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サプライズ

(ガチャッ)


僕らは食堂のドアを開ける。


「悠さん!」


「悠真様!」


皆は僕の顔を見るなり駆け寄ってきた。


「もう大丈夫なのですか?」


ハクアが言う。


「心配しましたよ!」


シャルが心配そうに見て言う。


その後も皆から何やら言われ僕はヘロヘロになる。


「もうそのくらいにしておけ!悠真も病み上がり今さっき目が覚めたんだ!」


「そうですよ!それより、皆さん早く朝食を食べましょう!」


イリアルとユリーシャは僕の疲れ顔に気づきそう言う。


〈ふふっ…君は本当に皆から好かれてるんだね?〉


アルンは笑いながらそう言った。


(そうかな?)


アルンの言葉に僕は首を傾げながら言う。


〈好かれているさ!〉


アルンは軽くそう言った。


「あれ?エリとアルは?」


僕は皆を見渡して二人だけいないことに気づいて聞く。


「えっと…アルがエリを起こしに行くと言って部屋に行きましたがまだ戻って着ていないのです。」


エルグが言う。


「じゃあ、僕が見に行ってくるよ!」


「悠真様…大丈夫ですか?」


ユリーシャが心配そうに僕を見る。


「大丈夫だよ!ちょっとは歩かないと…僕は何日も寝ていたみたいだからね?あっ…そう言えば僕はいったいどのくらい寝ていたのかな?」


僕はユリーシャを見ながら質問する。


「えっと…2週間くらいだったと思います」


ユリーシャが答える。


「そっか…それだけ寝ていたなら体も鈍ってるから少しは動かなくちゃ!だから僕が見てくるよ!」


「悠真様がそれでいいのでしたらお願いします!」


「そうだな!じゃあその間に皿を並べるか!」


イリアルとユリーシャは皆を見て言う。


そうして、僕はエリとアルを見に皆は出来ているご飯を並べるのに分かれた。


(トントントントン)


僕は軽快に階段を上がりエリとアルの部屋に向かう。


(コンコン)


扉の前まで行き僕はノックする。


「…………」


返事がない。


(コンコン)


僕はもう一度ノックした。


「…………」


やはり返事がない。


〈入っちゃえば?〉


アルンが言う。


(いや…勝手に入って変なとこ見たらまた殴られる…)


僕はアルンにそう言う。


〈変なところ?〉


僕の言葉にアルンは疑問系に言う。


「あーいや…」


僕は頭をかきながらブツリと言う。


〈じゃあ…もう一度ノックしてみたら?〉


(うん…)


(コンコン)


僕はアルンに言われるままもう一度ノックをする。


「………」


部屋からはやはり返事がない。


「うーん…どうしたものか…」


僕は扉の前で頭を抱えながら考える。


その時…


(ドスン!)


部屋の中で何やら音が聞こえ僕は無意識に扉を開けエリ達の部屋に入った。


「何の音!」


「いったたた…!」


「ごめんアル…大丈夫?」


僕が部屋に入るとそこには全裸で床に転がるアルとそれをベッドから毛布に包まって見ているエリの姿が目に入った。


(あっちゃー…)


〈あー…悠真が言っていたのはそう言う…〉


僕のやってしまったと言う思いをよそにアルンはそう言った。


「ごめん!何回かノックしたけど返事がなくて考えてたら凄い音がしたから何かと思って…」


僕はそう言い訳をしながらもエリから殴られるのを覚悟し目を瞑っていた。


「…………」


(ん?)


「…………」


一向に言葉が返ってこず殴られる気配もしないことに気付き僕はゆっくりと目を開ける。


「えっ?」


僕が目を開けたときにはエリとアルは普通に服を着ていて僕は証紙抜けしたように間抜けな声を出した。


「アル?時間稼ぎってこのくらい?」


「うーん…そうだね…まぁ良いと思うけど…もう少し伸ばした方が良かったかな?てか、私ばっかり主に裸見られた…」


「アルがベッドから落ちるから!」


「エリが突き飛ばしたからだよ!」


「アルが服脱がして変なことしようとするから、私たちはただ居留守を使ってなるべく時間稼ぎをして、もう良いと思った時に部屋から出れば良いって言われただけだったのに…」


「いや…その…エリが可愛くて…つい…」


「ついじゃないわよ!」


「ごめんごめん…」


エリとアルは二人で顔を合わせながらなにやら話している。


「えっと…どう言う…」


僕は何が何やら分からず二人に声をかける。


「あっそうだった。さぁ、行きましょう、主!」


「えっ?えっ?」


「グズグズしない!来れば分かるから…早くしなさい!」


僕は話の筋が見えずに二人から手を引かれるがまま、また食堂に向かう。


「じゃあ、開けますよ?」


「準備はいい?」


二人は僕の顔を笑顔で見る。


「えっ?えっ?」


「せーの!」


(ガチャッ)


(パパンッ)


僕がタジタジしているのはそっちのけで扉が開く。


それと共にクラッカーのような音が部屋に響いた。


「へっ!?」


僕はその音にビックリして変な声がでる。


「ビックリしたか?悠真が目を覚ましたときは皆でお祝いをしようと言っていてな!」


驚く顔を見ながらイリアルが言う。


「私たちから悠真様にサプライズです!それと…」


ユリーシャもイリアルの後に続くようにそう言い言葉を詰まらせる。


「悠真(様)!今回は私たちのせいですまなかった(すみませんでした)!」


そう言うと皆は僕に頭を下げた。


「いいよ!あれは僕にもひがある…皆が悪いわけじゃない…それに、僕が皆に聞いて欲しかったんだ!だから、皆!心配かけてごめん…多分傷つけもしたよね?本当にごめんね?」


僕は皆を見ながら頭を下げ誤った。


「悠真様…」


「悠真…」


ユリーシャとイリアルはそんな僕を見て微笑みながら涙していた。


〈皆いいこだね?僕にも伝わるよ?皆が悠真を思ってる温かい感情が…やっぱり君は愛されてるよ?それに君も皆のこと大切に思ってるんだね?〉


アルンは声を潤わせながら言う。


(うーん…そうなのかな?)


僕は頭を傾げながら言う。


「悠真ー!早く座るぞ!」


「ささっ早く早く!」


僕はイリアルとユリーシャに引っ張られながら席に座り皆もそれぞれ席につく。


「では、悠真の目覚めを祝い乾杯!」


「乾杯!」


イリアルの何時もの声かけと共に僕にとっては2週間ぶりに皆との食事を楽しんだ。

最後まで読んで下さりありがとうございます!

次回もよろしくお願いします!

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