地面に足をつけると共に地獄絵みたいだった景色がみるみる代わり、自然溢れる景色に変わった。
そして、目の前は真っ暗になった。
「フォルンは悠真、君なんだ…そして、君の中には…」
真っ暗闇の中でウェルスがそう言ったのを最後に僕の意識は薄れていった。
目が覚めると僕は屋敷の自室に横たわっていた。
何時からいたか分からないが両隣にイリアルとユリーシャが吐息をたて眠っていた。
(かわいいな…)
ボーッとする中、僕はそう思いながら強烈な睡魔が襲いそのまま眠りについた。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
かなり時間がかかり待たせてしまった読者の皆様すみません…
これからもこのようなことがありますがよろしくお願いします!




