一章 赤熱戦士ナポリタン参上!
ツイキャスの話から作り上げました。お楽しみください。
名保里廻都…これが俺の名前だ。
生まれたときからその名字でからかわれていた。
しかしながらこの名字はエリートの名字なのだ。
江戸時代は名主を務めていて、もっと昔になると里長と保長も務めていたらしい。
それを取って名保里という名字だということにしているが、実際は分からない。
それにしても、近頃の刈田狼藉は酷い、せっかく育った稲や小麦が、刈り取られてしまうことが増えた。
ホント、室町時代じゃねぇんだからさ。いい加減にしろよ。
しかし、海外でも飢饉が起こり、日本でも食料が減り始めた。
名保里は危機感を抱いた。彼は焦った。このままじゃ日本で野垂れ死にしてしまう。だが、自分には力がない。刈田狼藉をしているヤクザを止めようとしたが、命からがら逃げてきた。
「くっそう。俺はどうすれば良いんだよ。」
彼、名保里は苛ついていた。このままだといけないと。
ある時、彼の家に御守りが届いた。変な話だが、彼はその御守りを肌身離さず身に付けていた。どこの誰それが送ってきたかも分からない代物であるのだが。
ある時、彼は刈田狼藉を見てしまった。
彼は声をかけたかったが、ヤクザが恐くて話し掛けられなかった。その時だ!彼は意識が遠のいた。
「おい!テメェ、何してやがる。俺達が必死に育てた作物をよ。」
「んだ?てめぇよ。俺達はここの畑を管理してんだよ。あんたに口出される筋合いはねぇよ。」口を揃えてヤクザは言う。
「それなら何でこんな真夜中に収穫してんだ?どうみても変だろ。」
「俺達は午前中忙しいんでね。真夜中に収穫してるんすよ。」
「そして何より、まだ実ってねぇぞ。間引きにしては量が多すぎんじゃねえか?」
「お前!親方から排除命令が下った。粋がってんじゃねぇぞ。此処で終わりだ。」
「名保里廻都…またの名を赤熱戦士ナポリタン参上。さー。俺のターンだ。名保里ターンだ。いくぜ。」
「か弱い鎧で何が出来る。蜂の巣にしてやれ!」
「麺の壁-スパゲッティーシールド-発動。」
「何っ!弾切れだと?馬鹿な。お前達一旦退くぞ。覚えてろよ。ナポリタン。」
「待ちやがれ!はっ!」鎧からナポリタンの触手が伸びてヤクザ三人を捕まえた。
「誰の命令だ!こんなに畑を荒らしたのは。言え!言わないと解放しないぞ。」
「弥治郎とか…いうものです。俺達は…分かりませんよ。」
「本当に…それ以外は隠してねぇだろうな?」
「ひっ…な何も!隠してませんよ。お願いします。警察には言わないでくださいよ。」
「さぁ?それはどうだろうな。まぁ秘密にしておく。その代わり…情報協力宜しくな。」
「分かりました。」
赤熱戦士ナポリタンは彼らを解放した。
すると、意識が戻った。ヤクザが怯えているのが見えた。
「俺は、一体どうしたんだ?アイツらを倒したのか。」
彼は戸惑っていた。
スパゲッティーマンの戦いはまだ終わらない。
歴女綾乃の豆知識
郡郷保っていう単位が昔はあったのよ。
今でいう市町村みたいなところかな?
いつしか保が里に変わったようだよ。