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夢と罰

最後まで見てくだされば嬉しいです!

『ん?ここは?』


僕が目を開けるとそこは懐かしい教室で僕はなぜか一人椅子に座り本を読んでいた。


『教室?』


僕は辺りを見渡してキョロキョロとする。


辺りを見ても誰もいない。


『誰かいる?』


僕は本を閉じて椅子から立ち廊下にでる。


窓からは夕焼けなのか辺りはオレンジ色に染まっている。


僕は先が見えない廊下をただひたすらに歩いて行った。


(『こっちだよ?』)


ふと聞き覚えのある声が聞こえ、横にある教室のドアを開けてその部屋に入る。


(『初めまして!』)


その教室に入ると教室の真ん中に球体が浮かんでいた。


僕はその球体に吸い込まれるように近づいていく。


(『君が僕のご主人様だね?』)


球体の中では白黒の斑模様の僕がニコニコしながら僕を見る。


『君は確か…そう、何時か聞いた僕の感情が具現化した僕だね?』


(『よく知ってるね?そうだよ?』)


斑模様の僕は笑いながら僕に言う。


『神様が前、夢の世界で言っていたから。』


(『そうなんだね。』)


『ここは…夢の世界?』


僕は斑模様の僕に聞く。


(『うーん…少し違うかな?』)


斑模様の僕は口に手を当ててそう言う。


『神様は?君が完全に覚醒したら来るって言っていたけど…と言うか、何で僕ここに居るの?君が覚醒したら僕はどうなるの?』


僕は質問攻めのように斑模様の僕に聞く。


(『うーん…僕は神様じゃないからその辺は分からないんだ…ごめんね?でも、一つだけ分かることはあるよ?君はまだ完全に僕を覚醒させてないって事…。』)


『君を覚醒させるには?』


(『ふぁー…ごめんね…僕もう眠くなっちゃった』)


そう言うと斑模様の僕は眠りにつき球体はスゥーと消えていく。


『あっ…待って!待ってー!』


「はぁっ!」


僕が目を開けるとそこは今朝目覚めた部屋で僕はベッドに寝かされていた。


「…僕はどうしたんだ?」


(確か…男たちから襲われて、シャルたちが助けに来てハクアが剣を出したところまでは覚えてる。)



僕はフラフラする頭を抑えながら記憶を辿るがそれ以降の記憶が無い。


「さっきまで妙な夢を見たような…思い出せない」


僕が頭を抱えていると…


「一体お前らは何をしているんだ!!」


「使用人として反省しなさい!」


下から何やら怒鳴り声が聞こえる。


僕は、ベッドから起き覚束ない足取りで部屋を出て一階に下りる。


どうやら大声はリビングから聞こえてくるようだ。


僕はリビングの扉を開ける。


「一体全体何事?」


僕はそう言いながらリビングに入っていくとそこにはユリーシャとイリアルの前に正座をさせられているシャルたちがいた。


「悠真様!」


「悠真!」


僕の声に反応してユリーシャとイリアルが僕に近づいてくる。


(パシッ!)


僕の前まで来た二人は同時に僕のほっぺたを引っぱたいた。


そして、二人はギュッと僕を抱きしめた。


「ん?ユリーシャ…イリアル?」


僕は訳が分からず戸惑う。


「心配したんですよ?」


ユリーシャが泣きながら言う。


その言葉にイリアルが首を縦に振る。


「…ごめんね?でも、シャルたちを責めないであげて?僕が行くって聞かなかったんだ!」


僕は二人に誤ったりシャルたちを責めないように言う。


「それはシャルたちから聞いた。」


「じゃあ、シャルたちを許してあげてくれないかな?」


僕はシュンとするシャルたちを見ながら言う。


「はぁ…悠真様は本当に…」


「はぁ…全くだ。」


二人はため息をつきシャルたちを見る。


「ですが、何もおとがめなしというわけには行きませんので」


「そうだな…シャル、キル、お前たち二人は1週間で庭の草むしりと外の倉庫の片付けをすること!それと、その三日間は悠真と会うことは禁止とする。」


「ハクアと今回知っていて止めなかったアルとララルも同様です。但し、ハクアのみ三日間、悠真様と会うことを禁止とします。」


「はい…」


五人は頭を下げそう返事をする。


「悠真は明日から部屋に食事を持っていくから明日から三日間は絶対に部屋の外に出ないこと、キル!ハクア!悠真の部屋に急ぎシャワールームを作れるか?」


ユリーシャとイリアルは五人にそれぞれ罰を与え、シャルとハクアとキルには三日間僕との接触を禁止した。


何時の間にか部屋決めはされており、アルとエリ、ルルーシュとエルグ、ハクアとキル、ララルとアース、シャルとリリア、そして、当然のごとく僕とユリーシャとイリアルが同室になっていた。


キルとハクアはイリアルが言ったとおり僕の部屋にシャワールームを即座に作った。


「じゃあ、悠真…ご飯を持ってくるから部屋で待っていてくれ。」


「閉じ込めるのは心が痛みますがあの子達の罰なのでどうか、許して下さい。」


「僕だけおとがめなしというわけにはいかなかったから逆によかったよ…僕にも罰をくれてありがとう。そして、本当にごめんね。」


僕は二人に頭を下げた。


(ガチャッ)


部屋のドアが閉まり、外から鍵がかけられた。

 

僕は机の上に置いてあったキャンドルに火を付けシャルから借りた本の続きを読む。


(コンコン…ガチャッ)


「悠真(様)!入るぞ(入りますよ)?」


そう言ってイリアルとユリーシャがおぼんをもって部屋に入ってきた。


僕は何時の間にか寝ていて夢うつつユリーシャたちの声が聞こえていた。


「本当に、悠真様、怪我がなくてよかったです!」


「そうだな!今はまだ本調子じゃない…三日間はゆっくりさせとかないといけないね?」


そんな会話だったろうか、二人はそう言うと僕のほっぺたに軽くキスをして部屋を出ていった。


僕はまた眠りにつき目を覚まし机の上に置いてある料理を食べる。


「温かい…」


冷めていると思っていた料理は温かく温め直されていて、僕はこの世界に来て初めて一人で静かな食事をした。でも、どうしてかそれが寂しいとは思わなかった。


お腹がふくれた僕はまた眠くなり、ベッドに横になる。


(あんなに寝たのにまだ眠たいなんて…) 


僕はそう思いながらまた眠りについた。


暖かく優しいぬくもりを感じ僕は目を覚ます。


なぜか目からは涙がこぼれていた。


両隣では、イリアルとユリーシャが僕の頭を撫でながら僕の体に密着させている。


今回はきちんと服を着ているようだ。


二人の暖かさで僕はまた眠りにつく。


そうこうしながら三日が過ぎ、だるさが抜けなかった僕の体はすっかり良くなった。


元気になった僕は、シャルたちに謝ろうとシャルたちを探す。


外の倉庫を覗くとシャルとキルとハクアが掃除をしていた。


「えっと…シャル、ハクア、キル?」


僕が倉庫の扉からそう声をかけるとシャルたちは僕を振り向きパーッと笑顔になる。


「悠さん!!」


三人はウィルに出かけたときと同じように僕の名前を呼ぶ。


「悠さんにお願いがあります…」


三人はいきなり真剣な顔をして僕を見る。


「ん?僕に出来ることなら何でも言って?っとその前に、三人とも今回は僕のわがままでこんな事になってしまってごめんなさい…」


そう言って僕は頭を下げた。


「…頭を上げて下さい!悠さん。」


シャルが言う。


「そうですよ!」


次にハクアが言う。


「ウチらも悪いんですから!」


最後にキルがそう言った。


「悠さん!僕らのお願い聞いてくれますか?僕たちとも忠誠の証を交わして下さい!」


いきなりの話に僕は目を点にする。


「あれを?」


「はい!駄目…ですか?」


(そんなお願いされるように聞かれたら…)


僕は心の中でそう思いながら覚悟したように


「分かった。」


と言いながら頷いた。


こうして、僕はシャル、ハクア、キルと忠誠の証を交わした。


「じゃあ、倉庫掃除頑張れ!」


僕はそう言うと倉庫を後にした。

最後まで読んで下さりありがとうございます!

着々と悠真のハーレム生活が進行しております中、主人公の悠真とヒロインのユリーシャとイリアルのイチャつきが少なくなっておりすみません。

次回はきちんと考えておりますので、これからもよろしくお願いします!

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