表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/72

久々の散歩と暗闇での出来事

シャルたちと別れた僕は昼まで何もすることがなく、ブラブラと屋敷の外を散歩することにした。


「ここ…こんなに片付いていたかな?」


屋敷を見て回りながら所々三日前より変わっていることに気がついた。


「あっ…あの…」


後ろから声がしたような感じがし、僕は後ろを振り返った。


「…ん?あれ?確か…声が…」


僕は首を傾げながら辺りを見渡す。


「し…下です。」


今度はハッキリと声が聞こえ僕は下を見る。


「のわっ!びっくりした…」


下を見ると僕の体の前に顔を俯かせたリリアが立っていて僕は驚き一歩下がる。


「あっ…ごめんなさい。そ…その…驚かせるつもりじぇは…あっ…」


(じぇ?えっ…噛んだのかな?いや…でも…)


「うー…」


僕が色々と考える中、リリアは顔を真っ赤にさせて本で顔を隠していた。


本の間からは流れる涙が見える。


「えっと…あー…」


(こう言う時、なんて声をかければ…)


前の世界でぼっち生活を送っていた僕は完全にパニック状態になりオドオドとするばかりだった。


「悠真様、何、女の子を泣かせているのじゃ?」


「ちっちがっ…えっ?」


どこからともなく聞こえた声に僕は辺りを見渡す。


「ここじゃよ、ここ!」


そう呼ぶ声は上から聞こえる。


「上か?」


上から声が聞こえたような気がし僕は顔を上に向けた次の瞬間、上からアースが飛び降りてきた。


「のわゎゎゎゎ!」


上からそう言いながら落ちてくるアースを見て僕は咄嗟に目を瞑った。


(ドスン!)


「いてててて…」


強い衝撃と共に地面に倒れた僕は何が起きたのか分からず瞑っていた目を開けそして固まった。


僕の目の前にはアースの顔があり唇と唇が合わさる寸前で止まっている。


「いたいのぅ…やっぱりまだまだのようじゃ…」


そう言いながらアースは顔を上げて頭を掻く。


「アース!なんで上から振ってきたんだ!」


ハッと我に返った僕は大声でアースに怒鳴る。


「飛行訓練をしとったのじゃ。それでこの辺りを飛んでいたら下の方で鳴き声が聞こえて、見に来てみれば、悠真様がリリアちゃんを泣かせている場面に遭遇したのじゃ、それで何事かと思い来たのじゃが、うまく着地をしようと思ったらバランスを崩してしまってのぅ…」


「それで、この有様な分けか…はぁ…別に飛行訓練も飛び降りも個人の自由だけど…もし、リリアに当たってたらどうしたの?」


僕はヤレヤレと言った顔でアースに言う。


「…すまない。わざとじゃないんじゃ…」


アースは申し訳なさそうに言う。


「はぁ…アース、怪我はない?」


ため息を一つついて僕はアースにそう訪ねる。


「…わしは大丈夫じゃ。」


アースは下を向きながらそう言う。


(ポンッ)


「良かった!」


僕は下を向くアースの頭に軽く手を置きながらそう言う。


「…本当に悠真様はなんなのじゃ」


アースがボソリと何かを言うがその声は僕の耳には聞こえなかった。


「なんか言った?」


僕はアースにそう訪ねる。


「いや…なんでもないんじゃ…処で悠真様…」


「ん?」


名前を呼ばれ僕は首を傾げながらアースを見る。


「どうしてリリアちゃんを泣かせていたんじゃ?」


「泣かせてない!!」


アースの一言に僕は速攻でそう答えた。


「いや…泣いておったろ?」


「あぁーその前にアース…そろそろ僕から退いてくれないかな?」


僕の上で考え込もうとするアースに僕はそう言った。


「あっすみませんじゃ…」


アースはそそくさと僕から離れる。


(スゥー)


アースが退いてすぐ、小さな手が僕の前に差し出された。


「ゆう…ま…さま…だっ…大丈夫…ですか?」


僕が顔を上げるとそこには顔を赤らめながら手を差し出しているリリアの姿があった。


「あっありがとう」


差し出された手を僕は恐る恐る手に取り立ち上がった。


ほんの一瞬触れただけだったが、リリアの手が小刻みに震えていたのが伝わってきた。


「では、私はこれで…」


そう言ってリリアは僕とアースに背を向けて森の中に入っていった。


(うーん…なんで話しかけられたんだろう?)


僕は森に消えていくリリアの背中を見ながら考える。


「悠真様?」


「ん?なに?」


アースが横から声をかけて僕はハッとなりアースを見る。


「本当にリリアちゃんを泣かせてないのかのぅ?」


そうニヤニヤしながらアースは言う。


「泣かせてない!」


僕がハッキリとそう言う。


「はははっ!分かっておりますじゃ!では、わしも飛行訓練の途中であまり遅いとエルグ隊長が心配するかもじゃから戻るとするかのぅ。」


アースはそう言うと魔法を唱えて空高く飛び、去って行った。


「まったく…何なんだ?」


僕はそれを見ながらクスリと笑い、自分の部屋へと戻ることにした。


(ガチャ…バタン)


部屋に帰った僕は久しぶりに外に出て疲れたのか、ベッドに横になった。


「ふー…」


ベッドに横になった僕は何時の間にか寝てしまっていた。


目を覚ますと外は暗くなっていた。


「ふぁー…何時の間にか寝ちゃったのか…」


「ゆ・う・ま!!」


僕が独り言のように頭を掻きながら言っていると、暗い部屋の中から僕の名前を呼ぶ声がした。


「誰?」


僕は辺りをキョロキョロと見るが暗くてよく見えない。


「えい!」


「えっ?」


(ドン!)


僕はいきなりベッドに押し倒され誰かが僕の上に乗り馬乗り状態になる。


暗闇の中やっと目が慣れてきた僕は上に座っている誰かの顔を集中してみる。


「イリアル!?」


顔をよく見るとイリアルが顔を赤らめながら僕の体にまたがっている姿がハッキリと見えた。


「あっ…もうバレてしまったか…まぁいいか。」


イリアルはそう言うと僕の顔に自分の顔を近づけてきた。


僕は近づいてくるイリアルの顔を見てキスをされると思った僕は目を瞑る。


(コツン)


「えっ?」


おでこに唇とは違う暖かい感触がし、僕はゆっくりと目を開けた。


「…」


僕が目を開けると目の前にはイリアルの顔があり、イリアルのおでこが僕のおでこにあたっている。そして、イリアルの唇が僕の唇に重なりそうなくらいだった。


(目…開けなきゃ良かった…)


そう思いながら固まる僕。


「うむ、もう大丈夫のようだな!良かった…ん?どうかしたか?悠真…顔が赤いようだが…」


僕が顔を赤らめながらイリアルを見ているとそれに気づいたイリアルは首を傾げ僕にそう言った。


「いっいや…」


僕は咄嗟に目をそらす。


「あっ…悠真、ひょっとしてキスされると思ったのか?」


イリアルはニヤニヤしながらそう言う。


「ちっ…がわなくないか…」


「えっ?本当にそう思ったのか?」


僕の正直な答えにイリアルは驚きながらそう言った。


「はぁ…もう、笑いたいなら笑えよ…」


僕はそう言いながらため息をついた。


「悠真?」


「ん?なんだよ…んぐっ」


(チュッ)


僕がイリアルの方を見た瞬間だった。


僕の唇にイリアルの唇が重なり僕は目を閉じた。


「んっ…んっはっんっ…」


イリアルのかすかな吐息が聞こえる。


「ぷふぁー…イリアル!?」


「悠真…私…変…なんだ…。体調は…良いんだが…体の中から熱い何かが…こみ上げてくるみたいで…」


イリアルは息をとぎらせながら僕に言う。


(ゴクン)


暗闇の中のせいか、いつもよりイリアルがエロく見えた僕は生唾を飲んでしまった。


「イ…リアル…」


僕は朦朧としながらイリアルの頬に手を伸ばした。


「悠真…」


イリアルも僕の頬に手をあて僕らは顔を近づかせていく。


(ガチャ!)


「悠真様?お夕飯のお仕度が…ってイリアル!何しているのですか!」


(ビクッ)


いきなりの大声と廊下からの明かりで僕は目がくらみ一瞬にして夢の世界から現実世界に引き戻された感覚に陥った。


「ユッ…ユリーシャ!?」


僕が入り口の方を見たらそこには顔を赤らめながらプルプルと震えるユリーシャの姿があった。


「イリアル…貴方、お手洗いに行くと言って出て行ったはずですよね?なんで、悠真様の部屋にそれも悠真様に馬乗りになっているんですか!」


ユリーシャは僕らに近づきながらそう言う。


「あー…なんだ…トイレに行ったついでに悠真を起こそうと思ってな!そう…そうして部屋に入って起こそうとしたら足を躓かせてしまって…」


イリアルは目を泳がせながらそう言う。


(いや…絶対噓バレるよね…てか、その言い訳苦しくないか?)


僕がそんな事を考えていると


「それでこうなったのですか?」


とユリーシャが冷たい目で僕らを見る。


(バレた…てか、普通に考えなくてもバレるよね…)


僕は心の中でそうツッコミをいれる。


「なーんだ…そうだったんですね?」


ユリーシャはいきなりいつもの優しい顔に戻りそう言う。


「へっ?」


そんなユリーシャを見て僕とイリアルは顔を見合わせる。


「もう、私てっきり暗い部屋の中で二人イチャラブしてるものだと」


ユリーシャは笑いながらそう言う。


(えっ?今の話信じたのー!!)


「はっははっ…そんなこと無いよ!僕もびっくりして今目が冷めたのだから。」


僕は気付かれないように苦笑いをしながらそう言う。


「そうですわよね?では、お二人とも夕食が冷めてしまいますので早く下に下りてきて下さい!」


そう言うとユリーシャは部屋から出て階段を下りていった。


「ふー」


僕ら二人は大きな息を吐きながら安堵の表情をする。


「ぷっ…」


「くくくく…」


「ははははは!」


僕らは顔を見合わせるなり静かに笑った。


「あーでも、残念だったな…悠真」


イリアルは息を整えて僕に言う。


「ん?何が?」


僕も息を整えながらそう聞く。


「ふっ…続きはお預け…だな。」


(チュッ)


イリアルはそう言いながらニコリと笑い僕の頬にキスをした。


「…」


僕は顔を真っ赤にさせ呆然とベッドに寝ている。


「ほら、悠真…行くぞ!」


何時の間にかイリアルは僕から下りていて、僕に手をさしのべている。


「あっ…うん。」


僕はその手を掴むとベッドから起き上がり、皆が待つ食堂へと向かった。

今回も最後まで読んで下さった読者の皆様に感謝を申し上げます。

久々にイリアルとのイチャつき編を出すことが出来ました。

ユリーシャとのイチャつきはまた次回と言うことで…それではまた…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ