ランクルスと助けられなかった命
今回もよろしくお願いします!
「なんで…ランクルスが…」
ユリーシャとイリアルはそう言ってその場に崩れ落ちた。
(これが…二人が言ってたドラゴン…)
僕らが目にしたのは体長十メートルくらいの真っ赤なドラゴンだった。
「ラン…クルス…」
僕はボソリとそう言う。
「なぜだ…奴は母様が深い眠りにつかせたはず…なのに…」
動揺しながらイリアルはそう言う。
「あはっ…驚きましたか?ですがお楽しみ頂くのはこれからですよ?」
また、どこからともなくあの声が聞こえる。
「きゃー」
ランクルスの方から女性の叫び声が聞こえ僕らは声のした方を見た。
「助けてー」
僕らが目にしたのはランクルスの前に宙吊りにされた女性だった。
女性は恐怖に満ちた顔で大声を上げ泣きじゃくっている。
「何をするつもりだ!」
イリアルは焦ったようにそう言う。
「ん?何って…あはっ、見世物に決まってるじゃないですか?存分に楽しんで下さいね!」
声の主は笑い混じりの声でそう言う。
「こんなこと…今すぐ彼女を解放しなさい」
声を荒げてユリーシャは言う。
「えー…いやですよ…楽しい見世物が台無しじゃないですか!」
声はなおも笑いながらそう言う。
「何が見世物だ!もういい…話していても無駄だから助けに行くぞユリーシャ!」
「はい!」
二人はそう言うとその場から駆け出した。
(バリッ)
「うわっ!」
「きゃっ!」
広間に出ようとした二人はそう声を上げその場に倒れる。
「あー…言うの忘れていました。そこには決壊をはってまして、通ろうとする人には電撃がはしる仕組みなんですよ!皆さんはそこで彼女が殺されるのを指をくわえて見るしかないって事です!あはっあはははは!」
「くそっ!」
イリアルは地面を叩きながらそう言った。
「極悪人…」
僕がボソリとそう声に出すと
「ふふっ…お褒め頂き光栄ですよ!」
と返してきた。
「何でこんな酷いことを…」
ユリーシャは涙を流しながら言う。
「…らが…に……だから」
声の主がボソリと何かを言ったがその声はあまりにも小さすぎて切れ切れしか聞こえなかった。
「それよりさぁ…一番のショータイム見逃さないでよ!」
声の主は話題を変えるように明るい声でそう言った時だった。
「いやー…や…め…て…あっ…だ…め…やめて…お願い…やめて…」
ランクルスに襲われている女性の声がまた聞こえ僕らは女性を見る。
ランクルスは女性の体を隅から隅までなめ回す。
ランクルスからなめられた所の服は溶け女性の裸体があらわにされた。
女性はもう声を出す気力も体力もないのか、ただただ朦朧とした目で涙しているだけだった。
そんな女性の裸体をランクルスはまたもなめ回す。
ランクルスの液体は服を溶かすが肉体には影響ないみたいだった。
「やめろ!いい加減…にしろ!」
「やめて…彼女を離して下さい…もう…」
二人は地面に顔を伏せそう叫ぶ。
「ふっ…ふふふっ…ふははははっ!どう?目の前の女性一人助けられない魔王と勇者、いい顔だね!言い声だね!自分たちの無力差に絶望する顔、傑作だよ!君もそう思わない?」
ここ一番の声を上げながら笑う声に僕は心の内側から煮えたぎるような何かを感じていた。
(ギュッ)
僕は下を向き拳に力を入れる。
「ねぇ…君は笑わないのですか?笑ってくださいよ!ねぇ…あははははっ」
そう聞いてくる声は丁寧語ではあるがまるで幼子が言っているようでもあった。
(ググッ)
僕は握りしめた拳により一層力を入れ
「やめろ…」
と呟いた。
「ん?何か言いました?」
声は聞く。
「やめろー!」
僕は声を張り上げ言う。
「うーん…そこまで言うなら…分かりました!」
意外な答えが返ってきたことに僕は驚いた。
そして、僕らは内心ホッとした顔をする。
(パチンッ)
声の主がそう言って音を鳴らしたときだった。
「きゃー…」
(バリッボリボリ)
奇妙な音が聞こえランクルスを見ると女性の上半身が食べられているとこだった。
「うそ…」
僕らは呆然となり立ち尽くす。
「はは…はははっ…あははははははは!」
静寂な中に楽しげに笑う声だけが響いていた。
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