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ep.1 誕生


          * * * * * 


コポリと泡を吐き出して眠りにつく。

薄目を開ければ青い光が差し込んでくるのが見えた。

何とも思わず、ただその情報だけを受け取る。 

ソレはただそこに在るだけのものだった。

ソレと世界は何か透明なもので遮られており、その中心でソレはくるりと身動きした。


          * * * * *






息が苦しかった。 空気を吸い込もうとすると何かが邪魔をしていて出来ない。

このままじゃ死んでしまう、と思い邪魔なものに爪を立てる。

するとそれはあっさりと解けて消えた。

やっと手に入った新鮮な空気に少々咽ながら一息つき、閉じていた目を開く。

目に飛び込んできたのは、どこまでも広がる青い光と闇が織り成す幻想的な世界だった。

光はゆらゆらと揺れてまるで踊っているかのように広がる。身動ぎすると波紋が生まれ、形が歪んでいく。

「……歪んで…?」

なぜ動くと光が歪むのだろうか。 それではまるで水中にいるときみたいではないか。

そこまで考えてはたと思考を止める。…今自分はなんと思ったのか。水中、と思わなかったか?

いつのまにか詰めていた息を吐き出すとコポリときれいな輪を描きながら…。―――やはり水中であった。

「………っ!?」

息が…っ!と慌てるが普通に息が出来ていることに気が付く。

「あれ?」

とても混乱しているはずなのに、頭の一部…否、大部分はそれを当たり前だと解って(・・・)いることに戸惑う。


何かがおかしい。  何がおかしい?  何もおかしくない。


ぐるぐると思考が渦を巻いて気持ちが悪い。  あまりの気持ち悪さに思考に蓋をして何も考えないことにした。  


とにかく自分はココにいる。  それでいいじゃないか。


そう思考完結してまたコポリと泡を吐いた。




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