夢と記憶と暖かな温もり
僕らは三人寄り添いながら暗い洞窟を進んでいく。
「あっ…灯りだ!」
僕は光が見えた方へと駆けだした。
「ちょっ…悠真…」
「悠真様…いきなり走ると危ないですよ!」
いきなり走り出した僕にイリアルとユリーシャは思わず手を離す。
「大丈夫!大丈夫!」
僕はそういって後ろを向きながら走った。
暗闇の中に長くいたからか、灯りが見えた瞬間に僕は安堵がこみ上げていて、完全に我を忘れていた。
「あっ…」
後ろを見ながら走っていた僕は、岩に足を取られバランスを崩した。
「悠真!」
「悠真様!」
バランスを崩す僕にイリアルとユリーシャは僕の名前を叫びながら駆けて来るのが見える。
そして
(ドスン!)
と鈍い音がし、僕は意識を失った。
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『もーいーかーい?』
『まーだだよー!』
『もーいーかーい?』
『もう少しー』
『まだー?』
『もーいーよー!』
『どこだー?○○?うーん…』
《カサカサ》
『ん?』
《ガサッ》
『○○見ーつけた!』
『あー見つかったー…流石強いね?○○君は!』
『ふふっ!もう一回しない?』
『○○ー帰るわよー』
『あっ…お母さんが呼んでるからもう帰らないと!○○君ごめんね!また明日遊ぼう!』
『待って…僕を置いてかないで!待って…』
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「待ってー!!」
僕はハッと目が覚めた。
「悠真様!?」
「悠真!?」
目が覚めた僕はベッドに横になっていて、両隣には裸で僕にくっつくイリアルとユリーシャの姿があった。
「イリアル?ユリーシャ?あれ?僕…どうしたんだっけ…痛っ…」
少し頭を動かした瞬間、激痛が走る。
「今は動くな。」
イリアルは静かにそう言う。
「そうですよ…。悠真様は石に躓いて、岩に頭をぶつけて出血して気を失ったんですよ?打ち所が良かったのと私とイリアルがすぐに治癒魔法を使ったから死なずに済みましたが…」
「ほんとにだ…悠真…光が見えて嬉しかったのは分かるが、浅はかな行動はとるな!もし打ち所が悪かったら死んでいたぞ!悠真が気を失って私たちが止血した後、急いで灯りの方にいったんだ…灯りの正体はこの小屋だった。人の気配や危ない匂いや気配もしなかったから入らせてもらい、ベッドに悠真を寝せ治癒魔法をかけてたんだ…それにしても…」
ユリーシャとイリアルはそれぞれにそう言うと、二人そろって最後に
「はぁ…意識が戻ってホントに良かった」
と安堵した声でそう言った。
「ごめん…二人には助けてもらってばかりだね?今回は僕が二人を助けようとしたのに…逆に助けられて…」
僕は浅はかな行動をとった自分を喰いながらそう言った。
「まぁ…生きてたから良かったです!ところで悠真様、何かうなされて起きたようですが怖い夢でも見たんですか?」
「そうだったな?どうかしたのか?」
ユリーシャとイリアルは心配そうに僕の顔を見て言う。
「ん?あー…なんか夢を見ていて…僕が小さい頃の夢で誰かとかくれんぼしてる夢だったと思うけど…うまく思い出せない…」
僕はさっきまで見ていた夢を必死に思い出そうとするけどうまく思い出せない。
「まぁ…思い出せないのなら無理に思い出さなくてもいいんじゃないか?」
「確かに…イリアルが言うのにも一理あります!大事なことならその時になれば思い出しますよ!記憶は忘れることはあっても消えることはないのですから。」
イリアルとユリーシャは自分の体を僕に押しつけながらそう言った。
「そう…だよね?二人ともありがとう。」
ここに来てから二人には散々、治癒魔法で助けてもらっている僕にとって二人の裸に今更動揺するはずもなく僕は静かにそう言った。
「ふっ…どういたしまして!」
二人はクスリと少し笑うと一言だけそう言うのだった。
「まぁ、色々と聞きたいことが多くあるとは思いますが、今は悠真様の怪我を治すことが優先です。治癒が終わったら全て聞きますので今は治癒に専念して下さい」
「うん…」
ユリーシャからそう言われた僕は一言だけ返事を返した。
暖かい二つの温もりに包まれた僕はウトウトとなりそのまま眠りについた。




