お試し修行の始まり
お願いします!
五日後…。
(ガキンガキンガン)
「はぁはぁはぁはぁ…やー!」
「遅いですわ!」
(ガキン!カランカランカラン…)
(ゴクン)
「悠真様…まだ手に力が入ってます…そのせいで剣に振り回されてますよ?」
(シュッ)
「はぁはぁはぁはぁ…うん分かってはいるんだけど…」
僕は今森でユリーシャと剣の修行中だ。
僕が目を覚ましてから皆に全てを話したあの日から五日がたち僕はすっかり元気になった。
元気になった僕を見て、イリアルとユリーシャからそろそろ修行を始めようって言われ、修行をそれぞれ曜日ごとの午前と午後に分けて行うことになった。
まぁ、こちらの世界で曜日があるか分からなかったからないことを想定してイリアルとユリーシャに聞いてみたら、どうやらこの世界にも曜日が存在するらしく、僕が住んでいた所と同じだと言うことが今、分かった。
今まで、曜日に関して話すことがあまりなかったから今知ることになったのだが…。
まぁ、そんな話はさておき兎に角今日がきりの良い月曜日だと知ることが出来、今日は、試しに午前がルルーシャから剣にかんする知識の勉強、午後がユリーシャと剣の修行となった。
ルルーシャはかなり頭が良いらしくアルデルン王国の学校では天才と言われていたらしい。
最初の自己紹介の時に剣術が得意だって言っていたから実技の方だけだと思っていたけどまさか、勉学まで得意だとは思っていなく聞かされたときは、僕はまだまだ皆のことを知らないと行けないとその時思った。
午前はルルーシャからみっちり剣にかんする知識を教えて貰い。昼食を食べた僕はこうしてユリーシャと剣術を修行中ってわけだ。
「にしても、ユリーシャが…はぁはぁ…こんなに…厳しいとは…思わなかった…」
僕は息を切らしながら飛ばされた剣を拾いにいく。
「悠真…ユリーシャは人に教えるってなったらとことんスパルタだから覚悟した方がいいぞ?あんまり、なめてかかると怪我するぞ?」
イリアルが僕の小言に真剣な表情で忠告してきた。
「ははは…そうなんだね?」
僕は苦笑いしながら言葉を返す。
「さぁ!悠真様、ルルーシャから教わった事を思い出しながらもう一度やりますよ!」
ユリーシャは僕に剣を構えながらそう言う。
「うん!」
そんなユリーシャを見て僕も剣を構える。
正直に言って昔の僕だったらすぐに逃げ出して引き籠もっていたかもしれない。
けど、今はいや…この世界に来てから皆に会って変わったのか、こんな辛い修行なのに楽しく思えてワクワクが止まらなくなって笑ってしまっている自分がいる。僕は初めて生きている実感を感じてる。
「やー!」
(ガキン!ガン、ガキン…)
「悠真様…今日はここまでにしましょう!お疲れ様でした!」
「はぁはぁはぁはぁはぁ…」
(ドサッ)
僕はユリーシャの言葉とともに地面に仰向けに倒れた。
目を開けて空を見るともう夕焼けで空は青からオレンジ色に変わっていた。
「悠真様…」
ユリーシャは僕に近づき僕の顔の前に手を差し出す。
手を差し出したユリーシャはいつものおっとりしたユリーシャでオンオフをしっかりと分かっているユリーシャに感心しながら差し出された手を取り僕は起き上がった。
「ありがとうユリーシャ!」
「いえ…それより、あまり厳しくしすぎましたか?剣のことになるとつい熱くなってしまって…」
ユリーシャは申し訳なさそうに僕に言う。
「はははっ!確かにユリーシャは剣のこととなると熱が入るからなー」
笑いながらイリアルがユリーシャに言った。
「イリアル!!」
ユリーシャはホッペをふくらまかせる。
「ん?図星つかれて怒ったか?」
イリアルは笑いながらユリーシャを再度挑発する。
「ちょっ…二人ともやめのわっ!」
(ドスン!)
僕は修行の疲れか足がもつれ二人めがけて突っ込んでいき僕ら三人は盛大に転んでしまった。
「いてて…二人ともごめん、怪我は…」
(ムニュッ)
「ん?やわらかい?」
僕は両手に感じる柔らかい感触が何か分からず手を動かす。
「ゆっ悠真…あっ…そこ…あんまり触ると…」
「悠真様…あんっ…」
イリアルとユリーシャの色っぽい声に僕は柔らかい感触の正体がなんなのか分かり恐る恐る目を開ける。
「あっごめん!イリアル、ユリーシャ!」
案の定だった。二人の上に倒れた僕の手は二人の胸を鷲づかみにしていた。
僕はバッと手を放し赤面して目をそらし二人に謝る。
〈悠真ってさ本当に狙ってわざとしてるんじゃないよね?〉
アルンがヤレヤレと言った口調で話してくる。
(そんな事あるわけないよ!)
〈本当に?〉
(本当だって!)
〈ふーん…〉
「あーもう、うるさいな!」
「どうかしたか?悠真…」
「悠真様?」
(あっ…)
僕はいつの間にか心の声を口に出していたみたいでいきなり大声を出した僕を二人は心配そうに僕を見ている。
「あっ…いや、何でもないよ?」
僕は額には冷や汗をかきながら苦笑いしてそう返す。
「いきなり大声を出されたのでビックリしました…」
「初日からユリーシャの剣の修行で疲れてるんだろう。屋敷に帰ったら風呂に入りご飯食べてゆっくり寝ると言い。」
イリアルからあまりにも真面目なことを言われて僕はポカーンと口を開ける。
「ん?どうした?」
「いっ…いや…イリアルも真面目なことを言うんだなーって思って感心したんだ…」
「失礼な!私は生まれた時から真面目だ!」
「ふふっ」
「ユリーシャ、何が可笑しいんだよ!」
「イリアル…貴方は生まれた頃は良く悪さしてたじゃない!」
「うっ…」
「噓は駄目ですよ?」
「うるさい!」
イリアルは赤面して顔を逸らしいつもの仕返しと言わんばかりにユリーシャが突っかかっていっている。
「くくくっ…」
僕は何時ものようにそんな二人を見ながら笑っていた。
〈なんか、コントみたいだね?〉
(うん…漫才見てるみたいだよ!)
〈楽しい?〉
(うん、あの世界よりかかなり楽しい…)
〈そっか…〉
「悠真!何が可笑しいんだよ!」
「悠真様、どうかしたんですか?」
イリアルはすねたような顔で、ユリーシャは微笑みを浮かべそれぞれ僕を振り向きそう言う。
「二人に会えて良かった…」
僕はそう口にしたとき僕の声が出ると一緒に風が吹き僕の言葉は消される。
「何か言ったか?」
「何か言いましたか?」
二人は同時にそう言うと首をかしげた。
「いや…何でもないよ…早くお風呂に入ってご飯食べよ!僕お腹すいて…」
僕はお腹を擦りながら二人に言った。
「そうだな!それで、どうだ?やっぱり一日越しでした方が良さそうか?」
「うん…慣れれば毎日でも大丈夫だと思うけど、慣れるまではそれがいいかも…」
「そうか、分かった!じゃあ皆にも伝えてしばらくは一日修行次の日休みでまた修行的な感じでするように伝えておく。それから、何曜日に誰と誰が午前と午後に分かれるかも決めないとな!今週は空いてるものがそれぞれの曜日に振り分けたから仮だが、来週からはきちんと決めてしないとな…ユリーシャもお願いだぞ!」
「分かってますよ!」
僕らはそんな会話をしながら屋敷に帰った。
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