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親衛隊と信者の自己紹介

僕らは今、ドラゴンとグリフィンに乗って西の国と国との境界線に向かっている。


リークさんが連れて行ってくれる筈だったが、調査の方で何かあったようで、急ぎ行かなければ行けなくなり、僕らに地図を持たせ魔法で去って行った。


「悠真よ...お主の中のその者は...まぁよいか...また今度二人の時にその話はしよう。」


去り際にリークさんは僕にテレパシーを送ってきた。


「えっ?なんでそれを...」


僕がそう、言いかけたときリークさんの姿はもうなかった。



「それにしても、リークさんはなんで、あの夢を...」


「ゆう...様...悠真...様...悠真様!」


僕が考え込んでいると後ろからユリーシャの声が聞こえた。


「ん?」


僕は(ハッ)となって顔を上げた。


「悠真様?大丈夫ですか?何度名前を呼んでも返事がなかったので心配しました。気分がすぐれないのでしたら、どこかで休みますか?」


ユリーシャが後ろで心配そうに声をかける。


「うんん...ちょっとボーッとしてた。気分は悪くないから大丈夫だよ?」


僕はユリーシャにそう言いグリフィンの手綱をギュッと握った。


「そうですか...何かありましたら言って下さいね?」


ユリーシャはそう言い前を向いた。


「おーい、ユリーシャ!この辺みたいだぞ!」


イリアルがそう言いながら手を振る。


王宮を出た時は真っ暗だった空が今は太陽がでて明るくなっている。


イリアルが指さした方を見るとそこには広大な森が続いていた。


「この辺で、一旦下りましょう。」


ユリーシャはそう言うとグリフィンに降下するように指示する。


「そうするか。」


イリアルとそう言いユリーシャに続くように降下してくる。


付き人達もその後に続く。


(ドスン)


僕らは森の中に降りそれぞれ、グリフィンとドラゴンから下りた。


下りた後、グリフィンとドラゴンはまた空へと飛び上がる。


「えっ?グリフィンとドラゴンはどこに?」


僕はそう言いながら上を見る。


「あー、私たちが下りたならあの子達の仕事は終わりなのです!ですから、それぞれの王国に帰るのですよ?」


ユリーシャが空を見ながらそう言うとグリフィンとドラゴンは光の速さで飛び去った。


「はや!」


僕は驚くように言う。


「私達を乗せているときにあの速さを出したら、私達の首がもげてしまいますので、私達を乗せているときはかなりゆっくりのスピードで飛ぶのです。」


ユリーシャは微笑みながら僕に言う。


「へー、そうなんだ!」


僕がユリーシャとそんな話をしていると


「グランデル様、アースがあちらの方にデカイ屋敷があると言っております。そこではないでしょうか?」


とエルグは森の奥を指さしイリアルに言った。


「よし、ではアース、案内を頼む。」


イリアルは親衛隊の一人にそう伝える。


「了解しました!」


アースと呼ばれたその子はそう言うと森の奥に進み出した。


森を歩き出して数時間後、視界が開け目の前に大きな屋敷と悠真のハーレムハウスと貼られた紙を発見した。


「は...はは、リークさん、ここによって貼っていったな...なんてもんを...」


僕は苦笑いしながら言う。


「くっ...まぁ、母様らしいな...」


イリアルは笑いながら言う。


「お母様ったら...ふふふっ。」


ユリーシャもそれを見て笑う。


「もう、二人とも笑うなよ!」


僕は張り紙をはがして二人に言う。


「くくっ、じゃあ...屋敷の中に入るか!」


イリアルは笑いを抑えながら言う。


「ふふっ...皆さんも入りますよ!」


ユリーシャも笑いを抑えながら言う。


(ガチャッ!ギー...)


僕らは屋敷の古びたドアをゆっくりと開ける。


「うっわー...」


僕らは屋敷の中のあまりの汚さにそう言う。


「こほこほ...これは酷い...早速掃除しないといけませんね。」


親衛隊の一人が咳をしながらそう言い


「ライト」


と唱えると屋敷の中が瞬時にして明るくなった。


「うおー...」


僕は屋敷の中のあまりの広さにそう声が漏れた。


屋敷の中はホコリだらけだが殆どの家具は掃除をすればまだ充分仕える物ばかりで、早速手分けして僕らは掃除をすることにした。


イリアルとユリーシャは付き人からしなくていいと言われたが、二人が断固拒否したので一緒に掃除をすることになった。


「掃除をする前に私の親衛隊の紹介がまだだったな!では、紹介しよう!隊長のエルグは知ってるな!その隣の短髪で髪が赤いのがシャル、長髪で髪が水色なのがエリ、黄緑のポニーテールに髪を上げているてさっき屋敷の中を照らしてくれたアース、黒髪に短髪で左目の下にほくろがあるのがキルだ!」


「改めまして、エルグです。服作りと攻撃魔法が得意です!これから、よろしくお願いしますね!悠真様。」


エルグはそう言うと手を出し僕と握手する。


「よろしく、エルグ!」


僕はエルグの手を取り握手を交わす。


「シャルだ!悠真様の事はエルグ隊長から聞いている。僕はスピード魔法が得意でね。買い出しや遠くに用事があるときは僕に頼むといいよ!」


シャルは胸を叩いて言う。


「シャルだね?男の子がいてよかった!ハーレム生活って聞いたから冷や冷やした。男二人だけだけどよろしくね。」


僕はシャルに抱き付きそう言った。


「えっ?えっ?」


シャルは動揺しながら手をバタバタさせる。


「シャル...どうかした?」


僕はシャルを一旦放し、顔を見て言う。


「悠真...シャルは女性だよ?」


イリアルが呆れた顔で僕に言う。


「えっ?あっ...ごっごめん...」


僕は急いでシャルから離れた。


「うんん...よく間違えられるんだ!自分のこと僕って言うのとこの平らな胸...で...」


シャルはガックリと下を向く。


「ごっごめんね?本当にごめん...」


僕は慌てながらシャルに謝る。


「なにシャルを困らせてるですか!この変質者!」


王宮で僕を睨んだ女の子がシャルと僕の間に入り僕に向かってそう言った。


「エリ!悠真様に向かって失礼にも程がある!今すぐ謝るんだ。」


エルグがエリの頭を叩き下げさせる。


「隊長!こんな変質者にエリは頭を下げたくはありません。」


エリはエルグから頭を抑えられながら僕を睨みそう言う。


「エリ!悠真様は私たち親衛隊がお仕えするお方...それ以上悠真様を侮辱するようならば、今ここで私と勝負するか?その代わり、命の保障は無いと思え!」


エルグは怒りの表情でエリを見る。


「ストーップ!」


僕の声に皆が振り向く。


「エルグ、そこまでにしてくれないかい?」


「しかし、悠真様!」


「お願いだよ...僕の顔に免じて...ね?エルグも僕と最初に会ったときはあんな感じで僕に突っかかってきたでしょ?」


僕はエルグを宥めるように話した。


「うっ...それを出してくるなんて...悠真様は意地が悪い。はぁ...分かりました。」


エルグはそう言うとさっきまでの殺気を引っ込め後ろに下がった。


「うっ...うぐっ...うぐっ...」


エリは半泣きしながら列に戻った。


「わしはアース。先ほどはエリが失礼した。わしは光魔法と料理が得意なのじゃ!その二つの事を頼むならわしに言ってくれるかの?」


アースは頭を深々と下げながら自己紹介をした。


「アースだね?分かった。よろしく頼むよ。」


僕は腰に手を当てアースに言う。


「最後はウチだな!初めまして、ウチの名前はキル!力仕事ならウチに任せてくれ!ウチの得意魔法は重力魔法だから、どんな物でも人間以外だったらうかせれるから!」


キルは笑顔で僕にそう言った。


「よろしくね!キル。力仕事は任せるよ。」


僕はキルの笑顔を見て微笑みながらそう言った。


「では、悠真様!私の方も紹介しますね?この者達は知っていると思いますが再度紹介します。右から長髪で左の目尻にほくろがあるのがルルーシャ、短髪で右目尻にほくろがあるのがアル、短髪でいつも花の髪飾りを付けていて左下あご付近にほくろがあるのがララルです。」


「ユリーシャ様...なんでほくろなんですか?普通に紹介してくれればいいじゃないですか...」


三人が言う。


「いえ、髪が変われば、ルルーシャ達は見分けがつかないのですよ?」


ユリーシャは困った顔で三人を見た。


「本当にユリーシャ様は...。では、改めて...お久しぶりです、悠真様!あの時は、急ぎ準備しないといけなかったので挨拶が遅れてしまい申し訳ありません。私、ユリーシャ信者の隊長を勤めております、三つ子の長女でルルーシャと申します。得意なことは、剣術と服作りです!どうぞこれからよろしくお願いいたします。」


ルルーシャが胸に手を当てお辞儀する。


「私は、三つ子の次女でアルって言います!あの時は、半ば強引にしてしまってすみません。服作りと魚釣りは得意だから、今度、悠真様にも教えますね?これからよろしくお願いしますね!」


アルは言葉を詰まらせながら僕の手を握り言う。


「悠真様、お久しぶりですね?私三つ子の三女のララルと申し上げます。服作りと料理も得意としておりますので、アースさんと一緒にいっぱい美味しい料理を作りますね!これからよろしくお願いいたします。」


ララルはペコリとお辞儀をして僕を見る。


三人が一気に来たものだから僕は一人一人に返事を返すことが出来なかった。


「ルルーシャ、アル、ララルこれからよろしくね!服作りは君たち三人とエルグに任せるよ!僕まだ五着くらいしか持っていないから、落ち着いたらラフな服を二、三着作って貰えると嬉しいかな?」


僕は、微笑みながら三人とエルグを見た。


「了解致しました、悠真様!」


四人は僕を見ながらそう言った。


「では、悠真様?後の二名は初対面でしたよね?髪が白髪なのがハクアでハクアの後ろに隠れているのがリリアです。リリアは男性が苦手なので、悠真様に失礼な態度をするかと思いますがご了承ください。」


ユリーシャはそう言うと苦笑いしながら僕を見た。


「僕は全然大丈夫だよ?よろしくね!ハクア、リリア!」


「お目にかかれて光栄です、悠真様!ご紹介にあがりました、私、ハクアと申します。弓を使った技が得意としております。他にも物作りなら私にお任せを!材料があれば何でも作りますよ!」


ハクアは頭を下げてそう言うと、辺りを見渡し、近くにあった木を切り、瞬時に椅子とベンチを作った。


「おー!凄い特技をもってるんだね?よろしくね、ハクア!」


僕は手を叩きながらハクアに言った。


「じゃあ、最後は君だね?」


僕はリリアの方を見て言う。


リリアはまたもハクアの後ろに隠れてチラリと僕を見る。


「えっと...。」


僕はリリアを見て考え込む。


「リリア...と申し上げます。」


ハクアの後ろに隠れながら小さな声でリリアが言った。


「山菜採りが...得意...です...よろ...し...く...おっ...お願い...します。」


リリアは言葉を詰まらせながら僕に自己紹介をしてきてくれた。


「あ...うん!リリアよろしくね!」


僕はリリアを見て微笑みながらそう言った。


「珍しい!リリアが男性にこんなに話すなんて!」


ユリーシャはリリアを見ながら驚いて言う。


「まっ...ともあれ、自己紹介は皆済んだことだし。掃除を始めるとしよう!これだけの大人数だから仕切ってくれる人が必要だな!この屋敷の主である悠真に任せたいのだが...良いか?」


イリアルが言う。


「それは良い考えですね!悠真様、お願いしてもいいですか?」


ユリーシャも言う。


「えっ...僕が仕切るとか...無理、無理、無理だよ。」


僕はイリアルとユリーシャを見ながら首を振り後ずさりした。


「のあっ...」


足に何かが引っかかり、僕は後ろ向きに派手に転びそうになり腕を前でバタバタさせる。


イリアルとユリーシャが驚いた表情で僕に手を差しのばすがとどかない。僕は目を瞑り痛みを覚悟した。


(トンッ!)


「えっ?」


誰かが僕の肩に腕を回し、僕が転ぶのを阻止してくれた。


僕はその体制のまま、ゆっくりと目を開けた。


「悠真様!大丈夫ですか!?」


僕の横で腕を回していたのは、アルだった。


アルは心配そうに僕の顔を見てそう言うと、僕の少し斜めになった体をもとに戻してくれた。


イリアルとユリーシャを見ると二人ともホッとした表情で胸を撫で下ろしている。


「あっ...ありがとう。アル、助かった。」


僕はお礼を言いながらアルを見る。


「いえ!たまたま悠真様の傍にいたので、悠真様が怪我されてなくて良かったです。」


アルは微笑みながらそう言った。


(ゾクゾク)


僕は誰かに殺気だった目で見られているのを感じ周りを見た。


「悠真様?どうかしましたか?」


アルは首を傾げながら言う。


「うんん...何でもないよ?」


アルに声をかけられた僕は慌てて首を振りそう言った。


「そうですか。何かありましたら言って下さいね?」


アルは微笑みながらそう言うと、ルルーシャとララルのもとに駆け寄っていった。


(それにしても、さっきのは...殺気だったような...)


僕はそう思い今度は目だけで周りを見る。


しかし、さっきまであったその気配は消えていた。


(思い過ごしかな?)


僕はそう思いイリアルとユリーシャのもとに駆け寄る。


「悠真様、お怪我はなかったですか?」


「悠真...怪我はないか?」


僕が二人の元に着くと二人同時にそう言って僕を見る。


「この通り大丈夫だよ?」


僕はそう言いながらニコリと笑う。


「すまなかった...私があんな事をいったから...」


イリアルが僕に謝る。


「私も、軽率でした。申し訳ありませんでした。」


ユリーシャもシュンとした顔で僕に謝る。


「二人とも謝らないで?あれは、僕の不注意だから、気にしなくて良いよ?」


僕はポンッと二人の頭を軽く叩いてそう言った。


「ですが!(でも!)」


二人はそう言い僕を見る。


その声の大きさに周りにいる皆は僕らの方を見る。


「はぁ...イリアルもユリーシャもこの屋敷の主が僕だからそう言ったんだよね?」


僕は二人を見て言う。


(コクリ)と二人は頷いた。


「確かに、二人の言うとおりだね。」


僕は静かに二人に向かってそう言う。


「僕がこの屋敷の主を任されたのだから、仕切るのは主である僕がやるべきなんだ!うん、皆がそれでいいのなら僕が仕切るよ。」


僕は皆を見渡してそう言う。


「なんで、お前みたいな変態に...」


エリが僕に何かを言いかけたとき


(ゴン!)


とエルグがエリの頭を打ちエリを睨む。


「うっ...なんでもないです」


エリは俯きながらそう言った。


「異存ありません!この屋敷の主は悠真様ですので。」


エルグは僕を見て言う。


「私達も異存はありません。」


ユリーシャ信者も僕を見てそう言った。


「分かった。」


僕はそう頷くと各グループに担当場所を振り分けていった。


僕とイリアルとユリーシャはリビング担当。


風呂場はハクアとキル担当。


二階の各寝室六室と廊下はリリアとシャルとアルとエリが三部屋ずつ担当。


調理場はララルとアース担当。


玄関、一階の廊下、階段はルルーシャとエルグが担当で僕らは屋敷の掃除に取りかかった。

いつも最後まで見て頂く方ありがとうございます!


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