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勇者が嫁に!アルデルン王国にようこそ!

「...と言うことで悠真様!今日はもう、暗くなってしまいましたし、この国案内は明日にします...と言うことでよろしいですか?」


僕が思考停止してるときに、話はどんどん進んでいったようで...いつの間にかユリーシャは勇者の格好に戻っていた。


「あっ!そうでした!言うのを忘れるところでした。明日はこの国の王様にも挨拶に行きますので、早起きしないといけませんわね!」


(ユリーシャが言っていることがあまり分からないのだが...)


心の中で叫びながら僕はユリーシャをチラリと見る。


そして、僕は勇気を出して今の状況を聞いてみることにした。


「あ...あのー...ユリーシャ......さん?」


「はい?」


ユリーシャは(バッ)と僕の方に振り向く。


「えーと、ここはなんという国なんですか?」


僕はまず、当たり障りがない質問から言うことにした。


「あっ...まさか、私の話を、聞いてませんでしたか?話はきちんと聞いてくださいね?」


ユリーシャはそう言いながら(プクーッ)とホッペを膨らませてきた。


「でも...仕方ないですよね!いきなり飛ばされてきて、その際でペラペラと話をされてもわからないですよね?」


(ウンウン)と頷きながらユリーシャはまた、一人納得する。そして、また僕を見る。


「この国の名前はアルデルン王国、世界の半分が領地の一番大きい国です!といってもまぁ、世界にはアルデルン人か魔王界である、グランデル人の二種類しかいないけどね!王国の中は明日、実際に行ってからお話します。」


ユリーシャはウィンクしながらもう一度、国の名前とこの世界が二つの世界で構成されていることを答えてくれた。


「分かりました。じゃあ、明日僕が王様に合う理由は?」


僕は、恐る恐る聞いてみる。


「もちろん、悠真様を王様に紹介するのですわ!私の旦那様として...」


ユリーシャは顔を赤らめてモジモジしながら僕をチラ見する。


「あーそっか!紹介ですねユリーシャさんの旦那様としてですね...ん?誰が、誰の旦那様?」


僕はユリーシャの顔を見て首を傾げながら言う。

「え?悠真様が私の旦那様ですよ?」


ユリーシャは、(ん?)とした顔でこちらを向く


「もう一度聞いても良いですか?」


僕は、顔が作り笑いから固まった状態でユリーシャを見ながらもう一度聞く。


「ですから、悠真様が私の旦那様です!なんども言わせないでください!照れてしまいますので...」


ユリーシャはそう言うと顔を両手で隠し、(フルフル)と横にふった。


(あー...そう言えばなんか、さっき言ってたな...胸を揉まれた女は揉んだ男の嫁に行くとかなんとか...イヤイヤイヤ)


「僕、ユリーシャさんを嫁に貰うって行った覚えないですよ!?」


僕は、両手を前に出しブンブンと手を振る。


「フェ...?」


それを聞いたとたん、ユリーシャの周りの空気が貪欲に染まったような気がした。


「悠真様?私の耳がおかしいのですかね?もう一度、お聞かせください...」


そう言って、(ズン...ズン...)と迫ってくる。

ユリーシャに僕は怖さを感じ


「責任もって嫁にします!大切にさせて頂きます!」


とつい、言ってしまった。


それを聞いたユリーシャは、(パーッ)と笑顔になり


「大声でそんな事を言われたら恥ずかしいですわ!」


と言いながら僕を叩く。


「おふっ!またかー!」


ユリーシャは軽めに叩いたはずだったが、勇者の軽めをなめたらいけない!僕は数メートル飛ばされ、また、気を失った。(本日二度目)


僕が次に目を覚ますと


(まぁそうですよね!同じ天井に同じベッド、隣には?)


そう思いつつ僕はそーと隣を見る...誰もいない...


「ん?ユリーシャさん?あれは夢?」


僕はユリーシャの名前を小声で呟く。


「あっ!起きられましたか?旦那様!今、朝食の準備が出来た所です!」


ユリーシャは、ヒラヒラのエプロンに長い髪をポニーテールに結び、ひょこりと奥の部屋から顔を出した。


(やっぱり...夢じゃなかったー!)


そう心の中で叫びつつ


「おっ...おはようございます?」


と疑問系に挨拶をすると


「はい!旦那様、おはようございます!」


と眩しいくらいの笑顔で挨拶を返してくれた。


僕は、そそくさとベッドから起き上がろうとすると


「悠真様!少しベッドに腰掛けてお待ちください!」


とユリーシャが言ってきた。


(ん?)僕は、そう思いながらベッドに腰掛けて(ふうー)と下を向いた。


すると、目の前に足が見え、ふと上を向く。そこには、昨日は勇者服だったユリーシャが、今度は、膝丈まであるティーシャツ?ぽい上着に下は...(ブー!)


「ユッ...ユリーシャさん?その格好は?下!下!」


ユリーシャの下半身は膝丈までティーシャツが来ており、ズボンをはいているのかいなか分からない状態だった。


「下ですか?下は...」


とユリーシャは少しずつ見せていく。


僕は目を両手で塞ぎながらも男のさがには逆らえず(ドキドキ)と手の隙間から、ティーシャツが上がっていくのを見ていた。


(バッ!)


「短パンですよ?」


「...え?」


首を傾げながら言うユリーシャに対し


(ですよねー!そうですよね、そんなに世界甘いばかりじゃないですよね!)


と僕の心は叫んびつつ、僕の口からは妙な声が出た。


朝から妙な体力を使った僕は、ベッドに腰掛けながら(ガクン)と頭を下に落とした。


「悠真様?朝の挨拶をしてもよろしいですか?」


「いいですよ、なんでもしてください。」


無気力状態になった僕がそう言うと


「分かりました...では...」


とユリーシャが言い


(すぅー)


と僕の顔に手を置く、僕は(ハッ)となり上を向くとユリーシャの柔らかい唇に僕の唇が重なった。


「んっ!」


「うんっん!」


辺りは静寂し、僕の耳にはユリーシャの小さな吐息と唇と唇が合わさる音しか聞こえない。


(チュパッ)


唇が離れ、呆然とユリーシャを見る僕に、ユリーシャは微笑みながら


「改めまして、おはようございます!悠真様!」


と言う。


「おはようございます!ユリーシャさん!」


と僕も返した。


「さて、朝の挨拶も終わりましたし、朝食を食べて、出かけますよ?」


ユリーシャはルンルン顔で僕に言う。


「はっはい...」


僕はそう言いながら腰掛けていたベッドから(スクリ)と立ち、テーブルに座りユリーシャが作った朝食を一旦臭いを嗅ぎ


(まぁ昨日知り合った相手を信じろと言う方がおかしいからな。)


と思いつつ(パクリ)と食べる。


「ん!上手い!」


想像以上に美味しいご飯で箸が止まらなくなる。


僕ががっついて食べていると


「昨日から何も食べてないですものね...私のせいですみません...沢山お作りしましたのでゆっくり食べてください!」


僕は(ウンウン)と頷きながらユリーシャのご飯を頬張った。


(カラン...)


「ふぅー、食った食った。美味しい料理を食べさせて頂きありがとうございます!ユリーシャさん!」


僕はすっかりユリーシャに心を許しお礼を言う。


「いえいえ、喜んで頂けて良かったですわ!悠真様に一つ二つお願いがありますがよろしいですか?」


ユリーシャは手と手を前で組みモジモジとさせながらこちらを見つめる。


「僕に出来ることなら、なんでもしますよ?言ってきださい!」


僕がそう言うと、(フッ)と笑顔になるユリーシャ。


「では、私のことは、ユリーシャと呼び捨てで言って貰っても良いですか?それと、私には敬語ではなく普通にタメ口でいいですので、お願い...できますか?」


赤らんだ顔を手で隠しながらユリーシャは言う。


「分かった...ユッ...ユリーシャ...」


僕は16年生きた中で女の子を呼び捨てなんて初めてで少し照れ臭そうに言葉を詰まらせて言ってしまった。


「あっ...ありがとうございます!悠真様!」


それでも、ユリーシャは僕のたった一言に顔を真っ赤にさせて喜んでお礼を言ってくれた。こんな、女の子初めてだ!


(ユリーシャの笑顔を守ってあげたい...)


ポツンと心の中の小さな僕が暗闇の中少し光った瞬間だった。




朝食を終えた僕達は、支度をしアルデルン王国を目指す。


アルデルン王国に向かってる途中...。


「そう言えば、気になっていたんだけど、なんで、ユリーシャはこんな森の中で暮らしているの?勇者だったら街の中に住めるだろうに...」


僕がそう言うと、(ニコリ)と微笑みながらユリーシャは言った。


「私は、静かで鳥たちや草木が奏でる、メロディーを聞くのが好きなのです!街中ではそれは聞こえませんので、王様に無理を言って先ほどの場所に住まわせて頂いているのです」


「へー、なんか、ユリーシャらしいね!」


僕はユリーシャを見て(ニコッ)と笑う。


「そうですか?」


ユリーシャは、そう言いながら嬉しそうに笑う。


「そう言えば、昨日僕がユリーシャを嫁にもらわないと言ったらどうなっていたの?」


僕は何気に気になっていたので聞いてみた。


「その時は、この剣でスパーンとやっていました!ここの法律ルールなので!」


不気味な笑顔で僕に言ってくるユリーシャを見て


(言わなくて良かった!)


と心の底から思う僕だった。


ユリーシャの家を出てから数十分...


「着きました!ここがアルデルン王国の東側、カーペルです。国の出入り口は四つありまして、今いる東側のカーペル、西側のエル、南側のハロア、北側のソルシア、そして中心街のファルファットです!とゆうふうになっています!」


そう言ってユリーシャは、国の中の街の名前と何処がどの街なのかを丁寧に解説してきれた。


「おっきいんだね?」


「まぁ、そうですね!世界の半分を占めてますから!じゃあ入りますよ?」


そう言うと、ユリーシャは門番の所に行き、何やら紋章?みたいな物を見せ、僕を指さし話をし始めた。


数分後。


「お待たせしました!悠真様!門が開きますのでお下がりください!」


ユリーシャがそう言いながら僕に駆け寄ってきた。


僕は言われたとおりに後ろに下がる。すると...目の前にあった大きな石の門が(ゴー!!!)と音を出し開き始めた。


門が開き終わって街の中にはいり僕はビックリした。街の中は人?で溢れかえっており、かなりにぎわっており、僕はその光景を見て東京を思い出した。


「アルデルン王国、東 カーペルへようこそ!勇者様!悠真様!」


僕とユリーシャが入ったとたん街の中の人たちから祝福が飛びかった。

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