魔王との出会い!グランデル王国へようこそ!
今回は少し短いと思いますがすみません...。
最後まで読んでくだされば幸いです。
僕は、ドラゴンに咥られ、どのくらいの時間が経っただろうか...周りの景色は徐々に真っ暗になっていき、草木は枯れ果て動物たちの死骸が、地面に転がっている。
僕は、それらの死骸を見ながら、ドラゴンの口の中で色々と考えていた。
(えーと...僕は、殺されるのですか?...なんて口が裂けても言えるわけない!)
僕は、(ブンブン)と首を振っていると
「おい!あんまり動いたら誤ってドラゴンが、噛み殺してしまいそうだから、大人しくしていろ!」
とドラゴンの背に乗っている...魔族?に言われたため、動きを止めた。
「全く!殺すのは得意だが、生け捕り...しかも、傷が一切着かないように運べとか、無茶言うよな!グランデル様は...神経使って嫌になる!」
魔族?がそんな事を言っていると目の前が急に開け太陽が差し込んだ!下を見ると建物が並び立ち、一見アルデルン王国と変わらない景色に見えたが、そこを歩く者達は、尻尾が生えていたり、角が生えていたりする魔物だけど、昔絵本で見た魔物とはかなり違う雰囲気だった。すると、僕の目の前に大きなお城が見えてきた。
魔族?は門の前にドラゴンを着地させると、門番に紋章を見せる。
(そう言えば、ユリーシャが持っていた紋章はあまりよく見えなかったけど、確か、鷹と剣をモチーフにした紋章だったような?)
そう思いながら僕は、魔族?の紋章を見る。今度はチラッとだけどハッキリ見えた。それは、蛇と杖をモチーフにした紋章だった!
(あの紋章、それぞれモチーフにしている物は違うけど、形は似ているな?何でだろう。)
そんな事を考えていると、門の扉が(ギィー)と鈍い音を出しながら開いた。
魔族?いや、もういい加減にこいつらは魔族だな!まぁ、言い方は後ででも変えられるから良いとするか。
魔族がドラゴンに向かって手をグーからパーにして合図を送る。ドラゴンはその合図を確認し、咥えていた僕をいきなり離した。
「のわゎゎゎゎ!」
いきなり離された僕は、地面めがけて真っ逆さまに落ちていく。地面が目の前まで迫り、僕は目を閉じる。
(ストン!)
(ん?痛くない?)
そう思いながらゆっくりと目を開ける...
「おい!乱暴に扱うなと言っただろう!もう少しで怪我をさせるとこだったぞ!」
目の前には銀髪の短い髪に赤い瞳、肌は薄茶色、曲がった角と細い尻尾を付けた、ユリーシャと同じくらいの年齢の胸元が際どい黒の鎧で身をまとった子に僕はお姫様だっこされていた。
周りから見たらなんとも、恥ずかしい光景だ!
「あっ...あのー...」
僕を抱えたまま一向に離そうとしないその子に向かって一言いおうとすると
「どうかしたか?何処か痛いのか?すまない...私の部下が手荒なまねをして...」
その子は、姿からは想像できない、なんとも謙虚な言葉で心配そうにこちらを見つめてきた。
「いっ...いえ...そうじゃないですけど...そろそろ、地面に足を着けたいのです!」
僕は、戸惑いながらも自分の心境をその子に伝える。
「ん?どうしてだ?」
その子は、首を傾げながら不思議そうな顔で僕を見てくる。
「その...恥ずかしいんです!今のこの姿が!」
僕は意を消したようにその子に伝えた。
「あっ...」
その子は、そう言いながら呆然と僕を見る。
(やっと分かってくれたかな?)
僕が、そう思っていると
「かわいぃ!」
ボソリとその子が言う。
「なんか言いましたか?」
「可愛い!おい!今の状況を絵師に頼んで描いて貰うぞ!写真も撮れ!」
「へぇっ?」
今度はハッキリ聞こえた。
「写真?絵師?なっ何を!」
そう言って、僕はその子の腕の中でジタバタさせる。
「動くな!せっかくの写真がぶれてしまう!」
そう言うと、その子は少し腕に力を入れて僕の体に自分の体を密着させる。
(この状況で、そんな事されたら...)
「んがっ!」
「あっ!あはん!」
(もちろんこうなるよな...)
僕は、柔らかくふっくらとした、その子の胸に顔がうずくまり息が出来ずに一層ジタバタする。
「ん!あぁん!そこは...ひぁん!」
「パァー!フー...」
ようやく胸から抜けれた僕は大きく息を吸い、そして吐き出した。
「死ぬかと思った...ん?」
何か様子がおかしい...
「ハァハァ...」
今まで力強く抱き寄せていたその子の手は力が抜けたように緩くなっていた。
すかさず僕は、その子の腕から離れる。
「えっと...ここは何処ですか?貴方は誰ですか?僕はなんで連れてこられたんですか?」
僕は思いつくだけの質問をその子にぶつけた!
「あっ...ハァハァ...すまない...変なスイッチが入ってしまった。」
そう言いつつ、その子の目はウットリと僕を見詰める。
「スー...ハー...」
その子は深呼吸をし、息を整える。そして、しっかりと僕を見つめ
「ようこそ!わが国はグランデル王国!そして、我が名はイリアル・シャーク・グランデル!この国、グランデル王国の魔王をしている!そして、君は今日から私の婿だ!私のことは、イリアルと呼ぶと言い!私は君を悠真と呼ぶ!ちなみに私のことを名前で呼ぶのを許可するのは親族以外で君が初めてだ!」
そう言うイリアルの顔は林檎のように赤くなっていた。
「えっ?えーー!」
(最近これ多いな...)
こうして、僕は魔王の婿になった........じゃないだろー!
僕の第二の人生は...一体全体どうなる事やら...。
(てか...そろそろ中に入りたい...。寒い)
そう思う今日この頃だった。
「ブワックション!」
ようやく、魔王のイリアルを出せました!
ここから先の悠真には何が待っているのやら...。
この物語を最後まで読んでくださった皆様ありがとうございます。